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「源氏物語」 (三)空蝉

わたしが読んでいるのは、谷崎潤一郎訳の「源氏物語」。よく言われているのが「主語」が省かれていること。谷崎潤一郎は、それ以前の口語訳(与謝野晶子訳)よりは、やはり読みにくく、途中で誰が語っているのか分からなくなることもある。しかし、川端康成のお勧めもあり、潤一郎訳で読破を。

空蝉の羽におく露の木がくれて
忍び忍びに濡るる袖かな

一度は愛を交わしながらも、その後にあっさりと振られた光源氏は、再度小君の手引きで屋敷へ向かう。部屋の奥で女達が碁などを打って遊んでいるところを盗み見しながら、彼の前では慎ましやかに振る舞う女達がくつろぐ姿を眺めている。
皆が寝静まった後、空蝉の寝床へ忍び込むが、「どうも前よりふっくらとしている、まてよ、別人じゃないか!」、空蝉の継娘だった。それと分かっていながらも、あれやこれや口説いては寝てしまう。それほどまでにつれない女とは・・・と想いながらも、空蝉が光源氏から逃げる際に脱ぎ捨てていた薄衣をもって帰途につく。
空蝉の気持ちは、「もし独り身であれば・・・」、分からなくもない、どうしたって光源氏の方が自分の旦那より高貴なお人であるし、何しろたぐいまれなる美男子と来ている。そこを、空蝉の「洞察力とほんの少しのリアリズム」で男を拒否する。不思議なことに、現代の道徳は通用しないのに、そうとも読まれてしまうのかもしれないけれど。それにしても旦那の立場はないな、これじゃ。

 




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