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「ローマ人の物語」 パクス・ロマーナ

先を読みたければ、既刊の単行本を買えばいいのだろうけれど、文庫で完結まで待ちます。今年、「カエサル」の後、ようやく、「パクス・ロマーナ」へ。

アウグストゥスの「治世」?いやいや、彼は後の皇帝たちとは違う、カエサルの力を相続したが、しかし天才は彼のものではなかった。平凡だが不思議に努力が伺え、そして苦悩が見え隠れする。カエサルは間違いなく天才だったろう、そして陽気な人間性を感じた。しかし、アウグストゥスは、ただ、ゆっくりと平凡に歩いた人だとおもう。

なぜ、皇帝が生まれたか? それは彼が、彼の血を受けた子供が力を受け継ぐことを望んだからに過ぎない。そして、巨大になった「ローマ」はそのような統治のほうが効率が良かっただけなのだろう。だからこそ、彼はまだ皇帝ではなかった。ただ、元老院ののなかで「第一人者」、「国家の父」であり、いくつかの特権を持っていたに過ぎない。

著者は膨大な文献を読み下し、ごく平易な文章でゆっくりと語ってくれる。いままでにこのような本はなかった。これほどに歴史を楽しませてくれる本を、一時に読んでしまうのはもったいない。だから、文庫が出るのを楽しみに待っているわけ。いずれ、カリギュラやネロが生まれ、それから賢き皇帝の時代。それでも、結局は命運つきる。大きくなりすぎた固まりが、少しずつ小さくなってゆく時代へと移ってゆく。

 




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