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| カウント・アップ、カウント・ダウン | | 作成日時: Nov 27, 2004, 12:04 AM |
いつの頃か、その男は人生の終末を意識するようになる。
それまでは、様々なこと、例えば来年の海外旅行は何回目か、今まで見た映画は何本になったかとか、息子が学校から持ち帰る賞状は来年で何枚になるか等々、数え上げることばかりだった。
ある日会社から帰るとその男の奥さんが深刻そうな顔で、「あなたの学生の時の・・・」、男の古くからの友人が病気で死んだことを聞かされた、その時からだった。死を考えたことが無かったわけではない。ただ、まだ遠い、遙か彼方に微かに見える幻影でしかなかった、それが、友人の死を聞いたその瞬間、彼の顔の真横に「それ」を感ずるようになる。
その時から、彼は「数え上げる」ことが出来なくなった。逆に、これから後何回それをすることが出来るか。残り何回の旅行にゆけるか、残り何回息子とサッカーを出来るか、残り何回妻と愛し合うことができるか。カウントダウンの始まり、それ以来彼のまなざしは、とても空虚なものとなる。 |
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