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街の想いで

わたしが持っている最も古い記憶。それは多分ニューヨークの中華街、何かしら動物みたいな感じの文字を店名にしている中華料理屋で、わたしは春巻きをナイフで切ろうとしている。隣には母、正面には父が座っている。
そこは日本だったのかもしれない。でも、9歳まではニューヨークに住んでいたはずだからその記憶は間違いなくニューヨークのはずだ。

父は片手でわたしを抱えて、街を闊歩していた。ものすごく大きな人だった。そして、ミュージカル舞台の断片が、一つの絵模様となって思い起こされる。そしていつも手にはポップコーンを抱えていた。

父はニューヨーク・タイムスの記者だった。母は父と同棲し、わたしと妹と弟を生んだ。それから二人は結婚した。


 




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