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しょっぱなからの憎しみ

 説明できるならとっくに説明していた。作家ほど、話すことが下手な人間はいない。だから「書く」のだ。

 言葉は嘘をつくためにある。真実を伝えるにはあまりに脆弱で、完成されていないもの。
 感情を表現する語彙が唯一、最も真実に近い。

 彼女の目はわたしを憎んでいた。信じられない。笑いかけながら、わたしを蔑んでいた。

 「あなたに似た人がいたわ」

 彼女は笑っていた。微笑みかけながらわたしまで憎むとは、

 「そのおれに似ていた奴は相当にひどい奴だったんだろ。」
 「そう、結局あなたもおなじ。」

 傷つくことを言ってくれるじゃないか。

 




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