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No.61 忘己利他。
もしもあなたの買った宝くじで、ドーンと2億円が当たったとしたら・・・
さぁ、ドーします?!

『えっ?何ですか?薮から棒に・・・。』

まぁまぁ、何も聞かずに。とりあえず当たったということで想像してもらいたいんで・・・。

『はぁ、2億円ねぇ。解りました。ぢゃあ、想像します。えーと・・・』

『わ〜い!2億円あたったぁぁぁ!
バンジャーイ!バンジャーイ!』

おめでとうございます!さっそくですが、このお金何に使います?

『うーんとね。まず前から欲しいと思っていた100インチのプラズマTV買っちゃうよ。』
『まぁ、リビングと寝室に・・・そうそうトイレにも必要だね。
うんうん、3台くらいまとめて買っちゃおうかな。2億円もあるしな。』
ってんで、大型電気店へ行きました。

超高級プラズマTVではちょうどニュースをやってて、アナウンサーが『大雨の水害』を伝えている。
画面には、住む家も、家財道具も、亡き母の思い出の品さえ失って涙にくれる人々が映し出されているト・・・。

『・・・・・・え?・・・・・。』


ホント世の中にはスンゲー人がいるものですね。

ほら、あの東北の水害義援金として贈られたと言う『2億円の宝くじ』。
しかも匿名で届いたってぇからスゴイぢゃありませんか。

ついつい私たちの場合、タマにちょっと良いコトすると
『オレ、オレ。オレがやったのよ。』
と、オレオレ詐欺師のように『自分が良いことやった!』ト言いたくなるもんですよね。
それも『まいったなぁ、分かっちゃった?オレッてウソつけないんだよね。あはは。』
トさりげなさを装うコトも計算しちゃうトコが凡人のアサマシサです。(ワタシです!)
それを全くの匿名でポ〜ンと2億円。いやぁ、マジすごいです。

ところで皆さま『忘己利他』って言葉を聞いたコトあります?。
『もうこりた』と読みます。『もう懲りた』ではありません。

昔々、日本に仏教を伝えた最澄さん(※注1)とゆー偉いお坊さんが言った
『己を忘れ、他を利するは慈悲の極みなり。』という言葉がもとになっているんだとか。

つまり今風に言えば
『誰かを助けるために自分のコト忘れてたって人。マジ、スゴクない?』
って意味です。(ホント?)

『利他』(他人にとって得になる。喜びとなる。助かる。などなど。)だけなら
あなたもこれまでに沢山の『利他』を施した経験があるでしょう?
誰でも誰かに喜んでもらったり、誰かを助けることが出来たら嬉しいものですね。

でも『忘己』(己を忘れる。)は難しい。

例えば、先ほどの匿名の2億円が贈られる時、
そのお方がどんな想いでその全額を寄付したか・・・っつ〜コトです。

TVのニュースで知った他人の不幸に何かせずにはいられなかった。
とっさに2億円の当たった宝くじを贈ったではなく、単に送った。何も考えずに。
これが『忘己』です。

『これがあれば、プラズマTV買えるんだけどなぁ。仕方が無いなぁ。』でもなく、
『何も2億円じゃなくても、1億円でも良いんぢゃないか?』と迷った訳でもなく、
『ふふふ、これを送ったら世の中大騒ぎになるだろうなぁ。オモシレ〜』でもなく。
『コレでワタシ天国へいけるよねっ。ねっ?ねっ?行けると言ってぇ〜』でもなく。
『贈ったからには有効に使わないとタダぢゃおかないカンな。』でもなく。

ただただ、気がついたら『2億円送っていた。』というのが『忘己』なワケです。
送った後にも『あぁハイハイ、2億円送ったコト?そんなこともありましたっけねぇ。』
なんて忘れてるんです。
こう考えると、『忘己利他』の玄妙な味わいに感動しません?
まさに慈悲の極みです。

もっと極めれば、テレビのニュースを見ながら
『へぇ〜、世の中にはエライ人がいるもんですねぇ』
なんて、すっかり自分が送ったことさえ忘れてる・・・ト・・。



ん?それってタダのボケでしょーがっ!

※最澄さん(766~822平安時代)天台宗の開祖。空海(真言宗)と共に近代日本仏教の基礎を作り上げた偉いお坊さん。
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