『中国新聞』社説 2007年10月31日
特措法期限切れ 失効を機に論議尽くせ
海上自衛隊によるインド洋での給油活動の基になっていたテロ対策特別措置法が、あすで期限切れになる。
政府が国会に提出している新テロ特措法案が期限内に成立する可能性はほとんどなく、給油活動が中断するのは確実になった。現在、インド洋にいる海自派遣部隊の補給艦と護衛艦は、撤収命令を受けて帰国する予定である。
二〇〇一年十月にテロ特措法が制定されてから六年がたつ。「失効」を機に、日本の貢献策についてあらためて論議を尽くそう。
テロ特措法は、9・11米中枢同時テロを受けた米国の対テロ軍事行動を支援するのが目的。〇一年十二月から始まった洋上給油は、これまでに計十一カ国の艦船に七百九十四回実施した。アフガニスタンで展開される米軍主導のテロ掃討作戦「不朽の自由」の一環として、海上阻止活動に位置付けられている。
しかし、アフガンでは自爆テロなどが頻発。戦乱と干ばつで農地が失われ、多くの民衆が犠牲になっている。旧政権タリバンが力を盛り返し、治安は一段と悪化しているという。海自の給油活動が、どれだけ成果を挙げているのか、検証する必要があろう。
政府、与党は審議入りしている対テロ新法案の今国会成立に全力を挙げる方針である。だが、「給油量訂正」にからむ隠ぺい問題や、守屋武昌前防衛事務次官の業者との「ゴルフ接待問題」が発覚。守屋前次官の証人喚問が行われたが、疑惑がぬぐい去られたとは言えそうにない。新法案は先行きが見えない状態だ。
民主党の小沢一郎代表は、給油活動は違憲としながら、アフガン国内で活動している国際治安支援部隊(ISAF)には参加できると主張する。国連決議に基づいていることを法的根拠にしている。
福田康夫首相はきのう、民主党の小沢代表と初めて党首会談を行い、新法案への協力を要請した。衆参で与野党がそれぞれ過半数を占める「ねじれ国会」の中で、事態打開を目指しているが、今のところ平行線のようだ。
民主党の責任も重大である。復興支援の貢献策や憲法とのかかわりなど幅広い論議のためにも、ISAF参加の問題も含め、党としての支援策を法案として具体化してほしい。給油活動が継続されるには、活動実態の詳しい説明や、イラクへの転用疑惑などの解明が欠かせない。