補給艦帰還 活動あらためて検証を(中国新聞社説)

『中国新聞』社説 2007年11月24日

補給艦帰還 活動あらためて検証を


 テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、インド洋での給油活動を終えた海上自衛隊補給艦「ときわ」がきのう、東京・晴海埠頭(ふとう)に帰ってきた。まずは任務を果たし、無事に帰国した乗組員たちの労をねぎらいたい。

 六年間の給油活動を通じ、米国をはじめ十一カ国の艦船に七百九十四回にわたって計約四十九万キロリットルの燃料を無償で提供してきた。

 政府・与党側は、衆院を通過した新テロ対策特措法案の早期成立を目指す構えを見せている。これに対し、民主党など野党側も反対の姿勢を続ける。野党が多数を握る参院での審議がどう展開するか、見通しは立っていない。参院での否決を念頭に、衆院で再議決して成立を図る—といったシナリオが、現実味を帯び始めている。

 再開の是非をめぐる対立の構図は、永田町だけではない。共同通信が今月上旬に実施した電話世論調査では、給油活動について「再開すべきだ」の46%に対し、「再開すべきでない」も44%とほぼ二分された。態度を決めかねている国民の思いの表れともいえよう。

 給油活動がテロ抑止にどんな効果を挙げたのか分かりづらいことが、背景にありそうだ。国会論戦の中で政府は、麻薬や武器の押収量は示したものの、拘束したテロ組織関係者の数などは開示していない。これでは、国民も判断のしようがなかろう。幅広い観点で活動を検証するためにも、詳細なデータを公表すべきではないか。

 さらに、イラク戦争への転用疑惑や給油量訂正問題もあって、不信をぬぐえないでいる。

 先の日米首脳会談で、福田康夫首相が対テロ新法案成立に全力を尽くすと約束した。ブッシュ大統領は「早期再開を期待する」と控えめに表現したと伝えられる。

 日本国内の慎重論に加え、米研究者の間でも「給油停止問題は米国にとって、それほど大きな問題ではない」との声が聞かれるという。近年の給油量が激減したことも併せて考えると、日本の給油活動の重要度が低下しているとの主張もうなずける。

 今回の活動終了は、日本の給油停止による影響を見極める好機となろう。福田首相は「日本が国際国家として生きていくための取り組み」と強調した。ただ、給油活動の意義自体、米中枢同時テロ直後の開始時と変わっているかもしれない。憲法や国連決議と照らし合わせて、自衛隊の海外活動を問い直してみることも必要だ。

改憲国民投票法案情報センター