野球

野球の絵本? 野球はあまり興味なくて…。いやいや、そうでも大丈夫ですよ。すかっとする読後感は、スポーツの絵本ならでは。運動好きでも苦手でも、ひかれるものがあると思います。絵本を読んだら、体も動かしてみましょう。

ガボンバのバット

「ガボンバのバット」表紙

「バット」といえば野球。表紙を見ると、メジャーリーグを思わせるような画風です。バットをかまえたぞうが、いかにも野球をやるぞって感じに見えました。

どんな試合をやるか気になったので、さっそく絵本を開いてみると…。ストライク・バッターアウト! ゲームセット!なんて、いきなり試合終了でした。あっという間の出来事で「え?」と思ってしまいましたが、文にもえ?と書いてあるんですよ。思わぬ展開にやられました(笑)。

最後の打席で三振したのは、ニコラスでした。ニコラスは、ホームランが打てずに悩んでいました。通算326本のホームランを打つエレファンツの4番、ガボンバをうらやましく思って…。ぞうの力強さが、ホームランバッターを想像させます。が、それはガボンバであって、ニコラスは…。

ニコラスとガボンバは同じぞうなのに、なにがちがうのでしょう? ニコラスはガボンバに会うことができ、メッセージをもらいます。そうか。よく見ると、ニコラスは見逃し三振だけど、ガボンバはたとえ三振しても空振り。メッセージでいっているのは、このちがいかもしれません。

このメッセージには、私もはっとさせられました。別にスポーツでなくても、忘れがちなことだと思います。やりがいを感じなくなったときは、ニコラスと同じかも知れません。そんなときは気分転換もかねて、この絵本はいいと思いますよ。

かこいをこえたホームラン

歴史的背景がある野球のお話です。

日本とアメリカが戦争をしていたころ、日系人は砂漠にあるキャンプ(強制収容所)に隔離されていました。キャンプの生活はひどい上、なにもやることがありません。そこで野球をやってみようと、子どもも大人も立ち上がったのです。

ぼく(日系人)は野球が下手です。練習もしたけれど、試合の打席では三振。よくてヒットでした。

決勝戦の九回裏ツーアウト、ランナー二塁でぼくの打席になりました。一発打てばサヨナラのチャンスです。ピッチャーとバッタとの間に緊迫感がある中、キャンプでの苦しみやアメリカ人に対する思いをバットにぶつけます…。

ピッチャーとバッターとの一騎打ち。こういった場面は、見ている方もぐっと息をのみこんでしまいます。スポーツを通じて、日系人同士やアメリカ人との絆ができていく姿に声援を送りたくなりました。絵もなかなか写実的で、試合の雰囲気が伝わってきます。