絵本書名た行
「た」で始まる絵本
だめだめ、デイジー
表紙がインパクトあります。鼻をほじっている女の子、デイジーがででーんと出ています。男の子でもうわっと思ってしまいますが、女の子が鼻ほじですよ。もう、鼻の穴に指をぐいっとつっこんで…。
こんな子、見かけたらどうします? 親ならなにかいうでしょうねえ、やっぱり。さっそくデイジーのママは、鼻ほじデイジーを注意しています。
ところが、デイジーはさらっといい返します。だって、ママだって
と。え、ママも鼻ほじ!?
大人が子どもを見て小言をいうように、子どもも大人をよく見ているものです。「だって」というには、物事を知らないといえませんよね。「だって、だれだれも持っていたよ」とか「だって、だれだれもやっているよ」とか。
とまあ、そういう親の小言と、子どもの反発がいくつも出てきます。デイジーのだって、ママだって
という反発に、ママはうまいこといってごまかしていますが…。後半のママの返事は、理由になっていないのがおかしかったり。大人は子どもを指摘することがありますが、子どもから指摘されるのは苦手なのかな。
そうあってかママも、デイジーの「だって」攻撃にしびれを切らして反発します。前作「ちゃんとたべなさい」と同じく、この親子は一発笑わせてくれました。親子ともども冗談がわかっていますね。冗談がいい合えるぐらいゆとりがあると、何事もうまくいきそうな気がしました。どうぞ、この親子を見て笑ってください。
2004年4月24日更新
だれがいちばんはやいかな
めんどり、ねこ、うさぎ、うまは、かけっこで競争をすることにしました。そこへ、かたつむりも仲間入り。さくらの木をめざして、みんなは走り出しました。
感じとしては「うさぎとかめ」のノリですが、教訓ぽくなく、ユーモアがあって楽しいです。最後のシーンは思わず笑ってしまいます。
絵は色鮮やかで、石の壁に描いたようなざらざら感があるのが個性的です。動物たちやかたつむりの表情もよく出ています。絵本を手にしたら、表紙を上にして開いてみましょう。みんなそろってスタートラインに並んでいますよ。
2003年10月29日更新
たぬきのおつきみ
お月見の日、たぬきたちはお月見の準備をはじめます。畑からは稲穂やいも。お地蔵さんからはお団子を失敬。すすきも取ったら…。
お月見は、お飾りをしたり月をながめたりで、いまひとつ派手さがありませんよね。でも、この「たぬきのおつきみ」はちがいます。
たぬきたちが、にやつきながら作物を取ったり、化粧というか仮装したような姿になったり。そんなたぬきたちの姿を見ると、笑ってしまいます。笑うお月見の絵本なんて、ほかにはないかも。
たぬきたちは、お月見の準備で勝手に人の物を取っていますが、別に悪気でやっていません。お月さんによろこんでもらうためにやっています。
私たち人間と、絵本のたぬきたち。どちらがきちんとお月見をやっているでしょうか? たぬきの方が上をいっているかも(笑)。絵本みたいに、形にとらわれないお月見をやるのもいいですね。
2003年10月7日更新
ただいま!
公園から帰ってきたこぶたくん。アパートのみんなに「ただいま!」と、声をかけてまわります。そんなこぶたくんを、ひつじばあさんはだきしめてくれたり、きつねおにいさんは宝物を見せてくれたり…。
まるで家族のような近所付き合いです。こぶたくんの「ただいま!」に、みんなが「おかえり」とこたえてあげます。やっぱり「ただいま」をいっても、誰も返事がないとさびしいですよね。
大人から返事をしてもらえるから、子どもは「ただいま!」と声をかける。それに大人がこたえてあげる…。これは、お互いに信頼しているからだと思います。
別に家族でなくても、こういった交流があってもいいのではないでしょうか。子どもを見守る温かさが伝わってくるお話です。
2003年8月15日更新
だんごむしうみへいく
だんごむしが、自分の仲間(同じ種類)に会いに行くお話。絵はちょっと独特な色づかいで、細かい所まで描き込んであります。
リアルでありながら、生き物たちの表情やしぐさが出ていて、ユーモアを感じるなあ。それに、1ページにいろいろな生き物たちが、いきいきと動きまわってにぎやか。絵を見ているだけでも楽しめます。
表紙の裏には、お話に出てくる生き物の、絵と名前が紹介されています。名前を調べてもいいでしょう。
シリーズ1作目に「だんごむしそらをとぶ」があります。
た、たん
こんな短い書名で、句読点があるのはめずらしいのでは? 初めて見ると、意味がわからないでしょう。
この絵本は、くまさんが動物たちに「たんぽぽのコーヒー、いっしょにのみませんか」と、なかなか言えないお話。なかなか言えずに、最初の言葉でつまってしまう…。
こんなこと、おしゃべりな人はさらっと言えるけど、口下手だったり、はずかしがりやだと、なかなか言えないのが悩みの種。たとえ言葉にできなくても、どうにか気持ちを伝えようとしているんだよ。
たのしいいちにち
「こくばんえほん」シリーズ。黒板に絵を描いていくお話。お話というより、絵を見て楽しんで、自分も描いてみたくなるでしょう。1ページ1行、小さいサイズの写真絵本です。
まずは、雲と野原。それから、ちょうちょを追いかけるうさぎさん、くまさん…と、チョークを持った手が次々と描いていきます。途中、ヘビさんはきらいだから…と、黒板消しで消したりもします。たのしいいちにちでいたいからね。
だれとだれかとおもったら
東君平さんといえば切り絵。他の作品は黒い切り絵が多いけど、これはカラーです。
りんご、レモン、バナナ、みかんがでてきて、二つに割れます。バナナも割れてしまいます。割れるというより、絵を切り取るのだけどね。切り方がなかなです。ただのくだものが、動物の形へ。リズムがある繰り返しもいい感じです。
「ち」で始まる絵本
ちいさなちいさなおばあちゃん
おばあちゃんのミルクを、ねこに飲まれてしまうお話。おばあちゃんも、家も、テーブルも、いすも、みんなちいさなちいさな。「ちいさなちいさな」と、リズムに乗って語りかけてきます。ちいさなちいさなお話でシンプルです。
そういえば、エルサ ベスコフの作品は妖精や小人がよく出てくる気がします。小さなものがすきかな?
めずらしいところは、絵や文が描かれているのは右ページだけ。左ページは真っ白。何も描かれていません。植物の枠に入っている絵と文も、いいレイアウトです。細かいところでは、壁掛けの絵を見比べてみると…。
2003年6月22日更新
チリとチリリ
ふたりの女の子、チリとチリリが、自転車で出かけるお話。チリチリリと自転車の音を鳴らしながら、森の中を行きます。途中、もりのきっさてんや、もりのサンドイッチやさんでひといき…。
きっさてんでも、サンドイッチやさんでも、動物たちそれぞれ自分の物があります。自分の物が用意されていると、いい気分になりませんか?
絵を見ると、テーブルやいす、メニューなど、いろいろな大きさや形があります。いったい誰の物だろうと想像してしまいました。
まあ、ゆっくりのんびりと、この森ですごしてみませんか。
2003年6月22日更新
ちゃんとたべなさい
書名が命令形で、しつけ絵本では…。いやいや、ちゃんとした創作絵本。表紙の内側は、豆のつぶつぶ模様みたいです。そう。女の子がきらいな豆を、ママが物で誘って食べさせようとするお話。
で、その誘い方がいきすぎ(笑)。後半は、アイスクリームをスーパーごと買ってあげるからとか…。意地でも食べさせようとするところが笑えました。
この書名、親ならよくいうセリフでしょう? でも、ちゃんとオチがあるのです。子どもは、ちゃんと親を見ています。親は自分のことを棚に置いといて、子どもに命令していませんか? 痛いことを子どもにいわれても知りませんよ…。
2003年6月4日更新
ちょっといれて
暑い日。いいよおばあちゃんが木陰で本を読んでいると、次々と動物たちがやってくるお話。「いいよおばあちゃん」というぐらいだから、いいよ
と誰でも木陰に入れてあげますが…。
絵は、同じ著者の「ばばばあちゃん」シリーズとちょっとちがう感じです。どのページも同じ場所を描いてあるけど、太陽や木陰から時間の流れがわかります。文はやや少なめですが、繰り返しが楽しいです。
それにしても、さとうわきこさんの作品に出てくるおばあちゃんは、みんな元気でゆかいだなあ。
ちいさなもみの木
「くまのアーネストおじさん」シリーズのクリスマス絵本。
セレスティーヌは、小さなもみの木が気に入りました。それをツリーにして、アーネストと二人っきりのクリスマスをしようと思っていました。でもアーネストは、みんなとにぎやかにやりたいのです…。
アーネストの言葉で…いちばんたのしいおもいでは、ふたりでいっしょにすごしたことだよ…
。世の中、派手になっているクリスマス。ツリーよりも、プレゼントよりも、こんなことを忘れていませんか?
「て」で始まる絵本
ティモシーとサラとたからのちず
「ティモシーとサラ」シリーズ。
こねずみのティモシーとサラとスーザンは、スーザンの家の庭で地図を見つけました。地図をたよりに、公園へ宝探しに出かけます…。
この絵本を読む前、ティモシーとサラが遠くへ冒険に行くのか…、なんて思ってしまいました。タイトルが「たからのちず」で、表紙にも世界地図っぽい物が描いてあるし。
ティモシーたちが見つけた地図で、ちょっとだけ宝物の場所をひねってあるところがあります。すぐわかっても、わからなくても、宝物を手に入れるまでが楽しいものです。いつものシリーズとはちょっとちがう、自分も宝探しをやっている気分になるでしょう。
2003年9月22日更新
ティモシーのたからもの
「ティモシーとサラの絵本」シリーズ。やや形の小さい絵本です。
ティモシーとサラとスーザンは、水車を作りました。ところが、ティモシーの水車だけが回りません。サラやスーザンの水車は回るのに、どうして…。ほんのお遊びだったけど、ティモシーは気になってしまいました。
それでティモシーは、お父さんに相談します。でもお父さんは、水車が回らないわけをいいません。本物の水車を見てくるように勧めます。ヒントを出して、子ども自身で考えるようにすることは、いいなあと思いました。自分で解決したときのよろこびは、大きいものです。
それでティモシーは、本物の水車を見て、新しい水車を作りました。今度はうまく回りましたが…。ああ、ついてないティモシー。今度は、お母さんに相談しました。お母さん、いいこというなあ。子ども想いの両親がいて、ティモシーは幸せ者です。
2003年7月21日更新
「と」で始まる絵本
どんどんきらきら
きつねがたぬきにいいました。
これ、ないしょだけど、こんやもりのひろばで、どんどんきらきらをやって、みんなをびっくりさせてやるんだ。
この話をたぬきはうさぎに。うさぎはねこに…と、みんなに伝えてしまいます。本当はないしょ話なんだけどね。もう、次から次へと話を伝えるようすは、伝言ゲームのノリです。
とはいうものの、伝言ゲームと少しちがうところがあります。伝言ゲームでは、初めの人が話した言葉と、最後の人が聞いた言葉はずれたりしますよね。けれどもこのお話の場合、初めのきつねから、最後のくままで、言葉はちゃんと伝わっているのです。
そもそも「どんどんきらきら」って、なんだと思いますか? たぬきが想像したのは音楽会。うさぎはダンスパーティ。ねこはサーカス。ぶたやくまは…。みんな同じ言葉を聞いているのに、それぞれ感じ方がちがいます。
感じ方のちがいがあるなんて、自分が話し手や聞き手になっているときは、気がつきにくいものです。つい言葉だけをうのみにしたり、感情が入ったりしがちで。「どんどんきらきら」という言葉でなくても、感じ方のちがいって、誰にでもあると思います。言葉って難しいな…。
なんて思ってしまいましたが、堅いお話ではありません。きつねがないしょ
といっているからあまりいえませんが、あっけらかんとして笑えるお話でした。きつねがいっていた「どんどんきらきら」とはなにか。絵本を読んでしまう前に想像し、お話に参加してみてください。
このお話のようなノリで、言葉遊びをやってみるのもいいかもしれません。「どんどんきらきら」を、ほかの言葉に変えてみたりね。大勢でわいわいやると、おもしろそうだと思いますよ。
なおこの作品は、月刊絵本のため入手困難かもしれません。同じお話が紙芝居(脚本:森山 京、え:かさい まり、発行:童心社)にもあります。
2004年9月22日更新
どのきのしたにあつまるの
春。りすさん、さるくん、きつねくん、たぬきくんは、ピクニックへ行くことにしました。広場の木の下に集合です。といっても、広場には木がいっぱいあるし…。
待ち合わせ場所を自由に選べるなら、自分がすきなところにしませんか? りすさんたちも自分が好きな場所で待ち合わせますが、それぞれちがう場所で待ち続けてしまいます。おまけにたぬきくんは、ねぼうして遅刻をするし…。待ち合わせ時間に集まらないと、文句のいい合いになるでしょうね。
でもやっぱり友達同士。お互いにどんな者かを知っています。けんかなんかしないで、うまくやっていきますよ。気が合うって、こんなことだろうなあ。
2003年8月24日更新
とんでけかぼちゃ
かぼちゃのお話。手ぶくろや、ぶたさん。石やお家も、みんな飛べます。それで、かぼちゃも飛ぼうと考えますが…。
あんまり かんがえないで、あたまつかってごらん
このセリフ、気に入りました。タイミングよく、誰かにいってみたいです(笑)。
考えないで頭使う? 頭使うのに考えない? なんかおもしろいと思いませんか? 重い気持ちにならずに軽くいこう、というところでしょうね。あまり考えすぎると、深みにはまって、どうしようもなくなるんだよね。本当に。
2003年6月4日更新
とまとさんにきをつけて
正方形の小さめな絵本。とまとさんがやってきて、こちら(読者)におしゃべりして、帰って行くお話。
このとまとさん、ちょっと変です(笑)。テンション高いというかキャピキャピで。だから「きをつけて」なんだろうけど…。意外とこっちの文が、普通の文より笑えるかもしれません(笑)。
カバーには、なかまの絵本にも気をつけて!
というわけで、シリーズに「テレビくんにきをつけて」「かえるくんにきをつけて」もあります。
とんとんとん
女の子が、かずきくんに家に遊びに行くお話。ドアがいっぱいあるアパート。かずきくんの家はどこでしょうか? ノックしてまわりましょう。とんとんとん。
ほらほら、ちゃんと絵本にノックしましたか? これはノックする絵本ですよ。といっても、しかけ絵本ではありませんが。
カバーにこのえほんのつかいかた
がでています。大人が自分で読むときはレベル1でもいいけど、子どもに読んであげるときはレベル3で。レベル3とは、絵本にノックしながら読むこと。自然とレベル3で読めたなら、この絵本を十分に楽しめたことでしょう。
どうぶつ村のごちそうごよみ ふゆ
「どうぶつ村のごちそうごよみ」シリーズは「はる」「なつ」「あき」「ふゆ」の全4冊。日本の文化や行事を紹介しています。
「ふゆ」では、お正月の遊び、お節料理、節分のお面づくり、豆まきなどなど。どのページも、どうぶつ村の子どもたちがいっぱい出てきてにぎやか。見ていて楽しいです。
表紙の内側に子どもたちの名前が出ています。きつねの子は3人で松竹梅になっていますよ。




















