#37_秋穂八十八ヶ所(23,22番)

- 次は二十三番がある。二十五番からまっすぐいこう。

- 突き当たりにきたよ。

- 右は秋穂漁港だから、左へ。

- そういえば、港で海を見たと思ったら、また見えなくなったね。

- ここから見えないけど、海は右の方。今、岬に向かって海と山の間を歩いてるんだ。

- あそこ、とうろうだよ。札所かな?

- お堂もないし、ちがうみたい。案内板と石碑に
お上使道一里塚
と書いてある。

- おじょうしみちいちりづか?

- 昔の道なんだって。ここから山口の街まで道がつづいていたそう。昔はこのあたりに船で来て、山口の街へいくのに使っていたそうだ。

- 道って、今ぼくたちが歩いてきた道じゃないよね?

- 案内板の地図で見たら、石碑の横にある細い道がそうかも。

- 今も道が残ってるんだ。秋穂には昔のものがいろいろあるんだなあ。

- さて、二十三番はまだまだ先だ。いこう。

- ここもバスが通ってる。

- 屋戸入口というバス停か。

- 札所、あったよ。

- 二十三番だ。バス停のそばだったな。

- おまいりおまいり…。

- 次の二十二番もここからまっすぐ。道にそったところにある。

- 今まで地図を見ながらあっちこっち曲がってたけど、ここは楽だね。一本道だから。

- そうだな。あんまり道は広くないけど、車も少ないし。この道は県道か。25号線の標識が出てる。

- ねえ、秋穂のマンホールだよ。

- 菜の花がマンホールに出てる。菜の花がいっぱい咲いていたし、やっぱり菜の花は、秋穂の花なんだな。

- あの山の向こうが、灯台だったよね? あのとき、土手の道から見たときよりだいぶん近くなった。

- あれからだいぶん歩いたもんな。あの山は串山連峰。山の上に遊歩道があるんだって。ながめもよさそうだ。

- 山にも寄り道するの?

- もうお昼過ぎてるし、今日は灯台までかな。また今度いこう。

- またバス停だ。

- 巡礼手帖を見たら、中津江というところに二十二番がある。このあたりだよ。

- どこだろ?

- 二十二番、あった。

- おまいりおまいり…。

- 絵本なら、ぱっとめくれば次のページにいけるけど、歩くとそうはいかないな。

- 絵本のページとページの間も歩いてるからね。知らないところだから、地図も見ないといけないし。

- 地図をたどって歩くのは、絵本を読むのとちがう楽しさがあるもんだ。

- そうだね。こうして歩いてると、そんな気がしてくるよ。
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