綿流し編考察

最終更新日:2004/11/02

はじめに

走れ。
どちらの道も行き止まりと知っていても。

更新履歴

この考察のコンセプト

私が綿流し編を考察するときに前提としたのは、
・犯人は人間である。
・圭一、ならびに部活のメンバーは犯人ではない。
・圭一の体感したことは真実。しかし想像、過去の圭一の回顧は真実とは限らない。
の三つです。
また、残念ながら鬼隠し編、綿流し編のみの情報で書かれているため、たくさんの謎が未だに山積みとなっています。ご了承下さい。

犠牲者の変遷

鬼隠し編の考察ではプレーヤー(と犯人)しか知り得ない情報であった「圭一の残したメモ」について重視し、推理を展開しました。綿流し編ではまず犠牲となった人間の変化に着目してみましょう。まず昭和58年の犠牲者を時系列順に並べると次のようになります。

つまり、二つの事件で共に犠牲となっているのは富竹、鷹野、魅音の三名のみであり、さらにこの三人は拷問による死ではありません。しかも富竹は鬼隠し編とほとんど同じ方法で犠牲となっているため、他の犠牲者とは別格であることは明白です。では鬼隠し編と綿流し編で何故犠牲者は異なってしまったのか、一つずつ事件について迫っていきます。

富竹と鷹野の死

富竹の死は鬼隠し編とほとんど変化がない(死因も謎の自傷によるもの)ため、同じ殺され方をされたと見て間違いはないでしょう。しかし一つ気になるのは圭一は大石に見せられた富竹と鷹野の写真を鬼隠し編のように「身近な友人でもそれと判るまい」(鬼隠し編・10日目)という表現をせずに、即座に富竹であることを認識しています(8日目)。発見された鷹野の遺体付近からは遺留品が無くなっていた事から、富竹のカメラの中に写っていたのか、もしくは以前から二人に目をつけていた大石が撮影していたものと考えればよいでしょう。死に至った方法の考察は「鬼隠し編考察」にて行いました。

さて綿流しの当日、富竹を焚きつけて禁断の祭具殿へ侵入した挙句、結果的に殺害されてしまった鷹野。しかしエピローグでの大石の話によると彼女は綿流し前日には既に絞殺されて当日に焼死体で発見されたいたことが歯型照合の結果判りました。
当然のことながら死んでいる人間は動けませんので、岐阜県で燃やされていた人間と綿流しまでに出会っていた鷹野は別人ということになります。このような矛盾が起こりうることを考慮しながらもそれでも遺体を燃やさずを得なかった犯人の動機については後ほど考察します。

この時点で重要なのは「富竹は自傷して」「鷹野は前日に絞殺されて」死んだという2点だけです。

魅音の独白の謎

レナの推理により一連の連続拉致事件の犯人が魅音と見抜いたレナと圭一は、魅音に自首を勧めるために園崎家に向かいます(12日目)。レナに推理を聞かされ観念した魅音は園崎家の歴史を語り、そして殺人の罪を告白します。

祭具殿に侵入した4人ばかりか梨花や村長の過去の過ちまで言及しており一見完璧な動機を説明しているようですが、ちょっと考えてみるとこれは穴だらけの理由であることがわかります。

ほら、なんだかおかしな気がしてきたでしょう?

魅音と詩音

ここでちょっと話題を変えて魅音と一卵性双生児の「詩音」との入れ替わりについて考えて見ます。
この二人は髪型と服装くらいしか外見上の違いがなく、ミステリーお得意の「双子の入れ替わり」を行っていた疑いが強くもたれています。しかしヒスコハ(月姫の琥珀、翡翠の双子の姉妹)のように相方の呼び方が変わってもいるというヒントはないので、二人が入れ替わっているかを判断するためには、魅音が言っていたように背中にある鬼の刺青を確認するか、矛盾した言動をどこかでとっているかを確認しなければなりません。
もっとも「魅音は詩音(園崎家真の次期頭首)の影武者であったから詩音が魅音として振舞っていた」「魅音の刺青はドッキリテクスチャー」などの物語を根底からひっくり返す推理を聞くと、私も正直どちらがどちらでもあまり関係ないだろうと考えていました。しかし前述の魅音の犯行の動機の説明はでたらめであると推理すると、この入れ替わりの話はだいぶ異なってきます。
ここで「部活メンバーは犯人でない」という前提より、詩音が悪者であると仮定してみます。するとそれまでさっぱり分からなかった「レナの推理の穴」に明確な説明付けができることが分かり、詩音が悪者であることをほぼ確信できました。それを説明してみましょう。

レナの推理

さて、詩音の電話を受けて急に梨花が心配になった圭一はレナと魅音と共に梨花と沙都子の住んでいる倉庫に向かいました。何もできずにおろおろしていた圭一と違い、レナは梨花と沙都子の家に入ったときに、部屋の中の様子を観察することで「夕飯の準備の途中であること」「夕飯の担当は沙都子であること」「夕飯には醤油が必要な冷奴であること」「醤油が小瓶になく、大瓶がなくなっていること」に気づき、親戚から醤油を沢山送ってもらっていた園崎家が怪しいとにらみ、沙都子を電話で呼び出すことが可能な魅音が拉致の犯人であると見抜きました。
現職の大石刑事をも絶賛させるほど完璧に見えるレナの推理ですが、実は数多くの偶然の一致があった結果として推理できたのです。「夕飯を冷奴にした」のも、「醤油が切れていた」のも、「園崎家に親類から醤油が樽で送られてきていた」のも、「近所でなく学校の反対側にある園崎家を選んだ」のも、「夕飯を支度する時間に園崎家へ向かう沙都子と梨花を誰も見ていない」のもすべて偶然。
さらに言うならば、もし詩音が電話で村長に祭具殿の侵入のことを告白したことを圭一に言い出さなかったならば、圭一は梨花の家に行くこともなく、二人がいなくなったのを知るのは少なくとも翌日となります。電話の結果、圭一の頭には「侵入を告白される」→「消される」という考えが芽生え、その結果「梨花も侵入を告白したから消される?」と疑いを抱き、梨花の安否を確認しようと考え付くのは当然です。
よく考えてみれば「侵入を告白されたから殺される」と思っているのは詩音と圭一だけで、大石をはじめ他の人間は「祭具殿に人を侵入させるきっかけを作ったから」消されたと考えています。さらに村長と梨花が「侵入を告白された」ことを知っているのも詩音と圭一だけであり、どうして誘拐犯が知ることができたのかについてもそれらしい理由は述べられていません。

つまり、以上のことから言えるのは「魅音が梨花と沙都子を呼び出して拉致、殺人」したというのは真犯人によって立てられた偽のシナリオであり、それを作り出すのに関わっている「詩音」は少なくとも二人の拉致には関わっていると考えられます。そうすればレナが鍵を村長宅に取りに行っている間に「魅音」が沙都子への呪詛を吐いたのも、圭一に「魅音」への猜疑心を与えるための行動と説明がつきます。

祭具殿への侵入

一度詩音が怪しいと考えだすと色々な出来事もとても妖しく見えてきます。
さて、ちょっとした肝試し気分で望んだだけの圭一の運命をがらりと変えてしまった祭具殿への侵入ですが、幾つもの大きな謎が残っています。ここで「富竹は何をしていたのか?」「詩音と富竹が聞いた音は?」「沙都子はどこにいた?」「何故侵入がばれているのか?」について考察してみます。

入れ替わりの謎

以下に私が考えている魅音と詩音の登場シーンのリストを掲示します。詩音の振りをした魅音であると思われるときには青竹色魅音の振りをした詩音であると思われるときにはアップルグリーン色で強調します。死ぬほど長いので本筋にしか興味のない人は読み飛ばしてもらってもかまいません。

詩音による村長拉致事件の想像

ここで詩音による村長拉致事件の真相を想像してみます。あくまで想像ですので、確かな証拠があるわけではありません。
綿流しの翌日に魅音の振りをして会議に出席した詩音と村長。帰り道に村長を待ち伏せしていた詩音は、レナの情報によると魅音を小さい頃から可愛がっていた(10日目)村長により二人が入れ替わっていることを見抜かれてしまう。この事態を隠すために村長をその場で拉致したが、村長の病院通いのことは知らなかったために、詩音が嘘をついていると圭一に思われるきっかけとなってしまった。

詩音による梨花・沙都子拉致事件の想像

続きましては梨花、沙都子の拉致事件の想像です。梨花に圭一が祭具殿に侵入したことを知った詩音は次のような行動を起こしたと私は推測しています。こちらもあくまで想像ですので、確かな証拠があるわけではありません。
事件当日、沙都子は豆腐を一丁買い、梨花と共に神社脇の倉庫に帰宅。あらかじめ村長の家から鍵を盗み出しておいた詩音が梨花・沙都子宅にワゴン車を使って向かい、二人を拉致、乗ってきた車に二人と二人の自転車を入れる。その後夕飯の支度を行い、小瓶に入っている醤油と大瓶を処分する。さらに夕飯のおかずにラップをかけ冷蔵庫に入れ、倉庫に鍵をかけて帰る。
夜になったところで圭一に電話をかけ、自分が祭具殿に入ったことを村長に告白したため村長が拉致されたと嘘をつき、圭一に梨花の安否を疑わせて梨花の家に向かわせる。そして何食わぬ顔でレナと圭一に合流し、レナが鍵を取りに行っている間に詩音は圭一に「沙都子は拉致されて当然だ」と考えさせる呪詛を吐くことで魅音に対する不信感を募らせた。

村長、梨花、沙都子失踪の本当の理由

既に分かっているように、村長と梨花には「祭具殿に人を侵入させる原因を作った」というもっともらしい理由があります。しかしそれでは何故沙都子までもが失踪しなければならなかったのか、この理由が「梨花を拉致したことを知られたから」では弱いように感じます。レナの推理では沙都子は梨花が(醤油を貰いに行く)行き先をたまたま聞いていたためと推理しましたが、梨花と沙都子が一緒に住んでいることを知っている魅音がそのような失敗を犯すことがそもそも不自然です。やはり沙都子も一緒にいなくなることに動機があると考えるほうがよさそうです。
さて、神社のそばにある公民館で習字や剣道を教えていた村長、同じく神社のそばにある倉庫に住んでいた梨花と沙都子。この3人がいなくなることにより、神社の周りは自然と無人になります。すると禁断の祭具殿にもこっそりと近づくことができるチャンスが確実に生まれるはずです。犯人はこの時を得るために3人を誘拐したのではないでしょうか。

圭一刃傷事件の謎

昭和58年6月28日深夜に圭一は訪問してきた「魅音」に刺されて重傷を負います。推定同時刻、「詩音」は鍵の掛かった市内のマンションの自室から転落して死亡した「詩音」。圭一は二つの犯行が共に「魅音」の仕業であると考えますが、「魅音」は既に拷問室に入った日に死亡していたという事実が判明します。
もちろん「魅音」は死んでいるのですから、圭一を刺したのは詩音で、その後で転落死したものと考えられます。しかし問題なのは「何故詩音が死ななければならなかったのか」という点です。圭一を刺したときに詩音は「私が殺したいヤツは全部できた」と言っているので、その「殺したいヤツ」の中に「自分」は入っておらず、すべてを闇に葬るために何者かに詩音は密室自殺と見せかけて殺害されたと考えたほうが自然です。
さて、詩音の殺害方法ですが、第一発見者の隣人(葛西と思われる)が犯人ならば「姉妹喧嘩をしていた」「部屋には鍵が掛かっている」なども簡単に解決しそうですが、あまりにも簡単で自分に疑いが掛かるリスクが大きいです。もし犯人が別にいるとするならば、その犯人は「毎晩のように姉妹喧嘩をしているように見せかける(テープレコーダーを使用した?)ことで隣人が怪しんで突入する時間に余裕をつくり」、「その時間に圭一を刺して戻ってきた詩音を誰にも見つからないように転落させ」、「警察が入る前に姉妹喧嘩を模倣するための証拠を回収した」人間です。この人間が詩音に圭一を刺殺するようにしむけ、その後で突き落としたのではないでしょうか。

梨花の持っていた注射器

死亡時に梨花はスカートのポケットに注射器を隠していました。一体これは何だったのでしょうか?

なぜ偽鷹野は殺されたのか?

ここで問題となるのは身代わりとなっ(て3年前に興宮の歯医者で歯の治療を受け)た焼死体は一体誰のものなのでしょうか?鷹野以外の人間が昭和58年に「鬼隠し」にあったとは大石に報告されていないようなので、過去に失踪した女性である可能性は一見高そうですが、そうなると最低でも2年前から誰にも見つからない場所に監禁していたことになります。また、それだけ苦労して生かしておいた人間の死体も検死結果から綿流し前日の死亡が判り、綿流しで出会った鷹野は死んだ人間と別人であることが判ってしまいました。
死体を焼却した犯人は「戸籍上鷹野に死んで欲しかった」のか。まだ分かっていません。

猫と犬の話

まだ推理に至っていないので、取り合えず箇条書きにしておきます。

未考察の謎

まだ何も思いついていない「謎」の中で、検討する余地が残されているリストです。

他の文章

ほかの「ひぐらしのなく頃に」関連文章です。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。この文章が貴殿にとって少しでも事件解決への手掛かりになれば幸いです。
この文章について意見、感想、異論反論等がある方は是非LETTERまでメールをお寄せください。
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