院内LAN・電子カルテ・パソコンの活用
歯科医療においてレセプトコンピュータ(通称:レセコン)は、今や当たり前となりました。ただ、ひと昔前のレセコンはパソコン自体の性能が低かったせいか、いかにも専用機というイメージでした。そのためか、今でも多くの歯科医師にとってのパソコンのイメージは、「パソコン=レセコン」というものが多いかもしれません。

ところが、最近のパソコンの性能は飛躍的にアップして、とても使いやすく多機能なものになってきました。もう「パソコン=レセコン」などという古いイメージを持っている場合ではありませんね(笑)。パソコンは、扱いやすく非常に便利な道具となったわけです。もし、これをお読みの先生が、まだレセコン用途以外にパソコンを利用していないとしたら、非常にもったいないことだと思います。そもそもInternet経由でこのサイトをご覧になっているわけですから、そんなことはないと思いますが(笑)。さて、そろそろ本格的にパソコンを利用してみませんか?まずは興味を持つことが大切ですね。

最近のレセコンでは院内LANを構築し、ユニットサイドで直接カルテ入力を可能にした電子カルテシステムがいくつも発売されてきています。それはそれで非常に便利なのですが、システム導入の費用が非常に高価なものですし、まだまだレセコンとしての機能が優先されている点が残念なところです。このあたりは今後のメーカー側のフレキシブルな対応が望まれるところですね。従来のレセコンという概念を捨てた、もっと使いやすく信頼性の高い電子カルテシステムが開発されることを期待しています。ご参考までにですが、Fractal Art Studioさんが、Macintosh版としては珍しい歯科用レセプト統合ソフトウェア「SARU」を開発しました。ご興味のある方はダウンロードしてみてはいかがでしょう?

また、レセコン用途以外の歯科用のソフトウエアも、大変便利なものが出てきています。患者管理用のデータベース、歯周組織検査のデータベース、画像データベース、モチベーションを図るためのプレゼンテーション、リコール管理などなど、製品によっては色々な機能もあります。ただ、一般のパソコンソフトウェアとは異なり、歯科は販売シェアが小さい業界のため、完成度が低い割にコストが高くなってしまうのが残念です。他のソフトウェアにデータを流用できる拡張性も今のところほとんどないようです。事実、未だに歯科の定番ソフトウェアと言えるものが存在していません。でも、決して歯科用の既存ソフトウェアを否定している訳ではないんです。お金はあるけど時間が無いという先生には、てっとり早くある程度質の高いシステムを導入できる訳ですから、非常に価値があると思います。わたしが提案したいのは、パソコンは本来自由に扱えるものであり、ハード・ソフトの両面で、今後もどんどん発展していくものだということです。時間がある先生は、「自分で少しずつ勉強して、自分のやりたいことができる環境に、自分の考えで作っていく。」というプロセスも面白いのではないかと思うのです。

たとえば最近はデジタルカメラの普及に伴い、その画像管理もまたパソコンを使用する目的のひとつになってきました。Apple社が発表したiPhoto 4はネットワーク経由で画像の共有ができ、動作も旧ヴァージョンに比べて非常に早くなったとのことですので、MacintoshでOS 10.3以降をお使いのかたは、デジカメの画像整理にもう特別なソフトは不要かもしれませんね。

また、カルテ以外の情報も電子化していこうと考えております。まずは「画像データの管理」「歯周組織検査データ」「プラーク・コントロール・レコード」などですね。また、FileMakerProを用いて自作のデータベースを作成して使用しています。「衛生士実地指導の指導記録」「診療情報提供書」「治療計画書」(かかりつけ歯科医初診料)などです。将来的には、「技工指示書」「カルテの傷病名欄」「カルテの歯式記入欄」なども電子化していくことを考えております。私の知る限り、現在の歯科用の電子カルテシステムでは、これらのポイントはまだ解決できていないと思うからです。

いろいろ書いてみましたが、本当は私もパソコンに関しての専門的な知識に乏しく、難しいことは全然分かりません。それでも、以前から様々な利用法への興味だけは持っていましたので、少しずつですがパソコン活用の方向性が拡がってきました。もちろん自分ひとりでは情報不足ですし、一歩間違えると単なるパソコンおたくになってしまいます(笑)。まわりにいる同業者のユーザーや、お世話いただいているアドバイザー(Forest Inc,)のおかげで、現在の当院のパソコン環境は非常に便利なものになってきたと思っています。

診療室の他のページでは、実際に行なっている打越歯科医院のパソコン活用の具体例を紹介しています。専門家の方やパワーユーザーの方には稚拙な内容かと思いますが、これから歯科医院でパソコンを本格的に導入しようと考えている先生に、少しでもお役に立てば幸いです。