院内LANの構築

 1、なぜ院内LAN?

「院内LAN」という言葉を最近よく目にされることがあるかと思います。これは医院内に設置された「Local Area Network」のことを言います。医院内で使用している複数のパソコンをネットワークで結び(Local Area Network)、データを共有することがもっとも基本的な目的になります。たとえば、AとBの2台のパソコンがあり、Aで作ったワープロ書類をBに持ってきて作業したいと思ったとき、みなさんならどのようにするでしょうか?一般的には、AからMOやCD-Rなどの外部記憶媒体にコピーして、Bにデータを持ってくることを考えますよね。必要な装置などがあればそれでも結構ですが、この作業が頻繁にとなるとなかなか面倒になります。また、パソコンAとBそれぞれに入っている同じ名前のワープロ書類の、一体どちらが新しいものなのか分からなくなってしまうトラブルも出てくるでしょう。初めからAとBのパソコンで1つの同じ書類が使えれば、こういう面倒もトラブルも無くなります。これが院内LANを構築する第一歩になるわけです。

 ネットワークというとなんだか馴染みのない言葉に聞こえるかもしれません。でも、みなさんがお使いのパソコンが1台だけだとしても、インターネットに接続しているということは、すでに巨大なコンピュータ・ネットワークに接続していることになります。今更ですが、インターネットって便利ですよね。それと同様に、パソコンは複数のパソコンとネットワークを組み、互いの情報を簡単に交換しあえる環境にすることが便利な使い道ということなんです。Internet、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、などの言葉をご存知かと思います。これらはすべてネットワークのことを意味しています。そしてネットワークを作る第一歩。歯科医院の場合は、まず院内LANの構築ということになります。当院のホームページでは、診療室の各ページで院内LANの構築から歯科診療でのパソコン利用法などの実例を紹介しています。よろしければ是非ご参考にしていただき、「やってみようかな?」という気になる先生が一人でも多くいらっしゃれば嬉しい限りです。

2、当院の院内LANの概要

 当院では、受付1台、診療ユニットごと3台、事務室1台、院長室サーバ1台の計6台のMacintoshが、Fast Ethernet(100 Base-TX)で院内LANが組まれています。また、医院とは離れた場所にある自宅のパソコンは、ルータを介してTCP/IPにより、院内LANに接続できるようになっています。

ユニットサイドのMacintoshクライアント

 当院では前述のMacintoshのLANの他に、電子カルテ用のWindowsマシン4台もLANが組まれています。MacとWinが混在した院内LANということになりますが、今のところWindowsマシンの方は電子カルテにしか使用していませんので、お互いのデータを共有してはおりません。電子カルテシステムを導入する以前は、レセコンだけがネットワークされていない状態で使用していました。説明すると長くなるのですが、大きな理由としては、そのレセコンソフトウェアがDOS-V機でしか動かなかったことと、メーカー側がトラブルが発生したときの責任の所在があいまいになることを恐れて、Macintoshとのデータの共有を認めなかったからでした。

3、ケーブル用配管がおすすめ

 新規開業や改築を考えている先生には、パソコン設置場所を設計の段階から考慮し、ネットワークケーブル用の配管をしておくことをおすすめします。日々性能がアップしていくパソコンと異なり、配管さえしておけば、現在主流の100 Base-TXから1000 Base-Tに移行したり、将来さらにハイバンドなネットワークになったとしても簡単に配線できます。新築工事での配管工事は決して高いものではありませんから、すこしでも可能性のある場所にはどんどん配管しておくとよいでしょう。なお、配管の直径は3cm以上あれば良いでしょう。

 最初にケーブル配管の話をしておいてなんですが、Apple社のAirMac Extremeは、ワイヤレスでLANを組むための画期的な装備です。その転送スピードは最大で54 Mbpsと言われています。現在のブロードバンド環境を考えると、ネットサーフィンに使用するためであれば全く問題ないレベルです。実際にAirMac Extremeを使ってみると分かりますが、ノートパソコンでのネットサーフィンはとても快適です。普段のネットサーフィンには僕も手放せなくなりました。これを応用して院内LANをすべてワイヤレスで構築することももちろん可能です。しかしながら、最近のMacintoshには標準で100 Base-TXのポートがついていますので、ワイヤレスが必要な場所以外はワイヤードの100 Base-TXで使用した方が快適です。特に大きな画像ファイルなどを扱う場合などは、そのスピードの差が歴然とするはずです。

4、サーバ設置か兼用か?

 小規模な歯科医院の場合、クライアントのパソコンを操作するのは、院長と受付が主になると思われます。歯科助手や歯科衛生士が使用することもありますが、診療で忙しいのでなかなか触ることはありません。(ずっとパソコンの前にいるようでは仕事になりませんよね(笑)。)大規模なネットワークを組んでいる一般企業の場合は、ネットワークトラフィックが膨大ですから、当然性能の良いサーバ専用機が必要となります。しかし、歯科医院の院内LANのように小規模な場合は、サーバを設置するか、サーバ兼ドクターの仕事用マシンの兼用とするか意見の分かれるところです。当院では今までどちらのケースも試してきました。前述の通り当院のLANでは、サーバ専用機を設置してMacintoshだけで計6台のパソコンがネットワークされていました。しかし、自分の仕事用のマシンでいちいちネットワーク上のサーバからデータにアクセスすることは、Fast Ethernet(100 Base-TX)であっても、とても時間のロスになっていると感じました。当たり前ですが、ローカルディスク上のデータにアクセスする方がとても速いわけです。

 それまで使用していたMacOS9.2までの環境を、OSX10.3に全面移行するのに伴い、現在は実験的にサーバ兼用としています。OSXの信頼性の高さ(クラッシュ頻度の低さやアプリケーションに割り当てられるメモリ管理方法が従来と大幅に異なることなど。)を買っての実験的な試用です。MacOSX Serverを使っている訳でもありませんから、セキュリティーの面の弱さなどの問題はありますが、マシンの台数を減らしたりコストを削減するメリットは大きいです。現在、他のページで紹介している当院の院内LAN環境は大分以前の内容で申し訳ないのですが、近い将来、歯科医院向きのローコストで簡便な院内LAN構築をこのホームページで紹介できればと思っています。このあたりはもうすこしお時間をいただきたいと思います。