AppleTalkの設定

 Macintoshで院内LANを構築するための、「AppleTalkの設定」について解説してみたいと思います。ここでは、MacOS8.5(MacOS9.2までほぼ同様)におけるサーバとクライアント(ネットワーク利用者)のソフト上の設定についてのみ解説します。現在のMacOSXでの設定とは若干異なりますが、基本的な考え方と流れは同じですので参考になると思います。

 MacOS9.2まではほぼ以下のような設定で問題ありませんが、MacOSXからは、詳細なサーバ機能はMacOSX Serverのみに搭載され、通常のMacOSXには簡素なサーバ機能しか搭載されていません。具体的には、利用者の設定やパスワードの設定ができず、クライアントはサーバに対して「ゲスト」としてしかアクセスできません。セキュリティーに問題が無ければ、そのままでも簡易でシンプルな院内LANを構築できます。(注:ここではAirMacなどのワイヤレスLANの設定にはふれていません。すべてワイヤードのEthernetケーブルで接続されていることを前提に説明しています。)

 ちなみに通常のMacOSXを簡易サーバとして設定するには、

1、「システム環境設定」→「ネットワーク」で「AppleTalk使用」にチェックを入れる。(Ethernetの方でチェックを入れてください。)

2、「システム環境設定」→「共有」→「パーソナルファイル共有」にチェックを入れ、コンピュータ名(これがサーバ名になります。)を任意に入力しておきます。

3、「ホームフォルダ」内の「パブリックフォルダ」内に、共有させたい任意の新規フォルダ(これがサーバの共有フォルダになります。)をつくり名前をつけます。

4、1つ階層を戻り、「ホームフォルダ」内の「パブリックフォルダ」を選択し、「ファイル」→「情報を見る」→「所有権とアクセス権」→「詳細な情報」まで開き、すべてを「読み/書き」に設定する。その後「内包している項目に適応する…」をクリックすれば、「パブリックフォルダ」内さきほどつくった共有フォルダにもこの設定が適応されます。(「パブリックフォルダ」内にはデフォルトで「ドロップボックス」というフォルダが存在することがありますが、簡易サーバとしては不要ですので、混同しないためにも捨てて構いません。)以上でサーバ側の設定は終了です。

5、クライアント側はまず1と同様にAppleTalkを使用する設定にします。

6、「移動」→「サーバへ接続…」→「afp:/at/サーバ名/」と入力して「接続」します。これでサーバの共有フォルダにアクセスできます。

ハードのセットアップに関しては、簡単な記述ですが、院内LAN構築までの遍歴院内LAN構成図を参考にしてください。なお、この解説は、ハードのセットアップが完了し、Ethernetによるネットワークが組まれていることを前提としています。ネットワークに必要なソフトは、MacOSを標準インストールしていれば、通常すでにインストールされているはずです。(注:「クライアント」=「ネットワーク利用者」と表現しています。)

 なお、「BUFFALO」ブランドで知られる株式会社メルコさんのネットワークスタートガイドというページでは、ネットワークに関しての記述が豊富で非常に参考になります。是非一度ご覧になってみてください。

 このあたりは多少面倒ですが、「これからMacでネットワークに取り組みたい。」という方はサーバとクライアントの基本的な理屈を覚えていただくためにも一度是非ご覧下さい。

 

サーバ側の設定

1、「AppleTalk」を「使用」にする。

 「アップルメニュー」から「セレクタ」を開き、「AppleTalk」を使用にします。

 

 

2、「AppleTalkコントロールパネル」の設定

 「経由先」を「Ethernet」にします。これで、「ネットワーク」を「Ethernet」を介して行う設定になります。この時点で、「ネットワーク」がきちんと「Ethernet」に切り替われば、物理的な接続は問題ありません。「AppleTalkコントロールパネル」を閉じて、「保存」を選択します。

 

 

3、「ファイル共有コントロールパネル」の設定

 「ファイル共有」の「開始」ボタンをクリックして、「ファイル共有」を開始させます。これにより、他のクライアントがこのMacintoshにアクセスできるようになります。「ネットワークID」には、固有のものを入力します。これらには特に決まりは無いので、好きなように入力して結構です。外部からのアクセスの可能性が無ければ、「所有者のパスワード」は入力しなくても問題ないかと思いますが、入力する場合は半角、全角の違いに注意してください。少し理解しづらいのですが、「所有者のパスワード」とは、「所有者」が所有しているこのMacintoshに対し、他のクライアントのMacintoshから「所有者」の名前でアクセスする場合などに必要な「パスワード」です。後述する「ネットワーク利用者のパスワード」とは異なりますので、正しく理解すべき大事なポイントです。「プログラムリンク」は、特に必要な場合だけ「開始」しますが、サーバに負担がかかるため、通常は不要と思われます。

 

 

4、「利用者&グループ」コントロールパネルの設定

 「ファイル共有させたこのMacintosh(サーバ)に対するネットワーク利用者(クライアント)のアクセス権」を設定します。「新規利用者」ボタンをクリックし、「ネットワーク利用者の名前」や「アクセス権」を設定します。ここでいう「ネットワーク利用者の名前」とは、「クライアント側のMacintoshの所有者の名前」ですので、両者を全く同じにしなければ認識してくれませんので、半角、全角の違いには注意が必要です。「グループ」とは、複数の「ネットワーク利用者」を1つのグループにまとめることで、「グループ」内の全ての「ネットワーク利用者」に対し、同時に同じ「アクセス権」を与えたいときに使用します。通常、院内LANの場合は、全ての「ネットワーク利用者」は院内のコンピュータですから、1つの「グループ」にまとめておいた方が便利だと思われます。「グループ」に関してはもう少し詳しく後述いたします。ここで、「ゲスト」に対して「アクセス権」を与えると、「全てのネットワーク利用者に対してアクセス権を与えた」ことになります。設定を簡単に済ませたい場合はこれだけでも良いかと思いますが、「ネットワーク利用者」が決まっている場合は、「ネットワーク利用者」ごとに設定した方が良いでしょう。ちなみに打越歯科医院では、「グループ」に対して「アクセス権」を与えて、「ゲスト」には「アクセス権」を与えていません。

 

 

 例として、「EOM-1」という「ネットワーク利用者」を新規に登録する手順を説明します。まず、「表示項目」を「ID」にします。次に「パスワード」を入力しますが、「パスワードの変更を利用者に許可する」のチェックは通常の場合、不要と思われます。「パスワード」は半角英数での入力が良いでしょう。また、「パスワード」は一度入力してウインドーを閉じ、次回以降開いた時には、下図のような「・・・・」の表示に変わりますが、御心配なく。なお、ここでいう「パスワード」とは、「このサーバに対して、この「名前」のネットワーク利用者がアクセスする際のパスワード」であり、前述したそれぞれのクライアントで設定する「所有者のパスワード」とは異なりますので、混同しないように注意が必要です。ここで「ネットワーク利用者」ごとに「パスワード」を設定すると、その「パスワード」を入力しなければ、その「ネットワーク利用者」はこのサーバーにアクセスすることは出来なくなります。

 

 

 「表示項目」を「共有」にし、「このコンピュータへの接続を利用者に許可する」にチェックを入れます。これで、「EOM-1」という「ネットワーク利用者」は、このサーバへの「アクセス権」を得たことになります。ここの「グループ:」は、「EOM-1」が「Uchikoshi Dental Office」というグループに属していることを表しています。前述の「プログラムリンク」を開始していなければ、「このコンピュータ上のプログラムのリンクを所有者に許可する」にはチェック不要です。

 

 

 「ARA(AppleRemoteAccess)Server」をインストールしている場合は、「表示項目」に「リモートアクセス」も表示されますが、ここでは詳しい説明の必要はありません。ARA経由でこのMacintoshにアクセスさせたい場合は、「このコンピュータに電話をかけて接続することを利用者に許可する」にチェックをいれます。

 

 

 前述したように、「グループ」とは、「複数のネットワーク利用者を1つのグループにまとめること」であり、「グループ内の全てのネットワーク利用者に対し、同じアクセス権を与えたいとき」に使用します。院内LANの場合、「ネットワーク利用者」ごとに「アクセス権」を変えることは稀かと思います。したがって、院内の「ネットワーク利用者」をひとつの「グループ」にまとめて、「アクセス権」の管理をしたほうが簡便かと思われます。

 

 

5、「共有フォルダ」の作成と設定

 最後に、「ネットワーク利用者」に対し、共有させたい「フォルダ」を作成、設定します。下図のように、例えば「Dental Server」という新規フォルダを作成し、それをクリックして選択してから、「ファイル」から「情報を見る」の「共有」を選びます。

 

 

 すると、下図のように表示されますので、この「共有フォルダ」に対する「アクセス権」を設定します。「所有者」に対しては、通常「読み/書き」の両方を許可します。もし、「読み出し」だけの設定にすると、「ネットワーク利用者」はこのフォルダの内容を見るだけで、変更する権利はありません。データを共有したいけど、誰かに内容を変更されたくない場合にはこれを選択します。逆に「書き込み」だけでは、このフォルダの内容は見られませんが、ファイルをこのフォルダにコピーすることだけはできます。ちょうど、「手紙を一度入れてしまったら、自分で取り出すことができない」郵便ポストのような状態になります。ここでは、「利用者/グループ」にさきほど設定した「グループ」を選択して、「読み」「書き」の両方を許可しています。「全利用者」とは、この場合、「所有者」と「グループ」以外の「ネットワーク利用者」を指します。それ以外の人には共有させたくないので、ここでは「アクセス権」を与えていません。「グループ」を設定していなければ、「全利用者」に必要な「アクセス権」を与え、特定の「ネットワーク利用者」に対してだけ、特定の「アクセス権」を与えることもできます。

 通常、「共有フォルダ」内においた全てのフォルダには、同じ「アクセス権」を与えることになるでしょうから、「内包しているフォルダに同じアクセス権を設定する」のボタンをクリックします。これをやらないと、「共有フォルダ」内にアクセスできないフォルダがあらわれることがありますので注意が必要です。「共有フォルダ」内においたフォルダに、もっと細かく「アクセス権」の設定を行ないたい場合は、一度このボタンをクリックした後で、設定したいフォルダごとに「アクセス権」を変更すれば良いのですが、よく理解していないと混乱をきたしますので、あまりおすすめできません。そんなことをするより、別の「共有フォルダ」を新たに作成して、異なる「アクセス権」を設定すれば、大抵の場合それで済むからです。

 

 

 フォルダが共有設定されると、下図のように、「ネットワークの配線がつながれたアイコン」に変化します。

 

 

 さらに、この共有フォルダにクライアントがアクセスすると、下図のようなアイコンに変化します。

 

 

 以上で、サーバ側の設定は終了です。後はクライアント側(ネットワーク利用者側)から、この共有フォルダにアクセスするとネットワークの完成となります。

 

 

クライアント側の設定

 サーバー側の設定で説明したように、「AppleTalk」を「セレクタ」で「使用」にし、「AppleTalkコントロールパネル」の設定を行い、「ファイル共有コントロールパネル」で、「所有者の名前」「所有者のパスワード」「コンピュータの名前」を入力します。クライアント側では、「ファイル共有」を開始する必要はありません。その後、「アップルメニュー」から「セレクタ」を開きます。

 

 

 クライアントのMacintoshから、「セレクタ」の「AppleShare」を選択すると、右側にサーバ(共有されているMacintosh)の名前が表示されますので、それを選択して、ダブルクリックまたはOKをクリックします。

 

 

 すると、そのサーバに接続する旨のダイアログが表示されますので、「利用者の名前」と「パスワード」(サーバ側で設定した場合のみ)を入力して、「接続」をクリックします。下図は「Home」という「利用者の名前」で「Server 7600」というサーバにアクセスするところです。

 

 

 「利用者の名前」と「パスワード」が正しければ、サーバ側で設定した「共有フォルダ」(下図では、Dental Serverという名称になっています。)が表示されますので、それにチェックをいれます。以後、起動の度にその「共有フォルダ」をこのクライアントのMacintoshにマウントさせたければ、「名前とパスワードを保存する」にチェックをいれておきます。

 

 

 OKをクリックすれば、「共有フォルダ」がクライアントのハードディスクのアイコンの下にマウントされます。これでネットワークの完成となり、「共有フォルダ」を「第二のハードディスク」として使用できるようになります。(下図のように、「ネットワークの配線がつながれたアイコン」として表示されます。)

 

 

 以上、簡単な説明だけなので、詳細が不足している点が多いと思いますが、ご参考にしていただければ幸いです。なお、サーバが起動し、「ファイル共有」が開始された後でなければ、クライアントはサーバにアクセスできません。したがって、この設定が終了した後は、サーバを先に起動させ、「ファイル共有」が開始された後にクライアントを起動させるようにしてください。前述の「名前とパスワードを保存する」にチェックをいれておけば、起動後自動的に「共有フォルダ」がマウントされるようになります。また、クライアントのデスクトップ上に、共有フォルダのエイリアスを作っておくと、次回からのサーバへの接続が容易になります。