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○スキャナー・ダークリー
A SCANNER DARKLY
☆驚くほどに原作通り、これは頭の中で想像していた「暗闇のスキャナー」そのものだ。
ドラッグが蔓延する近未来。麻薬捜査官のフレッドは、外見を特定不能にするスクランブルスーツにより、捜査中は上司や同僚さえもその正体を知られることはない。しかし、同居者の密告で彼自身が容疑者となり、彼(フレッド)は自分自信(ボブ)を監視する事に...。過去に何度も映画化されてきたディック作品だが、特に思い入れのない短編だったり、映画化する意図が不明だったりと(唯一、ブレードランナーだけが映画として優れていたが)ファンの望む形では映像化されていなかった。しかし本作は実写をアニメでトレースするというバカげた手法により、現実と非現実の境界が曖昧になるというディック作品のテーマを見事に表現しているうえ、スクランブルスーツの描写はもちろん、キャスティングも文句無しである。これは驚くほどに原作通りであり、本を読んでいた時に想像していたイメージそのものなのだ(原作通りの脚本という意味ではない)但し、原作はディック作品の中でも異色であり、どちらかと言えばSF色や娯楽性は薄い。ジャンキーたちのマヌケな会話、自分が自分を見張るというバカなアイデア、それらが楽しめなければ退屈だろう。評価は星三つにしたが、これはディックファンである私の独断と偏見以外の何者でもないです(笑)
2006/リチャード・リンクレイター監督作品