トップに戻る

○瞳の中の訪問者
☆醜悪なのはBJ役の宍戸錠ではなく、ジェームス三木の脚本。
インターハイを目指しテニスの特訓を受けていた千晶は、今岡コーチの打ったボールが、左目に当たり失明する。無免許だが天才的な医師ブラック・ジャックによる角膜の移植手術によって視力を取り戻した千晶だったが、その日から<謎の男の幻視>に悩まされることに...。手塚治虫の傑作漫画「ブラックジャック」の実写版。数あるエピソードの中から「春一番」を選んだまでは良かったのだが...。問題は、手塚先生が憤慨したといわれる漫画そのまんまを再現したBJメイクでもなく、楽屋オチ的ゲスト陣や、ヒョウタンツギを登場させた悪ノリでもなく、ピノコの「アチョンブリケ」でもない。むしろこれら<トホホな感じ>は愛すべき珍品的な輝きを放っており「ねらわれた学園」レベルの許容範囲と言っておく(笑)この映画が大林ファンからも無視され続けた真の理由は、腐った昼メロのごとき陳腐な恋愛模様を展開するジェームス三木の脚本と、終始ハズシまくる宮崎尚志の音楽のせいなのだ。とにかく、片平なぎさと峰岸徹が大メロドラマを演じる場面は醜悪なので、我慢出来ないという方は<早送り>することをお勧めする。※志穂美悦子の好演と、宍戸錠のBJに星ひとつオマケ。
1977/大林宣彦監督作品
関連作品●火の鳥