Singles A's and B's : Wizzard
Wizzard全盛期に「一人Phil
Spector」の異名をとったRoy Woodの本領が最も発揮されているのは、何と言っても一連のシングル作品です。アルバムでのWizzardは、時代背景を反映してか過分に実験的すぎ、作品としての完成度は「?」なのですが、シングルはどれも今聴いても素晴らしい出来映えです。その傍証というわけでもありませんが、このアルバムに収録されているクリスマスソング「I
wish It could be Christmas everyday」、Wizzardと言うバンドがとっくに解散し、日本ではその存在すら忘れられていた80年代、81年と84年のクリスマスシーズンのイギリスでヒットチャート上位にランクインしていましたし、今ではすっかりスタンダードの地位を獲得したらしく、昨年のクリスマシーズンには複数のクリスマスアルバムに収録されていました。
Wizzardは、1972年から1974年にかけてイギリスのシングルチャートにおいてNO.1ヒット2曲を含む一連のシングルヒットを飛ばす大活躍を見せ、全米進出を目前にした1975年、突如ツアー先のアメリカで解散してしまいます。この裏には、Wizzardの全米進出にかかる費用を惜しんだマネージメント(Don
Arden)の思惑が大きな影響を持っていたと言います。Wizzardよりも約1年早く全米に進出していたE.L.O.とWizzardは同じマネージメントに所属していましたので、全米で既にファーストヒットを飛ばし、「Eldorado」がアルバムセールスのゴールドに届いたE.L.O.を優先したしわ寄せが、最悪のタイミングでWizzardに降り懸かってきてしまったように思えてなりません。もしE.L.O.の全米ブレイクが1年遅れていたら、Wizzardの全米進出も成功していたかも知れません。当時を知るライターなどの意見によれば、Wizzardのステージは9人ものメンバーが同時に演奏してWall
Of Soundを再現する壮大なもので、その仕掛けも仰々しく、当時のアメリカであれば十分観客に受け入れられる要素を持っていたとのことです。
収録曲中お勧めは、全英NO.1ヒットの「See
My Baby Jive」、前述の「I wish It could be Christmas everyday」、Wizzard現役時代の最後のヒット「Are
You
Ready
to Rock」などです。
大瀧詠一の一連のアルバムや、Alan Persons Project等が好きな人にはお勧めです。