もどる
  その・
 
 
 
その 
 
せんじょうを  
ゆるやかにたどる 
 
双葉にゆるりと 
人さし指をひとつたて 
なかさかよかなぁか と 
呪文をつぶやいて 
みたり 
 
なかったことを 
逢って欲しいのだと 
裁判所付き添い婦が 
たとえ 
地面に膝をつき 
空に手ひろげ 
願ったのだとしても 
 
そのお楽しみを 
妨げることだけが 
心のシコり  

 
大切なものを 
おざなりに 
涙して みたり 
 
親切心はその哀しみを 
知るよしも  
なく 
 
荒野を 
ざわざがと ゆねが 
はばう 
その 
 
さる 
山の猿の 
どんな 永久のいとなみも 
 
キャミソール 
ドレスの 
時間給の営みに勝ることは なく 
 
申は笑う 
猿は笑う 
 
さるは  
わら う 
 
さらさらさらさら 
 
さみしく 
やさしく 
くりすちゃんの さるが 
 
抱きあいながら 
ほんのり 
目尻を輝かせ 
 
わら う 
笑う 
 
さらさらと 
さらさ ら  
 
と  
 
 
 
 
 
            萌木碧水