UCLAS ROYCE HALL SEP 26 2002 8PM

RAVI SHANKAR & ANOUSHKA SHANKAR

 

今回のチャンスを逃したら2度と見れないかと思い、行く事を決めた。レヴィューといっても、曲名等はわからなかったので、会場の雰囲気をお伝えしたい。

 

当日はソールド・アウトで、当日券が数枚残っていただけのようだ。会場のUCLARoyce Hallは、主にクラシック音楽の演奏会場に使われるのだが、10月6日にはブライアン・ウィルソンがエリック・クラプトン等とコンサートを行なう予定だ。会場はUCLA(広い!)のキャンパス内にあり、サンセット・ブルヴァードから少し南に入った場所に位置する。日本でいえば、サントリーホールのような感じだろうか。入って、入り口右側にはポスター、CD、本などのグッズも発売されていた。(売り子さん達は皆、インドの衣装を身にまとっていた。)会場内ではBGMCHANTS OF INDIAが流されていた。私の席はステージから6番目のまん中で、絶好の場所である。チケットの価格は$15~$65UCLAの学生は$15で見れるようだ。

 

ステージにはお香がたかれて、数分後にコンサートが始まった。先ず、ラヴィの娘のアヌーシュカの演奏から始まる。編成はアヌーシュカのシタール、インドの手でたたく太鼓を扱う2人、そして源が3本貼ってある弦楽器を扱う奏者が2人の計4人である。メンバー全員がステージに用意された絨毯?の上に置かれた座ぶとん?に各自、席を付く。曲が始まる前に必ずアヌーシュカの曲に対しての説明があるのだが、私にはよく聞き取れなかったというか、難しい名前なのでよくわからなかった。1曲目は調律をしながら形を整えていく感じで始まった。アヌーシュカのシタールが鳴り、2人の太鼓奏者が序々に絡んでいく。スピードが頂点に達した所で曲が終わる。その後また調律をし、今度はアヌーシュカがくり返し奏でる同じフレーズに、各太鼓奏者が自慢の腕を披露する。最後に両方の奏者がアヌーシュカの弾くシタールのフレーズに合わせて、太鼓の掛け合いを行なう。各奏者が叩き終わると同時に客席から拍手が巻き起こった。3曲目はポップで、聴いていてとても心地よい曲だ。カリブ海か、どこかで使われている半円形の打楽器の音色に近い雰囲気だ。陽気な気分にさせてくれる。父親のラヴィ・シャンカーが演奏するような曲でない事は確かなのだが、アヌーシュカのアルバムに収録されている曲の殆どは、父親が作曲したようである。この後、15分くらいの休憩があり、いよいよラヴィが登場する。

 

いよいよラヴィが見れると思うとドキドキする。正確な年令は知らないが、80歳はこえているだろう。最初にシタールを持ったアヌーシュカと奏者達が入場し、最後にシタールを持ったラヴィが姿を現した。聴衆は立ち上がり、盛大な拍手迎える。やはり、念入りな調律から始まる。ラヴィが曲の説明をし、最初の演奏がスタートする。ラヴィとアヌーシュカのサポートだけで、孤独な音色のシタールが延々と響き渡る。ラヴィの表情も、シタールと一体のなっているかのごとく、深い悲しみにつつまれていた。まるでインドを流れるガンジス川の流れを見つめているような錯覚に陥ってしまう。他の奏者達は常にラヴィのほうを見ていた。2曲目は一風変わって、インドの伝統舞踊のような雰囲気だ。ラヴィの顔も、1曲目の「苦」の表情とはうって変わって、顔が前後左右にある、仏像の「喜」のような表情を見せる。絶えず、優雅で無頓着な表情を見せ、序々にスピードを速めていく。時折、右足を宙に上げ、リズムを取っていた。高齢とはとても思えないEnergeticな演奏で、早弾きも披露。最後の演奏に入る前に、奏者の紹介をする。1人を除いて、奏者の名前は聞き取れなかったが、弦楽器を持った弟子の1人はケンジ・オオタという日本人だ。最後の演奏曲は壮大な組曲といった感じだ。40分以上の長さに渡ってラヴィ自身の人生を振り返っているようにも感じた。時折、アヌーシュカや弟子達のほうを何度か目で合図しながら至福に満ちた表情で、何の疲れも感じさせないまま、演奏を続けた。

 

30年前のバングラディッシュの時とは大きく違い、インド音楽も人々に受け入れられている印象を持った。長い曲の演奏にも関わらず、席を立つ人は殆どいなかったし、演奏が終わる度に起こった惜しみのない拍手がそれを物語っていた。聴衆の中にはインドの民族衣装を着た人も数多く見かけた。中には場違いな?ビートルズのシャツを着ている人も何人かいた。一番前の席でラヴィの奥さんらしい人もいた。(前にジョージとラヴィがTVに出演した時に奥さんも出ていたのだが、その人によく似ていたし、ラヴィの演奏中にも手拍子したり、アヌーシュカが彼女に向かって微笑んだりしていた。)

 

近年、ラヴィ・シャンカーがコンサートを開くのは殆どない。娘のナヌーシュカに後を継がせたといっても過言ではないだろう。(現実にアヌーシュカも素晴らしい演奏を披露するし、精力的にコンサートを行なっているようだ。)しかし、私が見た印象では100%、現役だと断言できる。人々に感動を与えてくれる、数少ない、音楽家の1人だ。(2002年9月30日)

 

 

今後のラヴィ・シャンカーの活動予定だが、年内にはDVDも発売される予定の他、アメリカ国内、カナダで4回のコンサートも予定されている。11月末には、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開かれる、ジョージ・ハリスンのトリビュート・コンサートにも出演予定だ。詳しくはRavi Shankarオフィシャル・ホームページへ、

Ravi Shankar