LANCIA thesis(ランチア テージス)

2004年4月に遂に、あのAlfa Romeo GTAと同じV-6 3.2Lユニットを搭載したLANCIA thesis(ランチア テージス)が、いよいよ日本にも上陸する事になりました。2001年のジュネーブ・モーター・ショーで発表されてから、ずっと待ち望んだパワー・アップ・モデルの発表は、これはもう願っても無いことです。
各雑誌にLANCIA thesisが取り上げられておりましたが、2.0Lや2.4Lの5気筒では勿論、3.0Lの6気筒でさえ、やはり1.8tの巨体を引っ張るには無理があると指摘されていたので、出来れば4L位のV-8が積まれたらいいなと思っていました。しかしながら、LANCIA Thema 8.32で経験しましたが、フロントにV-8エンジンを搭載するとどうしても熱対策が大変になり、LANCIA Thema 8.32と同じ不安材料を残すことになるだろうと予想しており、非現実的だと思っておりました。ルカ・ディ・モンテゼモーロさんが本格的にFIATをコントロールする事で、LANCIA thesisのエンジンパワーの強化策としての回答が、Alfa RomeoのGTAのエンジンを搭載する事だったのでは無いでしょうか?。実際1年前には、FIATからLANCIAはもう見放されてしまうのでは無いかと危惧する、ランチスタも多かったです。現在求め得る最強のAlfa Romeoユニットを積むことで、LANCIA thesisの動力性能の向上が期待されます。今となっては、最後のAlfa Romeo純血のユニットになりました。これだけでも、価値があります。現在同じアルミブロックのAlfa Romeoエンジンを選べるのは、Alfa Romeo GT、147GTAだけとなってしまいました。

2004年6月13日にLANCIA thesisの試乗会があると言う事で、大阪の八光自動車まで行って来ました。キーを渡されて、阪神高速を走る事になりましたが、この日のthesisのオートマチック・ミッション(アイシンの5速)の調子が、阪神高速の巡航スピード(60〜80km/h位)だと今ひとつしっくりと来ませんでした。少しの踏み込みでキックダウンをしてしまって、高回転を維持したがりました。別にそれ程パワーを必用と思っていなくても、キック・ダウン(4→3速に落とされたままロー・ギアーをキープ)したがります。同じV-6の2.5Lユニットを積んだAlfa Romeo 156(2.5L V-6)と比較すると低回転時のトルクが車重に負けている感じでした。また、Alfa Romeo 156では、高回転にすると気持ち良い音が響きますが、未だ新車のthesisでそう言うことも出来ませんし、実際アイドリング音からして、とても静かに躾られており、エンジンが動いているのか止まっているのか分からない位静かでした。電動ファンの音は盛大に鳴っておりましたが、ドアを閉めると無音に近い環境になりました。これは、ドアの機密性(2重にシーリングされている)がしっかりしているのと、窓ガラスに、やや厚いものを使用している為と思われました。

この後ろ姿のボリューム感は、独特のフロントの押し出し以上に魅力的です。LEDで光るリアのコンビネーションランプも魅力的です。トランクは電動で最後まで閉まるようなアシスト機能が付いておりました。LANCIA Thema 8.32でトランクが落ちてきてギロチンになりかけたことを考えると、とても親切な設計です。容量もThema Wagon程ではありませんが、必用十分な量を確保している様でした。

正面を見ますとアウレリアなどの古いランチアのフロントグリルを継承している事が分かります。古い時代のデザインを、今風のコンセプトで復活させました。プロトタイプのディアロゴスとさほど変わりなく市場に出してきた、ランチアのデザイン部門に拍手です。全幅は1830mmあるので、狭い道ではすれ違いに気を使います。ヘッドランプもとてもチャーミングです。

LANCIA Thema 8.32で代表される本物の木と革だけで作られた内装を、このLANCIA thesisでもう一度見ることが出来ました。手に触れる所はフェイク無しの厳選された天然素材だけを使用しております。ダッシュボードの一番上は流石にLANCIA Thema 8.32(すぐに縮んでしまった)で懲りたのか、プラスティック樹脂の表面をそのまま使っておりますが、決して安っぽいプラスティキーな感触はなく、大きなシボを型押した手触りは非常に良いなぁ〜と思いました。軽合金(マグネシウム)製のセンターコンソールや、パーキング・ブレーキ部分は、上手く金属の質感を残しつつ、表面仕上げを丁寧に施したことによって、全体の質感の向上と実際触った時の手触りのヒンヤリ感を出していました。決して、プラスティックでは表現出来ない本物の金属だけが持つ主張でした。パーキング・ブレーキは電動で自動解除されます。こう言った部分にも電気によるコントロールが介入してきております。ガレージ伊太利屋経由の3.2Lのthesisは全て、Poltrona Frau社の革内装が標準設定になります。現在残念ながら日本では、標準仕様の革や、Alcantaraや、Woolの内装は選ぶことが出来ません。以前乗っていたLANCIA Thema 8.32のPoltrona Frau社の革とは全然違う質感で、特別に柔らかい革を使用していました。ダッシュボードの上面を構成するプラスティックと下の部分を構成する革の部分にアクセントを与えるために、無垢の木をトリム(結構分厚い)として採用しております。この部分にも「ランチアとはこうぞ!」と言った姿勢がみられました。
LANCIA thesisホームページに、この無垢の木を持った女の人の写真(The journeyを選択して、The signをクリックすると出ます)が掲載されています。また、ガラスの厚み(4〜5mm)も充分以上に取られており、遮音性と気密性に優れていると思われました。試乗した日は真夏日でしたが、メーターパネル横のパンチング・メタルの穴から、そよそよと冷風が心地よく流れてくるのも確認出来ました。電動でシートの空気を循環させる(サーキュレーション)オプションも選択が可能になりましたが、前席だけで70万円のエクストラ、後席を含む全席に付けると99万円のエクストラになります。快適には違いないですが、とっても高いです。

2001年11月にイタリアのマジョーレ湖にて、限られた人達だけのLANCIA thesisの新車発表会がありました。その時の貴重な写真を提供頂きましたので、報告させて頂きます。未だ世界中に知られていない時のLANCIA thesisの写真です。写真を提供していただいたのは、Daiさんです。

LANCIA thesisの中でも特にシックな色の、黒と渋いグレーの外装色での発表会です。LANCIA thesisを必用とするイタリア人には、渋い高級感を出す為に、こう言った色の選択が最適だったと思います。時期も11月と言うことで、明るい赤系や青系よりも、むしろモノトーンが選択されたものと思いました。現在ラインナップされている外装色でも灰色系が多くて、各色微妙に異なるメタリック・グレーが多いです。

これだけ多くのLANCIA thesisを一同にすると、自動車ディーラーの人も、只の車好きのヒトになりますね。3年の月日が流れて、ようやくAlfa RomeoのV-6 3.2Lエンジンが搭載される様になって、走りにも以前のLANCIAらしさが戻ったと思います。無理を言えば、更に3.7L位までボア・アップされたエンジンの搭載を期待します。

友人がイタリアに行った時に撮影した、駅前で客待ちしているLANCIA thesis(白)のタクシーです。多分、ディーゼルの2.4Lが使われていると思われます。この白い色のthesisは日本には輸入されていません。イタリア本国(イタリアでは白がタクシーの標準色)のみの仕様かと思われます。日本に輸入される色は外装色が12色、内装色が4色あります。それぞれの内装と外装の組み合わせは、Recommended choiceとPossible choiceに別れており、希望に添えない組み合わせもあります。2004年6月現在で、3.0Lエンジン時代に輸入可能であった色と少し選択肢が変わっておりました。日本のカタログには載っていない、イタリア本国では選択可能な色の組み合わせもあるのかも知れませんですね。この写真を提供して頂いたのは、ピッコリーナさんです。

これも同じ友人が撮影したものですが、ミラノのモンテ・ナポレオーネで携帯電話で取り引きしている人達が乗っていました。このクルマの写真を撮っても良いかと聞いたら「OK」と言って貰えたそうですが、聞いた時はチョット恐かったそうです。ずっと携帯電話で話していたので、ファッション関係か、危ない金融関係か分からなかったそうです。洗車などあまりしない国において、ビカビカに磨き上げられていたので、一層異様に目立っていたそうです。写真からもその様子が良く分かります。後ろのクルマは、同行したベンツです。この時見た感じでは、ベンツより遙かに押し出しが強く、落ち着いた雰囲気で街に溶け込み、とても格好良かったそうです。

後ろのベンツと比べても、風格があると思います。インターネット配信して、ミラノの所有者から文句が出ない様にナンバー消しておきました。写真でははっきりと分かりませんが、外装色はソリッドの黒だと思います。現在の日本の輸入車カタログからは、このソリッドの黒は落ちて、代わりにメタリックの黒が載っております。ソリッドは、ランチア・ブルーだけで、他は全部メタリック色ですが、どれも渋い色ばかりです。買うとなると、とても悩みます。

LANCIA thesisのイメージ・カラーである、ボルドーの赤色メタリック色(Bordeaux Tintoretto)です。
ボディーサイズは、(4888 x 1830 x 1465mm)、重量は1820Kgと立派で、Alfa Romeo社の製造するV-6の3.2Lエンジンの最高出力は230CV-CE(HP)、トルクは29.4kgm-CEです。コンピュータ・ロム・チューニングと、排気系のチューニングで、元のGTAユニットと同じ250HP位までは簡単に出せると思います。でも、新車の完全無料点検が付いている1年間はノーマルで乗る方がお得ですね。

リアのコンビネーションランプが光るとこう言った感じになります。クラシカルですが、最新の技術が投入されております。特別にカタログ以外の、内装と外装の組み合わせも可能であることが分かりました。デザインの国イタリアから、LANCIA thesisの最新情報を報告しました。今後、このクルマの情報が入り次第、少しずつこの頁でアップしていく予定です。

2004年10月11日、インターネットでクルマ関係のニュースを見ていますと、アルファロメオとランチアが高級セダンから撤退すると言う悪いニュースが飛び込んできました。その内容とは、
「アルファロメオ、ランチアのハイグレード・モデル3車種が相次いでカタログから消える。これは去る6日、トリノで行なわれた経営陣と労働組合の協議の席で発表されたもの。実際にはランチア”リブラ”を来年7月に、同”テージス”とアルファ”166”を2007年に生産終了する計画だ。また生産中止の直接の理由としてではないが、3車種の生産拠点・ミラフィオーリ本社工場の1時間あたり労働コストがポーランド工場(新型”パンダ”の生産拠点でもある)の2.6倍もかかっていることを公表した。3車種の売れ行きは決して芳しくない。7月のイタリア国内登録台数を見ると、リブラが865台。メルセデスベンツ『Cクラス』の1896台に対して1000台以上の差を付けられている。テージスも120台で、『Eクラス』の10分の1以下。166も320台とふるわない。こうした背景から、今回の決定に至ったものと思われる。フィアットグループの次期高級車については、従来から『GM製プラットフォームを使うか?』との憶測があったが、今回はそれに関して言及はなかった。一部では『今後高級車はマセラーティ/フェラーリに担当させるのでは?』という報道もなされたが、これによって、すぐ“ミニ・マセラティ”が準備されるとは現段階では考えにくい。もしこのままだと、将来イタリア製高級車の選択肢は極端に限定される。この国では、日本以上にドイツ車の人気が高いが、そのドイツ車人気はさらに加速しそうだ。ちなみにそれは政界でも同じで、ベルルスコーニ首相はアウディ、フィーニ副首相はBMWを愛用している。」

と言うものでした。この発表はあくまでも現時点での首脳陣の思いなのですが、もしも本当に高級車部門からイタ車が撤退すると、面白くありません。ここは是非ともLANCA thesisを売り続けて欲しいと思います。現時点では、thesisは2007年以降も製造を続けることは確定しております。

2004年10月30日と31日に行われた、Lancia Thema Owners Club (LTOC) の全国ミーティングに参加してきました。静岡県の富士教育研修所で、撮影会を兼ねたピクニックでした。ここで、新旧のLANCIAが対面しました。左はThema、右はthesisです。

富士山をバックに新旧そろい踏みです。新型thesisには、渋いグレーのメタリックが沢山あります。このLANCIA thesisのデモカーは、先日大阪で試乗した車そのものでした。渋めのグレー・メタリックが、とても上品でした。

LANCIA Themaは、設計から20年経っても色あせしないデザインが光ります。今後、LANCIA thesisが20年間も生存出来るかどうか、ルカ・モンテゼモーロの気持ち次第です。イタリア製で、高品質なアッパー・セグメントの車は、これからもまだまだ必用と思いますね。マセラーティー・クアトロポルテだけに責任を押しつけるのは、一寸辛いと思います。イタリア車には、ドイツ車と全く別の味がありますから。

10月31日に、ピクニックが終わってから芝生の上にLTOCクラブ員自慢のテーマが30台と、テージスが1台仲良く扇状に整列駐車されて、記念写真を撮りました。とても恰好良いです。

2006年8月1日に新しいLANCA thesisのページを加えました。 N e w

Lanca本社のホームページです。

ガレージ伊太利屋のホームページです。

2004年7月19日制作

2006年8月1日更新>

Lancia Thema 8.32の頁に戻る。