LANCIA thesis
東京のガレージ伊太利屋から陸送されて、東大阪の八光自動車にやって来ました。未だ、登録前のナンバープレートが
付いていない状態のLANCIA thesis 3.2を見に行ってきました。

ピカピカに磨かれて、朝日に輝いておりました。初めて見た印象は、思ったより茶色が強いなぁと言う感じでした。

LANCIA一族の誇りである大きなグリルが真正面にデンと構えております。凄く恰好良いです。

この車のチャームポイントであるヘッド・ランプのアップです。キセノン・ランプの採用によりかなり明るいです。
しかしながら、左側通行に適合した配光パターンのビームでは無いため、左側の路肩が見にくいです。フェアリングで
囲われたヘッドランプの下の部分にウインカー・ランプが隠されております。コンビネーション・ランプとしては、
これ以上綺麗にデザインされたランプは見た事がありません。

リアのコンビネーション・ランプもLEDを使用したタイプで、ランプが点灯しない時には白い帯状になるデザインが
なされております。この縦長のコンビネーション・ランプは、夜間に光った所が大変綺麗です。W出しのマフラーから
は、やかましさでは定評のあるあのAlfa Romeo V-6ユニットから出された音とは到底想像すら出来ない程、ジェントル
な排気音が奏でられます。アイドリング時、一番五月蠅かったのは電動ファンが回る音でした。リフト・アップしてみて
初めて分かりましたが、巨大なリア・サイレンサー(メイン・マフラー)が採用されておりました。途中のパイプ径も細
くて、パワーよりもむしろトルクを出す様にチューニングされていて、このマフラーにはかなり金がかかっていそうです。

Alfa Romeo V-6 3.2Lユニットを搭載したLANCIA thesis 3.2に乗って来ました。高速性能を探るべく近畿自動車道で
和歌山までドライブに行って来ました。近畿自動車道では、後から来ると得体の知れない車ですから、前を行く車は全て
道を譲ってくれました。まるでモーゼの十戒のような景色が何回も繰り広げられました。一端私を追い抜いて行った車も
もう一度スピードを緩めて先に行かせてから、スピードを上げてthesisを確認に来るような始末でした。

このリアービューを、嫌と言う程見せつけながら、和歌山まで一気に走り抜けました。5速のアイシン・ワーグナー
社製のオートマチック・ミッションは、かなりハイ・ギアードでした。Alfa Romeo V-6エンジンとしてはかなり低い
回転数である2500rpmは、4速で120Km/h、5速で135km/hでした。完全なオートマチック・モードに固定した場合は
130km/hから5速にシフト・アップされますので、普通に走っている限りは4速迄しか上がりません。しかし130km/h
以下の速度域でも、積極的にマニュアル・シフトを選択すると5速迄入れる事が出来ました。法定速度域でも5速ホールド
で走ると、平坦な道では4名乗車で十分なトルクが出ていました。エンジンとトランス・ミッションについては、問題が
有りませんでした。しかしながらハンドリング、特に直進安定性に関しては、若干問題が有りました。中立付近が凄く
敏感に反応して、ハンドルの回転数も2回転少々しか回らないかなりクイックなハンドリングと相まって、居眠り運転は
絶対に出来ない様な躾方でした。この車を運転する者は、常に路面とのコンタクトを取って的確にハンドリングをしたり、
微小舵角を与え続けねばなりませんでした。ドイツ野郎では、ハンドルから手を離しても、真っ直ぐ走るのと一寸違う
味付けでした。コーナリングは、アルファ・ロメオに通じるロールを積極的にさせるタイプのコーナリングをして、懐は
かなり深いです。しかし、この大きな車で豪快なコーナリングを楽しむのは、似合っておりません。ドライバーは、意図
したコーナリングをする事が出来ると言う点で、thesisはあくまでもショーファー・ドリブンではなく、運転席に積極的
に座った方が楽しいタイプの車と言えました。

リアを右斜め後方から見上げたショットです。高速道路での直進安定性(60〜120Km/h)が悪いので、こう言った
パーツが取り付けられたのではないかと想像しました。リアの両輪のロアーアームと、中央部分に下向きに黒いプラス
ティック製の羽根が生えております。この写真は後から見た状態です。しかしこのパーツは、空力の向上を考えて付け
られた、ボディー下面の整流板であると言われております。ペラペラなプラスティックかと思いきや、かなり剛性のある
しっかりとした特殊なプラスティック樹脂(一寸カーボンっぽい)で作成されており、固定も2面でボルトを5本使って
強固に取り付けられておりました。でもバックで車止めに当てると、パリッと割れそうです。実際他のthesisでこの板が
割れてしまっているのを何台か見かけました。高速走行のインプレッションとしてthesisは、120Km/h以上の速度を維持
すると、ピタッと安定しました。しかし中途半端な速度域(60〜80 Km/h)では、左右にフラフラしない様な走り方を
ドライバーがしなければなりませんでした。常にハンドル操作を続けなければいけなかったので、thesisに「お前に私を
運転するだけの技量が有るのか?」と聞かれているかの様な錯覚に陥りました。まぁ、居眠り運転は出来ませんね。

このアングルは、やや前方から後方を見上げた状態です。ロアー・アームは、アルミニウム製で軽量化を考えられて
おります。マルチリンクの構造も、大変凝った手法(スカイフック・サスペンションと呼ばれている)で作られており
4輪のアライメント調整をしても、キャスターとキャンバーは完全にニュートラルには調整出来ない様な構造になって
いました(最初から治具が狂っているのかな?)。リアのトー調整だけをして、高速の直進性が若干向上しましたが、
根本的には問題は未だ解決しておりません。
あの五月蠅さでは定評のある、Alfa Romeo V-6ユニットの音を消音させる為の巨大な黒いサイレンサーが見えます。
触媒を含めて、ステンレスと鉄と良く分からない金属を使い分けてマフラー全体を作っていました。またイタ車の常で
新車時からやはり下回りには赤錆は出ていました。還元剤を塗布して、黒錆に化学変化させた方が良いのかも知れません。

フロント・アンダー・カバーを前方から見た図です。本来この部分は、全てがカバーで囲われている筈なんですが、
何故かトランスミッションの部分だけ穴が開けられておりました。ガレイタに確かめてみますと、トランスミッションの
温度上昇を防ぐために作られた穴だそうです。これだけ大きな穴を開けると、アンダーカバーの役目を果たさないんじゃ
ないかと心配します。それにしても、この穴は手作業で開けられていた様で、フリーハンドで開ける穴の位置をマジック
ペンで書いてあったのを発見しました。イタリアの車のカーペットを剥がしたりすると、カーペットの下から落書きが有
るのを発見したり、コインやナットが落ちていたりします。私はこの落書きから、のどかな作業風景を連想しました。
結局平気で穴を空けたりする事から、本来アンダー・カバーはリアのディフューザーまでふらっとに作らないと、空力的
効果が無いんでしょうね。

後方から前方を見た図です。大きく開けちゃった穴を補強する為に、中央部をリベット打ちしてあるのが分かります。
金網でも張って小石の飛入を防いだ方が良いのかも知れません。ガレイタから、穴は絶対に塞がないで欲しいと言われま
した。オーバーヒートする様な車を平気で売る所が可愛いです。LANCIA Thema 8.32なんて、エンジン・ルーム全体が
エンジンから発せられる熱気で包まれておりましたから、thesisではかなり改善されたんだと考えるべきでしょう。今後
改良点として、フロント等長パイプを入れたりすると、このアンダーカバーが邪魔になる可能性もあります。

補修用のタッチアップペイントも取り寄せてみました。メタリックのタッチアップ・ペイントだけと思ったらクリアー
のタッチアップ・ペイントも入っていました。少し得をした様な気がします。でも、良く考えたら最初から1セット位、
サービスで入れておいてくれても良いかなぁ〜と思いました。勿論すぐにガラス・コート加工されて、塗装を長く綺麗
に保てる様にメインテナンスされております。

ツールド箕面(TDM)に行ってきた時の写真です。新旧のLANCIAが並びました。とても良い感じでした。このTDMも
近隣住民からのクレームで、残念ながら今月から中止になりました。日本では、クルマ社会が発達していない証拠です。
2007年4月18日に、LANCIA thesis 3.2(V-6)が生産終了し、2.4Lコモンレール5気筒ターボ・ディーゼル車は販売継続
とのお知らせが、ガレージ伊太利屋のホームページに掲載されていました。今後thesisを購入する方は、5気筒ディーゼル
エンジンになってしまいます。Alfa Romeo V-6ユニット搭載のthesisは、LANCIA Thema 8.32の様な存在になるのかなぁ。
2008年5月23日 You Tubeで、イタリア本国のLANCIA thesisのCMを見つけました。とっても、このクルマの使われ方を
上手く表現しているなぁと思いました。ジェエントルかつエレガンスなクルマだと再認識しました。
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LANCIA thesisの公式ホームページです。
2005年7月17日制作
2008年5月23日更新