とある廃ビルの下で起きる今は正午。
道行く人々の視線など気にせず爆睡していた。
今日は京都を去る、俺はまもなく出発した。
名残惜しい京都の街並み。
京都駅前のマックでiBOOKを開く。
程なく時間もとうに午後4時となる。
京都の思い出、古都の街並みが色々と考えさせてくれた。
俺は自転車をこぎ出す。
振り返らずに、本願寺の塔だけが夕陽と共に俺の後ろを見つめる。
国道1号に再び抜け出た俺は、もうすぐこの道も終点だということに気づく。
大阪でこの道は、遂に国道2号に変わる。
京都で買った、テレコを片手に思い出を呟きながら、俺は大阪を目指していた。
街並みは段々と賑わいを見せ、大阪市街へ入る。
立ち並ぶ歩道橋、アーケード街、若いキャッチの男の子達がズラりと並んでいる。
アーケード街はネクタイと若者と酔っぱらいとだけで溢れかえっている。
京都の美しい街並みの後にこういう雑踏を見ると、大変気持ちが悪い。
俺はここに余りいたくないと思った。
松屋で麻婆ナス丼を食し、ホントは心斎橋やアメリカ村、道頓堀などを訪ねたかったのだが、
そんな気はとっくに失せてしまっていた。
コンビニに立ち寄り、タウンページで銭湯を調べる。
この辺りだと、海老江が近い。
けっこうまだ開いているところがありそうだ。
今日は殆ど何もない一日だった。
残念だが風呂に入って一眠りするとしよう。
丁度良く銭湯が目の前に現れた。
人はいない。
俺の一人風呂。
貸し切り気分で気持ちがよい。
思い出すのは京都の街並みばかり。
あぁ必ず帰りたい。必ず帰ってみせる。
俺は風呂を出るとビールを飲んだ。
大阪人には悪いが、俺はこの街にそぐわない人間みたいだ。
早々にこの地を去りたい気分で一杯。
悪い所でないことはわかるが、気分が京都に浸りすぎて好きになれない。
俺は、出発する。
何だか番台のおばちゃんは愛想がなかった。
国道2号の標識は、神戸まで約60kmを示していた。
これなら夜通し走れば、朝には着くな。
俺は走ることにした。
この2日間ゆっくりした分、今日は走ろう。