児島へ向けて県道21号線を走っている。
大福というところまでやってきた。
ローソンに入る。
チョコボールは最近必需品となりつつある。
体力補給みたいな感じで手軽に食べれるのがたまらない。
しかも長持ち、そして安い。
そんな素晴らしいチョコボールをレジに持っていく。
とても人の良さそうな店員さんだ。
「旅してるんですか?」
店員さんは満面の笑顔で俺に聞いてきた。
「ええ、もう見たまんまで(笑)」
「どこから来たんですか?電車で?」
「東京から、自転車でここまで来ました。」
相変わらずの俺の返答に店員さんは「凄いですね」とレジ打ちをする。
代金を支払い、俺は外へ出ようとした。
すると、店員さんが走って近寄ってきた。
「これ、持っていって!」
俺にホットココアを差し出した。
「え、マジすか?いいんですか?」
「これ、飲んで温まって!頑張って!」
突然の事でよく分からなくて、異様に嬉しかった。
「ありがとうございます!」
店員さんはすぐまた戻り、並んでいたお客さんに謝り、レジを打ち始めた。
こんな出来事に心温まり、俺は再び走り出した。
本当に嬉しかった、ローソン大福店のお兄さんありがとうございました。
何事もなく3時間程走り続け、3:50、児島駅に到着した。
潮風が吹きすさぶ中、始発まで小休憩の出来る場所を探していたのだが、何もない。
諦めた俺は駅から200m程離れた所にあるサンクスへ入った。
立ち読みであと一時間半。
そんな事が到底出来るわけがない。
しかし気休め程度に立ち読みをすることにした。
別に何が読みたいわけでもない。
面白くもない雑誌を何も考えずボーっと眺める。
早く始発来ないかなー・・・・・。
すると隣で同じく立ち読みをしていた男性が俺に話しかけてきた。
旅しとるんかぁ、と感心してくれた。
しばらく二人で立ち読みをしながら話を弾ませていた。
その人はダイスケと名を名乗った。
ダイスケは「飯食ったか?」と俺に聞いた。
まだ、と答えるとダイスケは、
「良し、何か好きなの選びな。弁当買うてええぞ。」と気前よく言った。
「マジで、いいんすか?」
今日は早くもこんな事が二度も続いてしまって嬉しかった。
俺は弁当を選んでダイスケに渡すと、
「飲みもんは何がええ?お茶でええか?」と温かいお茶をもおごってくれた。
更にダイスケは、
「このあとは電車にのるんやろ?始発までうち来るか?」と言った。
俺は申し訳ないような気もしたが、御言葉に甘えることにした。
「ほんっとありがとうございます。」
俺はもう感謝の気持ちで一杯だった。
サンクスから徒歩2分のところにダイスケの住むマンションはあった。
家にはいると、ダイスケのと別の部屋に男の人がいた。
ダイスケが、「旅の人連れてきた、ちょっと家にいれるぞ。」とその男の人に言った。
俺はダイスケの部屋に入る。
ダイスケは大人っぽい格好をしていたのでわからなかったが、俺と同い年だった。
何かタメの人におごってもらったのは少し申し訳ない。
ダイスケはスナックの店長をやっているらしい。
タメの割に、俺とはだいぶ違うことをやっている。
テレビでは「警察密着24時」が何故かこんな時間なのにやっている。
テレビを見ながら、弁当を食い、互いの話をする。
「東京の俺らの年代の奴って、普段どんな事して遊んでる?」とか聞かれたが、俺には答えられなかった。
「俺らの年代の子」とはいえ、俺はそんな一般的な友達もいないし、
一般的な遊びなのか知らないが飲酒ばっかだし、
何よりダイスケが「俺を一般」として捉えてしまったら、
東京のイメージは大変な事になってしまう。
ダイスケは「この辺何もないだろ?」と悲しげに俺に聞いた。
確かに、何もないと言えてしまうような町だが、ここにだってその分東京より得られるものは沢山あるよ、と俺はダイスケに言った。
何より俺は海の町が大好きだ。
東京にはないものが沢山あるというのは、何処にだっていえることだ。
東京は属性にしたら「物」が手に入りやすいところではあるが足りないモノだって沢山ある。
その属性ってのが違うだけで全ては均等であると思う。
何事もデメリット、メリットがあって、それは必ず均等を保つ。
目に見えなくとも、それはきっと均等である。俺はそう思っている。
5:20。
始発が5:55に出るので俺はダイスケに別れを言い、彼の家を出た。
「この辺来たらまた寄ってくれよ」とダイスケは俺に言った。
いつになるかわからないが勿論近くまで来たら寄るつもりだ。
俺は児島駅に向かった。
自転車を折り畳み、例によってゴミ袋に自転車をいれ改札を通る。
切符は高松行きで買った。
待ち合わせは12:00なので、かなり早い到着となる。
まだ夜は明けない。
5:55になり、「マリンライナー」高松行きが来ると
それに乗り込み俺は直ぐさま寝た。
「高松ですよ」
車掌さんに起こされた。
もう高松に着いている。
うっすら空も明るみをみせていた。
6:30。
駅から外に出る。
マックはないが駅の中にロッテはある。
開店8:00。
あと一時間半。
時間を潰せるところっつーと、もはやミニストップしかない。
また寝てしまいそうだ。
やっぱり寝てしまった。
店の人も迷惑そうだったが、関係ない。
最近図々しい俺の神経。
8:30。
少し寝すぎて、ロッテに入る。
チーズバーガーセットを買って、食って、また寝た。
余程疲れがたまっていたらしい。
12:00まで長いなぁ・・・・
もう少し早くしておけば良かったかな。
12:05。
起床。
やべ、ちょっと寝坊してしまった。
もう二人は来ているだろうか?
俺はそそくさと荷物を担ぎ、入り口へ向かう。
自動ドアが開くと、目の前に見たことのある二人が歩いている。
向こうも俺に気づく。
ほぼ同時に「あっ!」と言っていた。
何てタイミングが良いのか。
お互いすれ違う事無く、見事出会うことができた。
「は、初めまして、糸菌です」
「あ、どうもはじめまして」
二人もならって軽くお辞儀する。
・・・・・つーか結構、雰囲気が微妙。
お互い少しは知った人間同士だが初対面、
しかも共通点といったら、
ここにはいないトシの友達である、ということと、
酒が好きである、ということだけだ。
とりあえず当初、約束していた(?)「讃岐うどんを食う」というのを果たそうと思った。
そして二人がいう「うどん市場」という所に、 俺達3人は向かった。
うどん市場。
中はネクタイ姿の皆さんで埋め尽くされている。
香川だから讃岐うどんばっか食ってる、というイメージは失礼だったかもしれないが、
実際、本当に食っている。
うどん屋、大繁盛。
逆に、東京はもんじゃを良く食べる、というイメージが
こちらの人にはあるらしいが(ダイスケもそう思っていた)、
それは明らかに間違いである。
作り方すら知らない人が8割は占めていると俺は思う。
俺はゴボウ天と、二人がお薦めしてくれた「ぶっかけ(うどん)」を頼んだ。
おごってもらってしまった。有り難い。
ここはセルフの店だったのだが、
やはり香川の皆さん慣れていらっしゃる。
俺には手順がサッパリ分からなかった。
3人して席に座り、うどんを食い始める。
俺がうどんを食い出すと、いきなり二人はカメラを構え俺を撮った。
トシに送られるに違いない。
俺も写真を撮り返してやった。
余り話も弾まないまま、うどんを食べ終わった。
携帯を見ると、公衆電話からの着信履歴があった。
これは間違いなく、トシだ。
俺に公衆電話でかけてくる奴はトシしかいない。
腹も満たされ外に出る。
「さて、次はどこへ行こうか?」と悩んでいると、
電話が鳴った。
公衆電話から、つまりトシからだ。
俺はすぐに電話にでた。
俺 「もしもし?」
トシ 「おう、糸菌か?」
俺 「さっき二人に会えて、今うどん食ったところだぞ」
トシ 「おー!ちょっと代わってくれ。」
電話を渡す。
二人が話した後、再び俺に電話が返される。
俺 「なぁ、結構微妙な雰囲気なんですけど(笑)」
二人の前にも関わらず俺は言った。
トシ 「やっぱり(笑)」
と、再び高野と軽く会話をした後、電話を切った。
そういえば、二人の名前をまだ聞いていなかった。
訪ねると、「かおるん」「今ちゃん」という感じで良いそうな。
かおるん、今ちゃんは香川大農学部の4年生。
今年でもう卒業だ。
どちらも背は俺より小さい。
余り「年上」という印象もない。
俺とタメって言っても全然無理はない。
「どこ行こっか?」と二人は迷っている。
俺は、「どこでもいいよ、二人のお薦めで」と任せた。
そして、高松では有名な「栗林公園」に行くことになった。
3人、自転車に乗り栗林公園へ出発。
栗林公園。
どうやらここの動物園へ行くようだ。
噂に寄れば、
「高松で行ってはいけないところナンバーワン(?)」がこの動物園らしい。
券売機で大人3枚購入。
嬉しいことに入場券までおごってもらう。
いざ、動物園に。
入り口では可愛らしいおばあちゃんが券にスタンプを押してくれた。
お客さんは、俺達3人以外、いない。
ウケた。
でも、この廃れた感じが何かを思い出させるようで良かった。
とても雰囲気がある。
最初に現れたのは、ニワトリさん達。
ここで注目すべき点は、
ニワトリの餌を、野生のハトが食い荒らしてるという点だ。
ニワトリ、なすすべもなく餌食われ放題。
続いてサル大集合。
檻にブチこまれたサルの皆さんが待っていた。
ここでサルの一匹が、
食ったものを突然、今ちゃんに吐き飛ばす。
今ちゃんも負けじとエサを投げつける。
サルの中に「ブタオザル」という種のサルが一匹いたのだが(俺達はブタオさんと呼んだ)
このブタオさんの仕草が余りにも面白過ぎた。
彼の仕草を例えるならば、
彼女を家に連れてきた息子の母親が、
「息子はうまくやってるかしら、ウフフ」と部屋をソーっと覗き見る様な仕草です。
ブタオさんの演技は完璧だった。
日光猿軍団なんか目じゃない。
暇を持て余すと、あんなに凄い技が出来るようになるのか、と関心する。
ある種、感動の域まで達した。
続いて、
「何故か檻の外にでてしまっているオウム」や
「半永久的に回り続けるジャガーとハイエナ」などが現れ、
もう、ホントに笑いに満ちあふれている、この動物園。
そして、
この動物園で一番の大ヒット。
「ラマ」
彼らはもう、絶対狙っている。
絶対、笑いを取る練習している、夜な夜な。
俺達が彼らの檻の前に立つと、突然動きを止めるラマ。
何事か、と思いきや、突然ボスっぽいラマが、
仲間の顔に唾を吐き掛ける。
吐き掛けられたラマもラマで、無表情。
「何すんだよ(怒)」と言った表情は全く見せない。
そしてその直後、突然全員動き出したと思ったら、
また、全員が息を合わせたように制止。
俺は大爆笑した。
この面白さは実際に見ないと分からない。
と、その後も続いて、
フクロウ、大量のヒヨコ(大人になったら肉食獣の餌になります)、
ゴリラ、ペンギン、「人間」、ゾウ、ナマケモノ(ここのナマケモノは大家族で世界一)、
などなど、個性的な動物さん達がいっぱいいた。
こんなに動物園が楽しかったのは初めてだ。
この動物園で、俺達3人の微妙な雰囲気は緩和されてきていた。
久しく大いに笑い、動物園を出ると
「お茶行こう」ということで再び高松駅周辺まで戻ることになった。
シシリーアイランドという喫茶店だ。
店内は生音でバンドが演奏できるようになっている。
俺はコーヒーを、二人はコーヒーとケーキを頼んだ。
暫くまったり感に包まれる。
俺はiBOOKを取り出し、先ほど動物園で撮った写真を取り込んだ。
驚いた事に、動物園だけで105枚も写真を撮っている。
しかも、被写体は全て動物。
自分が動物好きなことを改めて実感。
さて、次はどうしようか?という事になった。
今ちゃんはバイトがあるらしいのだが、どうやら少し遅らせてもらったらしい。
検討した結果、
かおるん宅にサイトの更新をしにいく事に決定。
今ちゃんは一旦バイトの用意で家に帰り、
俺とかおるんは、「マルマル」(本当はマルハチという名前のスーパー)
に行き、その後かおるん宅へと向かった。
かおるん宅。
テレビを二人で見ていた。
かおるんの愛猫キャロンは賑やかな猫だ。
まだ年も3歳と若い。
何にでもジャレる。
うちの猫みたいに年を取ると(黒猫2匹・14歳、アメショ・12歳)、
そう易々とジャレない、そしてすぐバテる、飽きる。
どうやら、かおるんも20時くらいからバイトがあるらしかった。
その頃には出なくては行けない。
17:00頃。
今ちゃんがやってきた。
俺が「耳当て買おうと思ってる」とさっき話したのだが、
何と、今ちゃんが耳当てを持ってきてくれたのだ。
くれるらしい、何と嬉しいことか。
そして・・・・・・・・・
22:00。
完全にデキあがった3人が、そこにいた。 ←クリック必死
俺は、
ワイン、焼酎(19度)、ビール、すだち酒、
などなどを続けざまにイッキ。
かおるん、今ちゃんもイッキを繰り返していた。
何故、かおるん、今ちゃん両者共にこの場にいるのか。
それは今から、3時間程前のこと・・・・。
二人はバイト先に「事故って行けない」と言い残し、
もはや携帯の電源を切っていたのだ。
「今日はこれで何もなくなった」と喜ぶ二人。
俺 「じゃあ、酒でも飲みますか」 ←本性がでてしまった瞬間
二人 「良し、酒盛りだ!」 ←同じく
そしてこうなった。 ←再び
酒盛りは夜遅くまで続けられた。
嘔吐続出。
アパート周辺ゲロまみれ。
猫に酒を飲ませる極悪3人組。
「男らしい」コールに唆されイッキを続ける大バカ野郎。
青春大爆発。
これにて一件落着。