■福岡〜富山ツーリング#3/3


5月3日
寝坊してしまった....もう8時過ぎだ。
お隣は....あれ?...まだ寝てる....向こうの堤防ではもうみんな釣り糸をたれてるっていうのに....釣り終えて帰ってくる人もいる。
そんなことに かまってられない。早く支度して出発しよう...
小さな峠を越えて久美浜湾....学生達だろうか?三角のカヌーの上で片膝をたててパドルで漕いでいる...湖の のんびりした感じがすごくいい...ここはもう京都府だ。
そこから、丹後半島の下の方を走る...宮津市まではアップダウンは どおってこと無いんだけど、長いのなんのって...疲れがたまってるのかな?...この間のことは何も思い出さない...
宮津市では天橋立に行ってみた...やっぱ観光地だ....スゴイ渋滞!
なるほど、おもしろい地形だな....向こうまで行っても良かったんだけど、また戻ってくるのが面倒で止めた。
国道27号を東へ...海沿いのこの道は道幅が狭い上に工事中のところが多く車の渋滞と長い信号待ちでなかなか進まない....足の調子がいいのにイライラする。
舞鶴に入るとなんだか賑やか....自衛隊のイベントをやっている...
ついでだから、駆逐艦の前で写真を一枚撮ってもらって また走り出す。
なんだか時間くっちゃったなぁ...今日はどこまで走れるだろう...
今朝、ラジオで今夜から天気が崩れる、いや、荒れるようなことを言ってなぁ...
小浜市、三方五湖を通って敦賀へ....っと敦賀市内の手前でバイパスに自転車不可と嫌われてまた、最後に峠越え...やっと、敦賀駅に着く....きれいな街だ。夕食にラーメン食ってから駅前のタクシーの運転手に銭湯を聞くと、近頃は銭湯は少なくなって今じゃ一軒だけと...場所を聞いて行ってみると休業...残念!!...今夜はあきらめよう...
となると少しでも先へ行ってテントを張る場所を探そう。
日が暮れて真っ暗な国道8号線をタラタラと走る。
コンビニで一休み...道の反対の高台に小学校が有る。行ってみるときれいな学校だ。広いグランドに外灯が一つ...ジャングルジムの脇にテントを張ってコンビニにまた行ってビールとつまみを買って来てラジオを聴きながら一杯やる....つかれたなぁ..
残りの距離は200km位だ...明日中に着けるかもしれないが、天候の悪いのは覚悟しよう。ここまで800km走ったのかぁ....足は全然ダイジョウブだ...うまくいけば明日の夜は家のベッドで寝られる....就寝....

5月4日
6時起床...外へ出る....まだ、雨は降ってない。あたりを見回すと、なんと周りの家々から丸見えじゃないか...すぐそばの畑で老人が野良仕事....目が合って頭を下げる...危険人物では無いことをアピールしなければ...警察に通報などされたらたまったものじゃない。
老人は表情を変えずにうなずくように会釈してまた鍬で土をいじっている。速攻で撤収!!自転車にまたがりピュー!....
余裕が有れば越前海岸を走ろうと旅に出る前には考えていたが、それまで海岸線でアップダウンに虐められて来たので迷わず国道8号線を北上....福井の友人の顔を見たかったがそれもパス....
丸岡市を過ぎたあたりから、とうとう雨が降り出した。バス停でレインウェアに着替えてまた走る。そしてすぐ、後ろのタイヤがゴトゴト言い出した....
あぁ〜....スローパンクだ...高架橋の下でタイヤ交換をする....濡れているのでタイヤの接着剤が効かない。なんとかごまかして走り出す。
雨はさらに激しくなる。タイヤがおかしい....あっ、タイヤがリムからはずれそうだ!
自転車から降りて見るとタイヤがねじれている....なんだコレ...手で直してまた走る。
またずれる....ダメだ....直す。そんなことを50mごとに繰り返してる....
諦めて、高架橋の下でタイヤをはがす...ダメだなこりゃ...
富山の自転車ショップの社長に携帯電話で相談したが、今の時点では対応策無し!
途方に暮れて居ると出発前の友人のY君の言葉がよみがえる....「協力しますから何でも言ってください」....そうだ、あいつに来てもらおう!ここ小松まで富山からタカダカ100kmだ!...........ってナニがタカダカ100kmなんだか...ここまで900km走ってきたその時のオレにとって 100kmと言う距離感が正常な人間の感覚とはかなり異なっていた。普段のオレだって、そのタカダカ100kmなんて真っ平ゴメンなのだ!
しかし、その時 オレはそんな当たり前のことに気がつかないどころかトンでも無いことをしてしまった。

Y君の携帯に電話して、
「あっ、オレ...村山...今さぁ タイヤトラブルでニッチモサッチモ行かない訳よぉ...そんでさぁ スペアのタイヤホイールごと届けてくれないかなぁ...頼むよ...」
「そりゃ大変だぁ...ああっ いいっすヨー!...今、村山さんの近くに居るんすよ〜...でも、今 婚約中の彼女と彼女の両親とドライブ中だから富山戻ってホイール取りに行ってから向かいます...じゃ...プツン」
「.....................................ナニ?????..............
うおぉ〜〜〜〜っ、オレはなんてことをしてしまったんだ....
あわててY君にリダイヤルして取り消そうとしたが、電波の届かない地域に行っちゃってて不通!!.....何度かけても不通!!....まだ、時間が有るから先に他の友人に頼んでから後で断ろう....
そしてM氏に電話....
「申し訳ないけど、こうこう・こう言うわけで....」....M氏は快諾!!
なんていい人だ!!...
もう体中びしょぬれ...外では寒いのでコンビニの店員にお願いして店の中でM氏を待たせてもらった。...感謝、感謝!!
待つこと2時間....救いの神がやってきた...M氏の1ボックスカーで乾いた服に着替えてひとまず落ち着く。ようやく繋がったY君に断りと謝罪をして 小松駅の方へ...
風呂へ入りたかったが、ここでも銭湯は姿を消していた。
あきらめて、飯を食いに店へ入る。

「ありがとう! Mさん...助かったよう!」と とりあえず生ビールで乾杯!
くぅ〜っ...ウマイ!!
「ゴメンねぇMさん...ここまでくると どうしても諦められなくて....」
っと ムシャムシャ、グビグビ...おかわり.....
「で、北九州ではねぇ...島根ではねぇ...鳥取ではねぇ....」
.......ムシャムシャ、グビグビ....おかわり.....
M氏「.............今日はもう、そのへんにしとかないと....」
「.................あっ.......そうだね.....」

そういえば、Y君に断りの電話を入れた時に彼はすでにホイールを車に積んで高速道路をこちらに向かっていたんだよね....悪かったなぁ...一生言われそうだなぁ...
その日はM氏に迎えに来てもらったコンビニの脇の駐車場で車中泊....地獄に仏。

5月5日
雨は上がっている。休みを1日余裕をみといて良かった...
M氏に見送られ ゆっくりと走り出す...あと、100km...金沢、倶利伽羅トンネル...
富山県に入った。もう、着いたも同然!!陽が射してきて快適にペダルを回す。
昼頃、自宅着....ゴ〜〜〜〜ル!!!!.....1000km走覇!!
汗くさい服を脱ぎ捨て風呂へ入ってビールをキュー!!
良かった、良かった....いろいろ迷惑かけながらも なんとか走れた。
出会った人、助けてくれた人すべてに感謝!!...楽しかったなぁ...
もう、くたくた....今日はベッドで寝られる....うれしい!!

そこへ.........
トゥルルルルルルルルルッ.......っと 電話.......出ると...横浜在住富山人...
「おうっ 帰ってきたか 今、オレも富山に帰ってるんだ....今夜 飲みに行くぞ! オマエを入れて7人、割烹を予約して有るから...6時に迎えに行く...じゃ.....プツン...................」
エェ〜〜〜〜〜〜〜ッって.......マジかよぉ〜!!

その夜、梯子を重ねて午前様...服を着たままソファでグゥ〜.....
................なんていうオチだ............sigh.....

旅の途中に出会った日本一周の青年....1999年10月始めに無事宗谷岬にゴール!
三重出身の彼、帰宅途中の名古屋駅から歩覇の電話が有り、達成の興奮とこれからの自分の目指すものへの不安と希望をひとしきり語った...がんばれ!!

本州沿岸一周58才、11月無事ゴール!...手紙と同封のゴールの地方紙 新聞記事のコピーを受け取る。
富山を通過してる時点では氷見で泊まって滑川の友人宅へ行く途中に電話で繋がった...残念ながらオレも忙しくて会うことは叶わなかったが、エールを送って電話を切った。
それぞれ、オレといたのはわずか2,30分だったけど、すごく印象に残るキャラクタで有ったわけで、そのほかいろいろ出会った人たちが、普段出会う人たちより強く印象に残ることになるわけで、「やっぱ、旅は人と人との出会いだから...」ってのが、これからのオレの旅のテーマになりそうだ。

終わり....


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