■福岡〜富山ツーリング#2/3


5月2日
テントからはいだす。今日もいい天気、朝日がまぶしい...朝飯は買ってなかったので すぐさま 撤収にかかる...ちょうどザックの口を締めたところで お隣さんがコーヒーを持ってきてくれた...暖かくておいしい...
記念にとお互いのカメラで写真を撮り合い 手を振って別れた。
新聞配達と犬の散歩をしている人ぐらいしかいない静かな温泉街....
コンビニでパンと野菜ジュースを買いほうばりながら地図で国道9号線を確認する。地図では海岸線沿いなので海がもっと近いかと思ったらちょっとした高台を走っている感じだ。右手に大山(だいせん)、左手には海は見えない....
しばらく走っているとオレと同じような大きなザックを担いだ人が歩いている。
追い越し際に振り返って顔を見た.....歳の頃は20才前半、真っ黒に日焼けした顔...着ている服、履き込んだ靴、だだ者じゃない....
それから、思い直して戻り自転車から降りて声をかけた。
そうすると、思いっきりさわやかな笑顔で、日本一周してるとこだと言った。
すげぇ〜!!...歩いて?....一人で?...
それから、オレは自転車を押して彼と話しながら歩いた。
去年の8月に北海道の宗谷岬を出発して 南は沖縄はおろか与那国島でUターンして北上中とのこと...去年、なんとオレん家の前を通っている...すぐ近くのビジネスホテルに泊まったらしい。そこで、富山の印象を聞いてみると 力を入れてこう言った... 水がうまい!水道の水がうまい!...だって.....富山は新鮮な魚とか他にも旨い物があるのに ただの水道水を誉められてもなぁ...
限られた予算での徒歩旅行では贅沢は禁物でそれぞれの土地の名物も食わないし観光もしないらしい。
オレがあまりに [すげぇ〜!!] を連発するので彼は、もっとスゴイ人が2,3Km先を歩いてますよ...と言う....ナニ?...誰それ....
昨日は同じ宿で、朝に一緒に出たが先を行く重装備の彼の方が歩くペースが速いと言った。
彼と握手...住所の交換をして別れた。

10分ぐらい走ると彼が言う通りの人物が小さなリヤカーを引きながら歩いている。
声をかけると、これまた思いっきり日に焼けた笑顔で握手....なんとこの人は58才の男性....
徐にシャツをめくり「お腹なんかでてないぞ」と言いたげにお腹をさすりながら彼の今までの行程を語る。
彼は歩いて本州を...しかも、小さな岬も漏らさず 海岸線沿いに歩いているという...
彼の差し出した名刺には大きく「人生、死ぬまで 元気!!」と書かれてる。
今年の1月30日に東京は日本橋を出発して東海道、近畿、山陽、そして現在 山陰を歩いていると言う訳だ。ゴール/フィニッシュの日本橋まで6,500km...うぅ〜む...スゴイ!!...
この間、地方のテレビ局の出演多数...超ローカル有名人だ...
これから、能登、北陸をまわると言うので富山に来たときは家へ寄ってください....是非、泊まってってくださいと告げて別れた。
世の中、スゴイのがいるなぁ...
彼らのような人たちは結構いるらしくちゃんとネットワークのようなモノがあるらしい。車とオートバイ、自転車などはそれぞれすれ違いが多いが、歩いて旅する連中は同じ道を辿っていれば確実に会える。彼らの風体はいかにもそれらしく、一見して同類だと解るという。そして、自己紹介、宿交換...彼らにとって安く泊まれる宿や、キャンプ場などの情報はなにより大切なもので、出会った人に手帳に書いてもらう名前と住所は旅を終えた後の大切な宝物となるのだ。
このとき、この二人の手帳の多くの人たちの記録の中にオレが加わった。
先の日本一周の彼は「旅は人と人との出会いだ!」と言い切る。...うぅ〜む...深い..。そんなことを考えながら、ダラダラ走っていると右手の看板に「ハワイへようこそ」と書いてある。なに?ハワイ?.....
常磐ハワイセンターみたいなものかと思ったら、地名だった....
羽合(はわい)...羽合町....羽合温泉...洒落かと思った...
氷見(富山県)のマイアミ...舞網(まいあみ)温泉みたいなもんか....

鳥取市に入り走りながらまた考えた。鳥取と言えば砂丘だよな....行くか止めよか、どうしよう....せっかく来たんだし行ってみるか。時間も余裕があるし....と言うわけで砂丘に向かったのだがそこからスゴイ渋滞!! しかも砂丘だから海岸で道も楽だと思ってたらドッコイ!...登ってるじゃないか??.....やっと着いた。自転車を止めて歩き出す....
そしてびっくり!...もちろん、砂山の大きさにもびっくりしたんだけど、遠くの砂山まで人が蟻のように続いている....どうしよう....あんな所まで歩きたくないなぁ...
................でも、せっかく来たんだし行ってみるか。
重いザックを背負い、歩きにくい自転車用シューズで足がもぐるような砂の坂を登る...周りの観光客たちも愚痴をこぼしながら登っている...
ようやく登り切って見下ろすと波打ち際が遙か下に見えて大勢の人がコレまた蟻のようにうごめいている。振り向くと パラグライダーをやってるじゃないか...
こんな砂丘が自然にできるなんて信じられないなぁ....密かに市の観光課がブルドーザーで砂を積み上げてるんじゃないかなぁ....
周りがざわめくので振り返ると砂の壁面に足で大きくナントカ大学テニス部と書いてた連中の一人が足を踏み外し坂をものすごい速さで転げ落ちていく....
それにしても、その字の幅は100mか?60mか?見ていながら検討もつかない....
自転車の所に戻り近くの売店でアイスを買って食べながら地図を広げる。
しかし、この先の地形を見たら なんか嫌ぁ〜な感じ.....
予感的中!!、走り出して その後の苦しいことと言ったら もう....
あんな砂丘なんか登っちゃったもんだから結構 足に来てるっつーのにキツイ登り下りの連続攻撃!! 途中で自転車を放り出したくなるくらいだった。
日も暮れかかったところで今日の目的地の城崎温泉までの道をガソリンスタンドで聞いた。地図上ではあと30Kmくらいだ。道は山越えと海岸線沿いの二通りある。
スタンドの店員は同情するような笑みを浮かべて、へろへろのオレと自転車を交互に見ながら言った。海の方は、きつ〜いアップダウンが7,8回連続する....
山の方はドカンと、きっつ〜〜〜〜〜〜〜〜い坂が一つだけ....どうする?
その坂が一つだけのにします.....
ハンドルを引きながら歯を食いしばりペダルを踏む...こんなところで真っ暗になったらどうしようもない....外灯など無いのだ....
ようやく峠を過ぎて長い急な下りを一気に下る....寒〜い!!汗でびっしょりの体から冷たい空気がナイフで切るように体温を奪っていく....温泉だ!!この先は温泉だぁ!!....
当たり前だが下りは早い...あっという間に城崎温泉に着いた。明るいうちに着いて良かった....ホント....

ここは外湯って言うのが何軒もあって温泉の梯子ができるらしい。
早速、温泉に入ろうとその内の一軒に行ってみると たくさん浴衣に下駄の人たちが並んでる...自転車を止めて列に加わる...
それにしても、オレはちゃんと並んでいるのに入り口のおばさんに 押しのけられて どんどん後ろの人たちを先に入れてしまう。しばらくは黙っていたがさすがに頭に来て文句を言うと、不機嫌な顔をしてやっと通してくれた....後から聞くと、ここでは下駄が温泉の通行手形みたいなものらしく、優先して入れるってことらしい....要するに下駄を履いているってことはどこかの宿に泊まって居るってことで、オレのようなお風呂だけちょうだいするようなヤツは後回しってことだ。...Sigh....

きれいで大きなお風呂で暖まり心も体もさっぱり....出てくると休憩室が人でいっぱい...さっきよりまた一段と混んできた。ここで一休みしながらE-メールでも送ろうかと思ってたのに コレじゃ無理のようだ。
それより腹が減った....なんか食おう。
湯上がりのポワ〜ンとした体で自転車を押しながら温泉街を歩く....
いいなぁ....浴衣姿の往来、響きわたる下駄の音〔うるさいくらい)、緩やかな小川と柳の木、それに架かる趣のある橋、おみやげや、遊技場と書いてあるパチンコ屋と射的場....なんか温泉町の王道をゆくような所だなぁ......家族で来たいなぁ....今度....
あっ寿司屋だ!!...寿司を食おう!....
店に入ってまずビールをキューっと......お寿司をもぐもぐ....しあわせ〜!
ここんとこロクなもん食ってなかったもんなぁ〜
この時期、北陸ではとっくに終わっている蟹がまだ わんさと有る...なんで?...
さて、お腹もいっぱいになったところで、どこで寝るかな....
海岸へ行こう....自転車に乗り川沿いに下る....漁港だ...その隣にキャンプ場が有る。
結構、たくさん居る。なかなか広いところで風もなく快適だ。
隣は小学生の男の子と父親だ....アウトドアー雑誌のビーパルから抜け出たような親子だ。
テント、ランタン、テーブル、ストーブなどピカピカでおろし立ての新品みたい...
オレの様子を気にしている...ザックをほどいてテントたてて落ち着いたところで声をかけてきた....自転車でって話すと驚きながらも興味が有るようで、マウンテンバイクの購入を考えていると言った。彼は子供を寝かしつけてワインをオレに勧め、
1時間ほど 実は息子とのキャンプが初めてなこと、釣り竿を持ってきたけど釣り方が解らない....だったら、すぐそこに釣具店が有ったから 朝早く行って店主に仕掛けや餌などそろえてもらえば?...別に釣れなくても....でも、子供は釣れるつもりでいるよ....などと 話してからテントに戻り寝た。


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