青森-富山自転車旅行#2nd

5月2日 朝、8時25分に青森駅着、ここでほとんどの人が降りるみたいで 周りがそわそわし始めた

ザックと輪行バックを抱えてスムーズに降りられるだろうかと心配したが 停車時間が26分もあると聞いてホッとした

青森駅のホームに降り立ち 出口はどっちかなと振り返るといいニオイとともに立ち食いそば屋が目に入った もう、思うより先に足が向いていた一味トウガラシを入れすぎたなぁと思いながらも汁も全部飲んじゃったもんだから唇がヒリヒリさせながら改札を出た

天気もいいしイケルぞ コレは と駅前で写真を撮ってからコンビニの脇で輪行バッグを開いて自転車を組み立てる

それから、折り畳んで輪行バッグに入れてきた段ボールの箱を組み立てて それまで着ていた服と輪行バッグなど もういらないモノを入れてガムテープで封をしてコンビニから自宅あてに宅配便で送った

送った後に気がついたんだけど 洗濯物だけ送り返すなんて ナンテ馬鹿なんだ!!

ここは青森駅なんだから お土産の一つや二つ一緒に送ればよかった...もう遅い...子供たちが箱を明けてガッカリする姿がアタマに浮かんだ

それから、行動食や飲み物を買ったり大急ぎで津軽湾を見たりで青森駅を出たのが

9時半を過ぎたころだった

まずは 国道7号線で弘前市に向かってゆっくりペダルを踏み出す

天気がいいなぁ 今日は暑くなりそうだなぁと思いながら2Km程進んだ

すると、風がだんだん強くなってきた 南風だ! そう、オレは南に向かっているのだ

すごい逆風だ!!ゼンゼンスピードが上がらない

弘前市に入り出発してから40Km走った時点でメーターを見ると平均時速13.5Km/hだなんて...どうしよう...もう午後1時だ

国道沿いの満開の桜並木が揺れている...綺麗だけど鑑賞してる余裕など無い

あっちこっちに縦看板があり 弘前は桜祭りで盛り上がっているようだ

この時期に弘前に来て弘前城跡にもよらずに通りすぎるだけなんて....

オレは何しに青森まで来たんだろう...

コンビニでおにぎりを買って通りの向こうの中古車展示場のノボリの旗がバタバタはためいているのを見ながら食べた...頼むから風よ止んでくれ〜

気を取り直してまた踏み出すが南風は強くなるばかりで一生懸命ペダルを回しても一向にスピードが上がらない

反対車線をママチャリに乗ったじいさんがほとんどペダルをこがずにワハハと笑いながらビューンと通り過ぎていった

あぁ〜あ このまま青森へ引き返せばメチャメチャ早く着くだろうなぁもう、気持ちも萎えてきて足に力が入らない

前方に林檎の販売店が見えてきた

家に林檎でも送ろう 洗濯物の小包だけじゃ かわいそうだし...

そこで木箱に入った50個入りの林檎を頼んだ

林檎の香りっていい香りだなぁ なんだか急に食べたくなって店員にそれとは別に1個売ってもらえないかと聞くと「ダメ! 1個じゃ売れネ!」と言ってタダで2個くれた

それから、おまけに林檎の絵が描いてあるTシャツもくれた...Tシャツはいらないのに...

山間部に入り、風にあおられながらふらふらと砂嵐の中を飛んでくる看板をよけながら坂を登った

ようやく着いた県境の矢立峠の[道の駅]で砂だらけの口の中と顔を洗い 先ほどもらった林檎を食べた...ん〜うまい!!

こんなにうまい林檎を食べたのは初めてだ!!こんな状況だから美味しく感じるのか それともホントにうまい林檎なのか....とにかく気分も変わってちょっと元気が出た

さぁ、ここからは秋田県だ! がんばっていこう! しばらく下りだし....

ところが風が強くて普通ならペダルをこがなくても40Km/h近く出そうな下り坂なのに27,8Km/hしかでない どうなってるんだかもう...下りでも一生懸命ペダルを踏んだ

国道7号線は大館市から西向きになるので今度は強い横風に変わった

今度は自転車の脇を通りすぎる車に追い越されるごとにあおられて ふらついて車に轢かれそうになるので仕方なく歩道に上がって走る... 路地があるごとに上がったり下がったりしながら走る...でも、車に轢かれるよりマシだ

しばらくするとだんだん風が弱まってきたので車道に出る...

うれしい〜スピードメーターは27〜30Km/hっていうところだ

鷹巣町に着いた...ここが思案のしどころだ...このまま国道7号線沿いに能代をまわって

秋田市に向かうか、それとも距離的には20Km程 短いが秋田峠を越えていくか...

もう夕方の5時過ぎだというのにここまでの走行距離は120Kmくらいだ

今日はどうしても秋田市の近くまで行きたい

後、60Kmぐらいは進んでおかないと、...でないと明日が辛い...

近い方の峠越えを選んだ...ナイトラン(夜走ること)必至だ!!

地図で見たとうりそれほどきつい坂ではないが かなり疲れてる

その割りに足はしっかりしているので心強い

途中でラーメンを食べた...そこで食べなければその後40Km何も無かった

ラーメンはスゴクまずかった...まずくて良かった...うまいとスープまで飲んじゃうんでお腹が苦しくなり自転車を漕ぐのに影響するかもしれない

お店を出るともう陽が落ちて真っ暗になっていた

小さなライトを付けて峠を目指す...だんだん民家が無くなり街灯も無くなった

昼間、あんなに天気が良かったのに月も出てない

しかし、なんてヒドイ道なんだ車の轍の跡が波のようにうねっていて所々穴が開いている

自転車の小さなライトではとても頼りなくて道のでこぼこが解らない

真っ暗な中をようやく峠のトンネルが見えてきた...

一つも明かりが付いてないトンネルだ

トンネルに入って下り始めた時、車が4台連なって向かった来た...その車とすれ違った瞬間、目がまったく見えなくなった...ブラックアウトってヤツだ...慌ててブレーキをかけたが自分がいったいどこへ向かっっているのかまったく解らなかった

どこへもぶつからずに止まれて良かった...それでも何も見えないのでしばらく一歩も動けなかった

車とすれ違うときにヘッドライトのハイビームをまともに見てしまい瞳孔が開いちゃったんだ

こんな所で怪我して動けなくなったらと想像しただけで体が震えた

その後の下りをブレーキをしっかり握ってゆっくりと降りた

その途中、8回もガタンと前輪が穴ボコに落ちて、その度に心臓が飛び上がった

ようやく民家が見えてきて街灯もぽつりぽつりと増えてきて暗黒世界から人間世界へ

戻ってきた... 肩の力が抜けた

五城目町に入ったところでコンビニを見つけた...

「もうダメ、もう走れない...」 酒と書いてある看板を横目で確認してから口に出してそう言った

コンビニでおにぎりとソーセージと明日の朝食べるパンを二個(普段 絶対買わないクリームパンとチョコレートのかかったクロワッサン)と

ビール3本とスルメを買った

さて、どこにテントを張ろうかなとフと見るとちょうどよい避難所と書かれた公園があった

目立たないように木の影に行きザックを下ろしかけたとき..ワンワンワンッとものすごい犬の吠える声...となりの家の犬だ...しかも、それにつられてアッチコッチで他の犬も吠え出した

ご近所の皆さんが家から出て来やしないかと 急いで逃げた

コンビニの袋を下げてしばらくウロウロしたが なかなか良いところが見つからず

先ほどの避難所の近くにかかってる橋の下がスゴク良さそうに見えた

イヤ!ダメだ!そんな所で寝ようものなら もう元の世界に戻れないかもしれない

いつのまにかテントが段ボール箱になり「パパを探さないで...」なんていう手紙を書いてしまうかもしれない...

そんなことを考えながら歩いているとまた公園があった

ここはご近所の犬は吠えないが きっと犬の散歩コースに違いない

今日はここでテントを張って、明日の朝はなるべく早くテントをたたもう

ザックを下ろし、テントを張る場所をライトで念入りに確かめてからテントを張った

犬のウンチの付いたテントをザックに入れて背負うのはゴメンだ

テントの中でおにぎりをほおばりながらビールを飲んだ

クゥ〜 ビールがうまい! 口の中でビールとご飯粒が交ざりあい絶妙な....もうどうでもイイ...とにかくうまい!

お腹も落ち着いたところでラジオを聞きながら地図で現在位置を確認した

八郎潟の近くだ...今日の走行距離180Km...しかし、今日はひどかったなぁ...

ラジオの天気予報によると明日も晴れ、南東の風やや強し...

[やや強し]ってどれくらい強いんだろ

明日はなるべく早く走り出そう...ナイトランはもうゴメンだ

その後、ビールを飲みながら携帯電話で富山の友人に今日のコトを一頻りグチってから寝た


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