新歓パーティー
僕はとても大きな大学の学生だった。1クラス100人くらいいるだろうか。半数近くは外国人だ。入学してまだ日の浅い時期だった。
僕はクラスの人たちがもっと打ち解けるといいなあと思って、パーティーを企画した。
校舎には坂のベランダがあり、登り切った所が広場になっている。コンクリート打ちっぱなしの建物だけど、そこに来ると満天の星空が見えるのだ。
コンパの夜は満月のおぼろ月夜。パーティー開始時間に20人くらい集まってきた。
僕の他は皆外国人だった。異邦人達はパーティー好きだし、みな異国から単身留学して来てるので友達を作りたいのだろう。目の色も肌の色も性別も年齢もまちまちだった。
何を喋ってるのか分からなかったけど、皆仲良くなりたい気持ちが一致してるので、さっそく楽しく盛り上がっていた。
教室に戻ると日本人学生が20人くらいは居残っていた。女学生達は2〜3人グループを作って喋っていたけど、他グループと交流を持とうとする雰囲気はなかった。
今日はパーティーなので何気に気分が浮かれてるのだろうが、パーティー会場に行くのは恥ずかしいのかプライドが許さないのか良く分からないが「日本人ってこうだよなあ」って僕は思ったのだ。日本人女学生達をパーティー会場に誘う気分にもなれなかった。
すると僕のPHSが鳴った。出てみると見知らぬ年増の女性からだった。
「小坂ですけどうちの息子がまだ家に帰って来てないのですが知りませんか?」
僕はまだクラスの人の名前と顔が一致してなかったので、ちょっと困った。それになんで僕にかけて来るんだ?
教室を見回すと、タイゾウ議員に似た頭のすこぶる悪そうな学生が目にとまった。5,6人でカールを食べている日本人男子学生の姿はリアルに精神年齢の低さを露呈していた。「これで二十歳なのだろうか。ほとんど小学生だ」と僕は感じた。
「小坂君ですか?」
僕は彼に話しかけると、やはりそうだった。
「お母さんが心配してるよ」
と電話を彼に差し出した。
親切をした清々しさよりも、沸々と苛立たしさが沸いて来た。
一件落着して僕はパーティー会場に戻った。
屋上のパーティー会場では各国の定番の家庭料理が紙皿の上に乗っかっていた。
僕は外国の言葉が全く分からないのにみんなと喋っていた。
夜空は大きくて、満月と星達が会場を照らしていた。
世界中の人たちと語らい、パーティーは最高に楽しかった。みんなも楽しそうだった。企画して良かったと思った。
投稿日時: 土
- 4月 15, 2006 at 11:25 午前