Real Fantasia![]() ![]() 『Real Fantasia
black #02
』
ARCHES 356g 648mm×1016mm, Hybrid Fine 06, 2009.09.14-10.21 『Real Fantasia silver #02 』 ARCHES 356g 648mm×1016mm, uni-ball Signo 08, 2009.09.14-10.21 『REAL
FANTASIA』
このタイトルはかつて展覧会でボツになったものです。 新宿西口地下道段ボールハウスに絵を描いてる頃、僕は目には見えない不思議な「なにか」が「ここに在る」と感じます。 なんだか分らないのですが、とりあえずそれを「精霊」と呼んでいました。 ある時、見知らぬカメラマンが段ボール村で写真を撮ってました。彼は僕にこのようなことを言いました「日本全国の霊的な場所を撮っている者なんですがね、ここに何か精霊のようなものが居るような気がしたんです」と。自然の中にある霊地を撮っていたそうですが、ふと通りかかった大都会の地下にもそんな感じがしたそうです。そのカメラマンとはそれっきり会ってませんが。 そこで僕は、自分の「ここに何か居る」という感覚はまんざら嘘ではなさそうだなあと思ったのでした。 それから僕は「霊的なもの」に興味を持つようになります。 僕が感じる「霊」というのは、幽霊とか妖怪とかのヴィジュアルエンターティメントもしくはイリュージョンやオカルトめいたものではなく、もうちょっと身体、大地から来るようなものでした。「新宿西口地下ロータリーはさながら巨大な子宮のようである」ことと、「ここに精霊が居ること」はとても強く関係してると思ったのです。 目の前に見えているのはダンボールハウスだったり人だったり地下道の床のタイルの継ぎ目だったり広告看板だったりするのですが、それとは違う「何か」もそこには確かに居てそれはこれらの可視化されている事物と密接に関係してるのです。 A:可視(現実)→目に映ってる事物そのもの B:不可視(霊的なもの)→目に写っているものがあってこそなのだがそれ以外の要素があるもの、空気感、磁場、匂い、音、なんらかのエネルギーみたいなもの その後僕は「精霊」を求めるようなります、東京大学駒場寮、神戸被災地テント村「しんげんち」それらも「精霊」が居るかどうか、が僕の最大の関心ごとでした。 東京大学駒場寮ではうっすらと感じた事は確かですが「精霊」よりも「生霊」が多く居るような気がしました。 被災地神戸ではやはり亡霊を感じました。累々とある屍の上に自分は居るようなそんな感じでした。その屍の上を生者たちは必死になって生きようとしていて、それはダイナミックに生と死が入り混じった混沌で、それがむしろ自然なような気がしてきたのです。食べる、呑む、踊る、風景の中で、累々とある屍の上で。そこにあるのは目に見えることと霊(死)の境い目の消えたなんとも美しい風景でした。 切なくて苦しくて痛くて辛くて悲しくて哀しくて、美しくて、美しすぎる風景に僕は居続けてたんだと思います。 神戸に居るあたりから、そんな思いを絵の中に描きたいと強く思うようになりました。 今まで描いてきた絵は「感性を爆発・解放させる」ことだとすれば、真逆と言っていい方向「全世界を絵に封じ込める」に変わっていこうとしたんです(今思えば)。 目に見えるものと目に見えないもの。現実の世界と霊の世界、リアルとファンタジー。 しかし当時は絵にそのような世界は顕われてくれなかったのかも知れません、かつて展覧会で提示したこのタイトルはギャラリーのオーナーに一笑されてボツになりました。 今回、十余年に渡る積年の思いをシリーズタイトルにしました。 ここには書きませんがいろいろな結実しなかった努力や時間がこのタイトルには込められています。それら心血注いだ事柄を無駄にしたくない。 そして、僕は今もずっと、時を超えて、時に取り残され、あの美しすぎる風景の中に暮らし、これからもずっと、ここに暮らすと決めたのです。 未来に向かって、 哀しくて、痛くて、切なくて、悲しくて、美しくて、美しすぎる風景の中に。 |
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