ハウルの動く城



今になってやっと観る。
う〜〜〜〜〜ん。う〜〜〜〜〜ん。
誠に残念ながら、つまんない。

地味めの色を使いながらもその中で色彩を持たせている色使いの素晴らしさ。キャラクターの設定も面白いし、表情はとても魅力的でこれ以上ないくらいだ。アニメーションの動きも細かい所まで行き届いた素晴らしいモーション。どのシーンをとっても「いい絵」の連続。これぞジブリアニメーション。
なのに、つまんない。なんか決定的な魅力がない。世界に誘われなかった。

話しがバラバラ。伏線がその後「パンッ」と合点に達しない感、満載。
ハウルとソフィーの心がどうにもさっぱり理解出来ない。心情描写が唐突すぎて「?」「意味不明」な感じになる。

まず、ハウルはどんな人だったのかが分からない。
謎めいた青年である事はいいんだけど、それがどうしてそうなったのか、なぜ今それをしているのか、そしてハウルの本心はどうなのか、何も分からない。ミステリアスとして演出してるから分からない、という感じではなく、しっかり物語ってくれてないから分からない感じなのだ。

ソフィーはハウルをホントに愛したのかもわからない。サリマンと荒野の魔女もハウルを求めてるから女3人による男の奪い合いでもあるんだろうけど、それも分からない。恋愛してるんなら恋でも愛でも心のポテンシャルがもの凄く高くなるはずなのにイマイチみなそんな感じでもないし。要するに「愛してる」というリアリティーが感じられない。「ハウルと突然出会って空を歩き、恋に落ちるソフィー」は現実的にはあり得ないけど、分かり易くステキだ。後はどうも意味不明。確かに女性は意味不明なこと言ったりやったりするけど。そういう「女性の意味不明」のリアリティーがある訳でもない。流れをはしょりすぎて意味不明なのだ。

戦争という状況の必然性も物語からは感じ取れない。それにハウルが戦争を厭がる気持ちも分からない。戦争が厭ならもっと「戦争は嫌いだ!」感が出てもいいのに、「ホントはどっちでもいいんじゃないそんなもん」って思えてしまう。ん?そういう狙いなのかなあ?

不親切というか、説明不足というか、もっと丁寧に物語ってあげればいいんだろうけど、どういう訳かそういったことが一切省かれてる。
要素はとてもステキなので尚更ガッカリ感が高まる。プロットが点在してるだけに感じちゃう。ブレヒトみたいに「カタルシスを拒絶する」意図で作られてるとは思えないし、「物語りの破壊」をわざとやってるようにも感じれない。

長いダイジェスト、みたいな、予告編を繋ぎ合わせて終わっちゃったみたいな。吸引力っていうか求心力っていうか、それがない。城と同様、断片の寄せ集めだ。これだったらいっそのことハウルの城をはじめ、登場人物と風景が音楽に合わせて素晴らしいアニメーションが展開される映像作品にしてしまった方がスッキリする。ディズニーのファンタジアみたいに。そうすれば要素は音に併せて散りばめられた宝石のように輝くだろう。

もののけ>千と千尋>ハウル、スゴイ勢いでつまんなくなってる。マズいな〜。
どうしたんだろ?
宮崎駿、ヨイヨイになっちゃったのかな?
年老いて、もう言いたい事なんてなくなってしまったのだろうか。
宮崎駿の「趣味」とジブリの「技術」を観ただけだったような。(もちろんそれだけでも見る価値はあるけどさぁ)


宮崎駿は大好きなので、「本当は面白いはずだ」と思って、あれこれ考える。

何がテーマだったんだろう?
血のつながらない人たちが共同生活を送る。
高齢化社会に向けた「グループホーム」の提案だったのではないだろうか。
と、思う事にしよう。

のちのち「ハウルの動く城」に出て来た「問題を抱えた人たちによる疑似家族(共同擁護生活)」は大きなテーマとして浮上するだろう。

けど、やっぱり「う〜ん、なんだかさっぱりワケが分かんない」これが率直な感想。

投稿日時: 金 - 3月 17, 2006 at 12:09 午前          


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