キリクと魔女/ミッシェル・オスロ



映像が奇麗!
オオククリで言うと「寓話」なんだろうけど、ある意味世界寓話の総集編という感じもして、一気に観せられてしまう。
主人公キリクは自分の力で産まれて、自分で自分の名をなのり、自分でへその緒を切って登場する。
天上天下唯我独尊のスタイルで誕生した仏陀を思い出してしまった。
ただ、母があまりにも冷たい(個を尊重する?)ような発言を連発するのでちょっと「なんだかな〜」って思ってしまうのだが、それもまた見るものを惹き付ける演出のようで見てしまう。(「(都市ではなく)村(ムラ)」の人間があんなに子供を粗末に(個人主義的に)扱うはずがない。むしろ子供は共同体で育てるはずだと思う。なんとなくだけど)
だからこそ、キリクはちょっとフツーと違う子供として大活躍するんだけど。

絵が奇麗で、(シルエットの)デザインもとても美しい。
いろいろ現代的でありながら、おとぎ話(流行るだけの娯楽消費物とはチト違う)のようで、そこがやっぱり逸品だと言えるだろうなあ。
けど、アフリカ人を主人公にしてるけど、この作者、白人だったら凄く「厭だなあ」と内心思いながら観た。
子供をいきなり「個人」として扱う所に【「ムラ」より「個」を尊重する方が進歩した人類の形である。つまり、アフリカ人的共同体は遅れてる】っていうニュアンスが色濃く出ていて、いわゆる「民主主義進歩思想」という傲慢を感じてしまったのだ。
確かにムラ的共同体庶民は描かれる通り、悲しいかな愚かではあるけど。
特に、植民地支配した国の人間が植民地の人間を題材に描いてるとしたら、
なんだかことさら素直に喜べないなあ。
厳然とした差別意識と上から見下ろす啓蒙的思考を持ちつつも、植民地に対し、ある愛を持った(ふり?)まなざしで描いた作品ってことになりかねない(てか?)

で、ちょっと調べた。
監督:「ミッシェル・オスロ」・・・フランス人
モチーフとなってる場所:「ギニア」・・・フランスの植民地(1958年に独立)

ううっ、ドンピシャリ厭な予感的中だ。。。

う〜ん、う〜ん、悩む。

文化とは搾取でもある。被支配国が文化を搾取されて、それが大々的に流布され、それによって解放たり(或はただ単に利用されたり)、
搾取する側の圧倒的経済力で(皮肉にも)大事に保管されたり。

僕はディズニーが有色人種を主人公にしてファンタスティック(エキゾチック)感を出し、薄っぺらなヒューマニズムをかざすアニメがすごく嫌いだ。
ましてや、侍魂をアメリカに描かれるなんて、それがどんなにカッコイイハリウッド俳優が主人公であろうとも屈辱以外の何ものでもない(それを日本人が喜んで観るとしたらもはやあいた口もふさがらない)、と感じてしまうのだ。


でも、観てよかった。とても参考になりました。

投稿日時: 水 - 5月 26, 2004 at 02:22 午前          


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