舞 台
写真集
太地 喜和子 没後15年  没後10年 杉村 春子
記念出版
日本の演劇史上、不世出の女優
その輝かしい舞台をここに再現
 技巧の花、杉村春子。天然の花、太地享和子。舞台に咲いた2輪の名花の最晩年を追った舞台写真家、清水博純が写真集『女優伝説』を先ごろ刊行した。今、あのころの熱気がよみがえる。
 写真集は、カラーとモノクロ合わせて100点弱を収録する。杉村が「絹布の法被」「華岡青洲の妻」、太地が「山ほととぎす ほしいまま」「唐人お吉ものがたり」の各2作。
 清水は30年前の銀行員時代、劇団四季の日下武史の演技にひかれた。「この息づかいを写真に残したい」。日下を撮るうち、ファインダーをのぞく目に、共演する太地の姿が突き刺さってきた。演目は91年の「山ほととぎす〜」。「まさに大胆不敵な大輪の花だった」。92年9月の「唐人お吉〜」も撮影したが、ひと月後、太地は事故死する。
 清水は撮影意欲を減退させたが、杉村との出会いが、これを救ったという。「老いを意識されていた杉村先生の所作の美しさは、繊細を極め、絶品でした」。95年の「絹布〜」、96年の「華岡青洲〜」と立て続けに撮った。
 「舞台を知らない人にも、日本の美しさを構成する2俳優のすごさが伝わるはずです」。
1800円。一草舎(026・223・4700)。(米原範彦)

『朝日新聞』07年12月22日

A5判 保存判
秘蔵写真100点収録
(うちカラー40点)
定価 1,800円
(本体 1,714円+税)
二大女優を忍ぶ
戌井 市郎(文学座代表)
想い出を語る
榎木 孝明  加藤 武  川辺 久造  高橋 礼恵  八木 昌子
プロファイル
杉村 春子
明治39(1906)年広島県生まれ。築地小劇場より始まり文学座に至る日本の演劇界の屋台骨を支え続け、「女の一生」「花岡青州の妻」等で活躍。演劇史に大きな足跡を残した、文字通り日本を代表する新劇女優。平成9(1997)年没。享年91歳。
太地 喜和子
昭和18(1943)年東京都生まれ。俳優座養成所を経て文学座に入団。「近松心中物語」「唐人お吉ものがたり」等で活躍。文学座の大女優・杉村春子の後継者として期待されるなか、事故によりこの世を去った。平成4(1992)年没。享年48歳。
撮 影 清水 博純
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