過去の主なニュース


白金触媒によるアリルアルコールの直接アミノ化反応
  • "Direct Use of Allylic Alcohols for Platinum-Catalyzed Monoallylation of Amines" と題します論文が Org. Lett. 誌にacceptされました(2008/02/02)。




(+)-Cylindricine Cの短工程触媒的不斉全合成
  • 不斉相間移動触媒TaDiASによる触媒的不斉Michael反応とタンデム反応(ドミノ反応)を組み合わせることで、(+)-Cylindricine Cの6工程での触媒的不斉全合成を達成しました。本研究成果をまとめた論文がAngew. Chem. 誌のHot Paperに 選ばれました。 全合成を達成するためには、望みの基質で望みの反応が進行しなくてはなりません。ただ単純に反応開発するだけなら、触媒系にあった基質を選ぶこともできま すが、全合成を目的としているため、基質を変えるという妥協はできません。今回もエノンを基質として用いると、その反応性の高さのために不斉収率が大幅に 低下するという問題点がありましたが、これを触媒の立体的チューニングによって乗り越えました。続くタンデム反応は、ジアステレオ選択性の低さを金属塩の 添加によって解決しました。紙の上に書いた逆合成通り、タンデム反応によって一挙に三環性の化合物が得られた時は本当にうれしかったです。
  • アイデアを実現 してくれた三原君(D1)、渋口君(D3)に感謝します。




亜鉛クラスターによる触媒反応
  • 新規亜鉛4核クラスターを触媒とする、エステル、ラクトン、カルボン酸からの直接的なオキサゾリン環構築反応に関する論文がChem. Commun. 2006, 2711-2713に掲載されました。 官能基化された不斉配位子のライブラリーを構築しようと検討していく中で、新規に開発した亜鉛4核クラスターが非常に高い触媒活性を示すことを見いだし、 これまで実現されていなかった、エステルおよびラクトンからの直接的なオキサゾリン環構築反応が可能となりました。特に興味深いことは、ニトリルやエステ ルが存在していても、カルボン酸が選択的に反応するということです。本触媒系は、活性中心に二つの亜鉛イオンを有するエンドペプチダーゼのように、複数の 金属が協調的に機能しているのではないかと考えています。オキサゾリン合成の第1段階はアミド結合形成反応であり、また、大過剰のメタノール存在下ではア ミドのエステル化が触媒的に進行していることから、今後、触媒的アミド化剤、人工小分子ペプチダーゼの創製に繋がる触媒系ではないかと期待しています。 (現在D1の岩崎君を中心とするチームで研究展開しています)。




アルデヒドの触媒的不斉アルキニル化反応
  • "Asymmetric Alkynylation of Aldehydes Catalyzed by a In(III)/BINOL Complex" と題します論文がJ. Am. Chem. Soc.誌 にacceptされました。脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド共に基質として用いる事ができる点が大きな特徴となっています。In(III)種は吸湿性 を示すものが多いですが、In(III)-BINOL系とする事で、open-airでもAr化と同じ活性および選択性を示す事ができ、不斉化のみなら ず、実用面での向上も図られています。ここまでくるのに論文には書かれていない色々な苦労があったのですが、D3の滝田君がねばり強く検討したお陰で、 (自分たちで言うのも何ですが)最終的に優れた触媒系を開発する事ができました。
  • ページ番号がつきました(J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 13760-137761)。




α,β-不飽和エステルの触媒的不斉エポキシ化反応
  • "Catalytic Asymmetric Epoxidation of ,-Unsaturated Esters Using an Yttrium-Biphenyldiol Complex"と題します論文がJ. Am. Chem. Soc.誌 にacceptされました。触媒的不斉エポキシ化反応の検討をずっと行ってきましたが、自分にとっては不飽和エステルのエポキシ化が最終目標でした。今回 は触媒金属の選択も重要でしたが、不斉配位子のチューニングが鍵でした。これまでの触媒系との明らかな違いも見いだされており、リンカー上の酸素の役割が 興味を引きます(J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 8962-8963)。。




触媒的不斉Michael反応による連続不斉4級-3級炭素の構築
  • "Enantio- and diastereoselective construction of vicinal quaternary and tertiary carbon centers by catalytic Michael reaction of -substituted -keto esters to cyclic enones"と題します論文がTetrahedron Lett.誌 にacceptされました。先にα無置換のβ-ケトエステルの環状エノンに対する触媒的不斉Michael反応を報告していましたが、今回、基質としてα 置換β-ケトエステルを用い、エナンチオ、ジアステレオ選択的触媒反応を行う事で、連続する不斉4級-3級炭素を構築する事ができるようになりました。立 体的にかなり混み合った位置で反応を立体選択的に進行させなくてはならないため、従来よりも不斉空間の大きいN-linked-BINOLをデザインし反 応に用いました。今回の論文ではdr、ee、絶対配置、相対配置の決定にかなりの労力が費やされました。不斉収率はまだ満足のいくレベルではありません が、そのがんばりに感謝したいと思います。(Tetrahedron Lett. 2005, 43, 5377-5381)




La-Li-BINOL錯体のDinamic Self-Assembly
  • "Dynamic Structural Change of the Self-Assembled Lanthanum Complex Induced by Lithium Triflate for Direct Catalytic Asymmetric Aldol-Tishchenko Reaction" と題します論文がChem. Eur. J.誌にVIP (Very Important Paper)としてacceptされました。LiOTfの添加による動的なself-assemblyの変化によって、反応の触媒活性を制御していること が分かりました。徳島文理大学香川薬学部の山口健太郎先生にご協力頂き、不斉触媒のX線結晶解析を行ったところ、La-Laの二核の錯体であることも分か りました。(2005/5/13) 光栄な事に本論文がChem. Eur. J.誌のfrontispieceを飾る事になりました。下 の五線譜でLLBからLa-Laの二核錯体への構造変化、上の五線譜でAldol-Tishchenko反応のエネルギー相関図を表しているつもりです。 最初は何かメロディーになるようにも考えましたが、エネルギー相関図とマッチするメロディーが思い浮かばなかったので、五線譜をゆがめたりしながら、ごま かして描いています。
  • やっとページ番号がつきました(Chem. Eur. J. 2005, 11, 5195-5204)。






TaDiASを用いたエナンチオ、ジアステレオ選択的触媒的不斉Mannich型反応
  • "Enantio- and Diastereoselective Catalytic Mannich-Type Reaction of a Glycine Schiff Base Using a Chiral Two-Center Phase-Transfer Catalyst" と題します論文がAngew. Chem. 誌にacceptされました。本方法論を用いることで、光学活性α,β-ジアミンをエナンチオ、ジアステレオ選択的に合成することができます。徳島文理大 学香川薬学部の山口健太郎先生にご協力頂き、不斉触媒TaDiASのX線結晶解析にも成功しました。この結果を基に、さらなる触媒の構造最適化を行ってい ます。(Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 4564-4567)




Dual Activation によるカルボニル化合物の触媒的アルケニル化反応
  • "A New Entry in Catalytic Alkynylation of Aldehydes and Ketones: Dual Activation of Soft Nucleophiles and Hard Electrophiles by an Indium(III) Catalyst" と題します論文が Org. Lett. 誌にacceptされました。触媒量の金属しか使用しないことを大前提に、金属のスクリーニングから初めて新たな触媒系を開発することができました。博士課程の学生である滝田君のがんばりの成果です。今後更に大きく展開できる触媒系だと考えています。(2005/3/1)




  • 上記論文がScience. 誌のEditor’s Choiceで紹介されました(Science 2005 308, 19)。



CHEMISTRY: Double Duty
Strategies for homogeneous catalysis of bimolecular reactions tend to focus on activating only one of the two reactants. Recently, several bimetallic systems have been developed for dual activation, but the interactions between the two different catalytic sites are often difficult to predict and control. Takita et al. show that a single trivalent indium catalyst can activate both nucleophile and electrophile in the same reaction mixture under relatively mild conditions. The reaction involves the addition of terminal alkynes to aldehydes or to ketones, and it generally requires deprotonation of the alkyne with stoichiometric organometallic base. The catalytic In(III) salt assumes this role in the presence of an amine base, and, at the same time, it acts as a Lewis acid to activate the carbonyl electrophile. Evidence for this dual function comes from infrared and nuclear magnetic resonance spectroscopy. The reaction proceeds under solvent-free conditions and produces high yields from aromatic aldehydes, which have resisted alternative approaches. InBr3 works best for aldehydes, whereas ketones require the triflate salt In(SO3CF3)3.


ランタノイド金属の特性を活かした連続反応の開発
  • "Dynamic Ligand Exchange of the Lanthanide Complex Leading to Structural and Functional Transformation: One-Pot Sequential Catalytic Asymmetric Epoxidation-Regioselective Epoxide Opening Process" と題します論文が J. Am. Chem. Soc. 誌にacceptされました。題名にもありますが "Dynamic Ligand Exchange" によって高活性な反応種が生成するのが鍵となっています。(2004/12/14)
  • J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 2147-2155.




Review
  • 薬学会奨励賞の受賞対象となった仕事をChem. Pharm. Bull.誌にReviewとして投稿いたしました(Chem. Pharm. Bull. 2004, 52, 1031-1052)。柴崎研に戻ってきてからの5年間の仕事をまとめることができ、一区切りつけることができました。ともに苦労してきた共同研究者に改めて御礼申し上げます。別刷りが届いておりますので、時間ができ次第送らせていただきます。




Direct Catalytic Asymmetric Aldol反応の新展開
  • 柴崎研究室で世界に先駆けて開発に成功したDirect Catalytic Asymmetric Aldol反応は、現在では最もアトムエコノミーの高い反応の一つとして認知され、世界中で活発に研究が展開されていますが、ドナー側の基質が methyl ketoneタイプに限られていました。我々もethyl ketoneタイプの基質を用いてこれまでに様々な検討を行ってきましたが、いずれも満足の結果が得られず、そもそもaldol反応が進行しないのではな いかと考え始めていました。しかしながら、それは速いレトロ反応が進行するためであることが分かり、可逆なaldol反応と非可逆なTishchenko 反応を組み合わせることで、この問題を解決することができました。また、本反応にはLLB触媒に3当量のLiOTfの添加が最も効果的であったため、これ までのLa(O-i-Pr)3から調製したLLBにLiOTfを添加する方法から、より取り扱い容易で入手容易な La(OTf)3とBINOLとBuLiとから調製する新規触媒調製法を確立することができました(反応性、選択性も向上)。J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 7782-7783 (04/06/04)
  • 今回新規に開発したDirect Catalytic Asymmetric Aldol-Tishchenko反応は、これまでほとんど合成例がなかった様々な2-alkyl-1,3-diaryl-1,3-diolを高い収率・ 選択性で合成することが可能です。化合物の新規性が高かったため、その絶対配置の決定に大変苦労いたしましたが、山之内製薬株式会社分析代謝研究所の森啓 太郎様、中原英昭様に御協力いただき、最終的にX-線結晶構造解析によって確定することができました。この場をお借りし心より感謝申し上げます。また、有 用なご助言と情報提供をいただきました、山田徹教授(慶應義塾大学理工学部化学科)、Janine Cossy教授(Laboratoire de Chimie Organique、ESPCI)、Dolores Badia教授(Facultad de Ciencias, Universidad del Pais Vasco)に感謝申し上げます。




不斉相間移動触媒TaDiAS市販化決定
  • 我々が開発した不斉相間移動触媒TaDiAS (Tartrate-derived DiAmmonium Salt)が和光純薬工業株式会社より販売されることとなりました。詳細は現在配布中の和光純薬時報(April 2004, vol. 72 No.2)をご覧下さい。(04/04/17)




Aeruginosin類の触媒的不斉合成とその生物活性
  • 先に相間移動触媒反応と触媒的不斉エポキシ化反応を鍵反応とするAeruginosin 298-Aの触媒的不斉全合成を報告していましたが、今回新たにいくつかのアナログ合成を行いました。北海道大学の沖野龍文先生にご協力いただき生物活性 評価を行い、いくつかの興味深い知見を得ることができました。今後はこれらの結果をもとにより強力かつ選択的なAeruginosin誘導体の開発を行っ ていきたいと思っています。(03/12/13)
  • ページ番号がつきました(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2004, 101, 5433-5438)。(04/04/17)




 

  
Copyright (c) 2002-2008 Takashi Ohshima. All rights reserved.