飲酒とその影響

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 近年、日本におけるアルコール消費量は増え、日本人(全年齢)の約52%がアルコールを飲み、そのうち3.1%(約200万人)にアルコール依存症があると言われている。アルコールによるパフォーマンスの低下につては、特に航空医学ではよく研究されており、パイロットでは飲酒後8時間は飛行してはならないことになっている。
 血中アルコール濃度20〜40mg/dLで作業能力が影響を受ける(眼の動きの円滑さがなくなる、視野が狭くなる、注意力が散漫になる、微細な動きが鈍くなる)。また夜間の視力の低下が認められている。

道路交通法では、30mg/dL(呼気中アルコール濃度0.15mg/L)以上を『酒気帯び』運転と定義し罰則を設けている。また50mg/dL(同0.25mg/L)以上ではさらに重い罰則を適用している。


 体重60kgの人がビール350mLを飲んだ場合、血液中からこれが完全に消失するまでには、約3時間かかる。500mLの缶ビール2本を飲んだとすると、血液中からこれが完全に消失するまでには実に7時間以上かかることになる。
 酒に酔って寝込んでしまったような場合(下の「泥酔」状態)、血液中のアルコール濃度は300mg/dL近いかもしれない。アルコールが血液中から完全に消失するまでには、この場合には実に20時間近くを要する。午後9時頃こんな感じだと翌日の午後5時まではアルコールが血液中に存在している。
 こうなると通勤や勤務時間中の自動車の運転は違法だろうし、仕事そのものもデスクにコーヒーの代わりに缶ビールをおいて飲んでいるようなものであり、常識では理解しがたい。翌日も仕事があるような人は、飲酒はほどほどに!

血中アルコール濃度
 =(飲酒量×アルコール濃度×10,000)/(体重×75)
(単位:血中アルコール濃度mg/dL、飲酒量mL、体重kg)
アルコール濃度については、1%を0.01、100%を1として計算する。

国内における各種アルコール飲料のアルコール濃度(容量%)
酒税法上、1%以上のアルコールを含む飲料を酒類とされている
清酒15〜20%
合成清酒15〜20%
焼酎20〜45%
みりん13〜23%
ビール3〜8%
果実酒類8〜14%
ウイスキー類37〜43%
スピリッツ類38〜70%
リキュール類13〜70%
雑酒発泡酒、粉末酒、その他

血中アルコール濃度の減少率は1時間あたり15mg/dL
  適量飲酒者15±1mg/dL/時間
大量飲酒者20±4mg/dL/時間

血中アルコール濃度と行動の変化
変化なし 血中濃度100mg/dL以下
精密作業では大きな影響を受ける。
味覚・嗅覚の低下からはじまり、視機能の低下、痛覚閾値の低下が見られる。
道路交通法では30mg/dL以上で「酒気帯び運転」
ほろ酔い 血中濃度100〜150mg/dLくらい
大声で饒舌になるが、人格の変化は見られない。
酩酊 血中濃度200〜300mg/dLくらい
行動抑制が効かなくなる。
平行機能が障害され千鳥足になる。
泥酔 血中濃度400mg/dL以上
意識が混濁し、意味不明のことを話し、寝込んでしまうこともある。
行動は著しく乱れる。嘔気・嘔吐がある。
昏睡血中濃度500mg/dL以上
意識喪失。顔面蒼白、呼吸・心拍の乱れがある。
時に、死亡することもある。


参考資料:
  1. 黒田勲 「労働安全と薬剤」(「働く人の安全と健康」VOL3 NO.6 p.82 - 87)
  2. 山田高路「アルコールの法医学」(「新基礎法医学・医事法」南江堂 p.187 - 192)
  3. 法庫:http://www.houko.com/