Children of Men (トゥモローワールド)
06/11/26 14:08 GenreDrama, SuspenseGenrePermalink

2006 アメリカ=イギリス
監督:アルフォンソ・キュアロン
原作:P・D・ジェイムズ
脚本:アルフォンソ・キュアロン、ティモシー・J・セクストン
出演:
クライヴ・オーウェン セオ・ファロン
ジュリアン・ムーア ジュリアン・テイラー
マイケル・ケイン ジャスパー・パルマー
クレア=ホープ・アシティー キー
2027年、イギリス。人類に子供が産まれなくなって18年。全人類が共有しうる悲しみのはずが、醜くも政治抗争を続ける人々。国家対難民という現イギリスを取り巻く社会現象を圧倒的なインパクトを持って描く、未来社会から見た現代。ありきたりな少女神話でもキリストの再来でもない、SFという固定観念を瓦解させる映画が誕生した。
映画は全編を通してセオの体験を追随する。そして、観客はセオの行動やセオが見ているものをただ注意深く観察することができる。まさにその点がドキュメンタリー的なのである。ただ臨場感があるからではないのだ。そのような性格を帯びた映画であるので、「ああなったのでこうなりました〜子供は大切にしましょう」のような、安易な言説で映画をまとめたりしないのだ。ストーリー展開を楽しんだり、エキサイティングな映像を楽しんだりするだけではなく、視覚、聴覚的に限りなく体験している感覚に近い状態、観察を通して気付き思考することができるのだ。
また、既製の物語の再現とならないような意図的な設定が多く見られる。セオの人物描写もそうだし、もっともはっきりしているのはキーだろう。マリアは白人ではなく、身ごもった子供のセックスは女であり、そして処女ではない。その上、周知された希望ではなく、暴力と恐怖のまっただ中をただ密かにつれられてゆく。
映画の中で一つ気になるのはHuman Projectという組織の扱い方である。世界的な賢者による秘密結社という点がどうしてもフリーメイソンを連想させる。恐怖と絶望の中の希望は、宗教的性格を帯びた流言であることは往々にしてあるのだろう。
しかし。相変わらず邦題はひどい。
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