Jun 2005
Empire of the Sun(太陽の帝国)
★★★☆☆
1987 スティーブン・スピルバーグ、クリスチャン・ベール
第二次世界大戦頃の上海の話。クリスチャンベールはこんな若いときから映画出ていたんですね。ジョン・マルコビッチがでている映画も久しぶりに見ました。
この映画は少年の視点から戦争が描かれていましたが、少年が過酷な生活のなかで正気を失っていく姿が生々しかった。そういえばこの映画の中で軍隊や戦場がでてくることは少なく、避難して生活する人々の立場から戦争を見つめようとする狙いがあったのかもしれない。戦争はそれに関わった人すべてを狂気させるほど恐ろしいものなのだろう。
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ショーシャンクの空に
★★★★★
ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
五年くらい前に一回見たきりだったので見直してみました。redemptionは償却、買い戻し、救い、補償という意味がありますが、ここではどの意味で使われていたのですしょう?ニュアンスがわからないのですが意味かけてますね、きっと。最近映画の題名についてよく思うんですが、日本では広告のために原題をかえたりよくやりますけれど、やはり題名は作者が映画に込めたものを短く表した物であり、それをかえるという事は、作者が映画に込めたもの自体を否定して全く違う映画であると勝って定義してしまうのと同じ事だと思うんですよね。題名はそれ一言で映画の本質を表している物なので、それが変わるだけで見ると全く異なった映画になってしまいますよね。だからどの映画でもそうですけど、私はこういう宣伝の方法は好ましいと思えないんです。アメリカではどうなんでしょうね?私は作家性を重視し過ぎかもしれませんが。
この映画はすばらしいですよね。希望がテーマになっていますからどの世代にも受け入れられる普遍性を持っていますし。脚本がしっかりしているのはいうまでもないが、ほかに特筆すべき点として映像、音声面での完成度がある。最近やっと映画に映像と音声があることの有効性、カットを組み合わせた連続した流れとして表現されることの面白さの一面がわかってきた気がする。映画は脚本が大事であることはよくいわれる事だが、脚本一つとっても、どのような映像と音声で見せる(魅せる)か、どのような流れで作るかによって大きく違った物ができるだろう。以前は監督、カメラマンなどのクルーよってどういう違いが出るのか?俳優が役を演じることでどういう点がその俳優独特のものなのかがほとんどわかっていなかったのだが、(もちろん制作側が目指す方向性、演技のレベル、映像、音楽の美しさなどの多様さはわかってはいたが)映画が他の芸術と比べてどのような異なった面白さを持つのかやっと少しわかった気がする。まあ、それを言葉にしてみるととても単純な事で、映画はそれぞれのカットが別々に存在し、また時間軸上でカットを組み合わせた連続性をもったものでもあり、その二種類の面白さの融合が無限ともいえる多様性を作っているのではないか、ということである。この映画の面白さはどこにあるのかを考えていて、ようやくそんなことに気付いたというのだ。
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SPITFIRE GRILL
★★★☆☆
1996 リー・デビッド・ズロートフ、アリソン・エリオット
邦題は何だこりゃって感じなのでのせません。ていうか幻滅です。だれだこんなひどいのつけたの。この映画は1996年サンダンスで観客賞をとったらしいです。
刑務所で刑期を終え、人生をやり直すために小さな町に引っ越してきたパーシーは、SPITFIRE GRILLという飲食店を営む老婆ハナの手伝いをする事になる。はじめは不信感を抱くハナだが、共同で働き、パーシーの助けを借りるうちに次第に打ち解けてゆく。手伝いにきた甥の嫁シェルビーと一緒に仕事をこなしていくうちに二人の距離は縮まっていく。いつも明るく振る舞うパーシーだが、彼女にはいやせない深い心の傷があった・・・
構成もストーリーの展開も今にしたら使い古された感がありますが、シンプルな分パーシーの感情がストレートに伝わってくる気がします。映画の主題もきちっとまとまっていますし。一言でいうと「尊さ」を感じる事ができる心温まる作品でした。
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頭山
★★★★★
2002 山村浩二
最近五つ星が多いなあ。でもいい映画を最近多く見てる気がします。山村浩二のアニメーションを何本か特集で上映したものを見たのですが、用事向けに製作されたアニメーションが大部分だったのですが、「ああ、そういえば」とき「こう感じていたかもな」と思いながらずっと見てました。独特のキャラクターもそうですが、子供の視点からとらえ、独特なユーモア感覚とリズムを併せ持つ感性がすばらしいと思います。頭山は美術作品としてのクオリティが高く、落語をモチーフにした点が面白いと思います。アニメーション作品は割とゆったりとしたテンポでストーリーなんかも向き不向きがあるのだなとしみじみ感じました。
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岸辺のふたり
★★★★★
2000 マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
8分間の幼い頃に去ってしまった父親を思う娘の物語。2001年アカデミー賞短編アニメーション賞等受賞。何度見てもジーンときます。たった8分間なのにここまで強い印象を与える事ができるのかとほんとに驚くばかりです。車輪の回る音がいつまでも耳に残る、すっと心にしみていく映画です。劇場で見れる人は是非劇場で見た方がいいと思います。絵的にも無駄な演出もなくシンプルで淡い水彩が物語を暖かく包んでいます。
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砂と霧の家
★★★★☆
2003 ジェニファー・コネリー、ベン・キングスレー
最近こういう見ていて悲しくなる映画ばかり好んでみている気がします。なんか疲れてますね。でもこの映画もよかったです。亡き父が残した一軒家に住むキャシー・ニコロ。結婚生活に失敗し、夫は家を出て行ってしまった。親にそのことを伝えられずにいたが、近いうちに親から家を訪ねると電話が入る。そんなとき行政から家の立ち退きを命じられ、家は競売にかけられてしまう。途方に暮れるキャシー。新たな買い手は政変でイランを追われアメリカに亡命したベラーニ大佐。祖国での豊かな生活も一変し肉体労働で稼ぐ毎日。妻と息子と新しい家で人生をやり直そうと誓う。立ち退きは行政の手違いだったとわかったキャシーは父の形見でもある家を取り戻そうとするが、次第にベラーニとの溝は広がっていく。そして二人は自分たちの望む幸せの本質を次第に見失っていく・・・。
大切にしたい事が物体として存在している物と密接に関連しているとき、つい形だけを見てしまい、本質を見失ってしまうことがあると思う。そんな人の心理を鮮やかに描きだした映画だと思う。「形だけ」であるものは物だけでは限らず、肩書きや権利や資格なども同種であろう。社会の中ではそれらは大切で評価されるべきものというルールがあるから人はそれを追い求める。そうして形にとらわれていくうちに自分が大切にしたい事の本質は見えなくなっていってしまう。なんでもそうだと思う。対立だって相手を理解できてないからおこるものだろう。相手を理解するためには、知識は知恵、経験がいる。人間として成長しないと対立はいつまでも激化していくだけだろう。だが社会では人間として成長することなど全く評価されないのだ。
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Million Dollar Baby

2005 クリント・イーストウッド
とてもよかった。けれど、自分はこの映画をまだ理解できないだろう。もちろんストーリーはわかるし、登場人物の表面上の感情を大体は追う事もできていると思うのだが、人物の感情と心理を深いところまで理解できなかったと感じる。それはそうだ、自分の数倍も人生を生きた人が作った映画なのだし。数年したらもう一度みてみようかな。
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マグダレンの祈り
★★★★☆
2002 ピーター・ミューラン
アイルランド、ダブリンに実在したマグダレン修道院の実態を描いた作品。キリストによって改心した娼婦マグダラのマリアに因んで名付けられたマグダレン修道院。性的に“堕落した”女性たちを矯正させる目的で運営され、閉鎖される1996年までに延べ3万人もの少女が経験したとされる過酷な実態を綴った衝撃の真実の物語。(引用)
久しぶりにアイルランドを舞台にした映画だとうれしくなったが、見た後は気持ちが沈む事間違いなし。この修道院が閉鎖されるまで10年もたっていないという事実は驚きだ。アイルランドでは社会的に見た女性の立場は近代になってもあまり変化していないのだろうか?背景知識がないとどう理解すればいいものか・・・
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グッド ウィル ハンティング
★★★★★
1997 ガス・ヴァン・サント
久しぶりに見ました。後半のロビン・ウィリアムスとマット・デイモンがハグするところで高校時代いたく感動していたのを思い出します。脚本はマット・デイモンとベン・アフレックが共同で書いたらしいですが本当によくできていますよね。しかし、今見るとみんな若いなあ。10代後半から20代前半の人には是非みてもらいたいと思います。これほど清々しいラストの青春ドラマは滅多にないなあ。
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雲の向こう、約束の場所
★★☆☆☆
2005 新海誠
うーん。確かにみていてジーンとくるし、よくここまで作ったなあと感心するのですが、私はどうも好きになれません。
第一人物に人間味が無さ過ぎなんです。これでは男の妄想と幻想の世界でしかないのではないでしょうか?こんな男も女もいませんよ。おれは理想だとも思わないし。自分は「彼女と彼女の猫」を偶然American Short Shortで見て新海誠に興味を持ったのですが、 自分は新海さんの作品は彼女と彼女の猫意外好きになれないなと思います。このショートフィルムが一番うまくまとまってるし、「彼女」の描き方がうまいし、日常の坦々としたした様がナレーションの落ち着きと重なってよく表現されていると思うんです。むろんこの映画は内容を別にすれば、少人数による製作体制などが業界に大きく変化をもたらすものですし賞賛される面が多いのは分かるんです。ですがこの方向性は私は断じて批判します。
本編をみて感じたのですが、この映画は中盤のシークエンスに魅力があるなと思いました。自分にとって新海誠の魅力はこういう何気ない日常の風景を感傷的に描き出すことのできる感性にあるのかもしれません。
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マグノリア
★★★★★
1999
ポール・トーマス・アンダーソン
そうか・・・この映画はもうかれこれ6年前になるのか。というと高校2年あたりか。公開された当時なぜか父親と見に行くことになりとても気まずい思いをしたのが昨日のことのように思い出される。笑
公開当時にみたときの印象は、あまりにショッキングな内容と人生経験の無さ故か、訳が分からないがラストにトムクルーズが父親の前で号泣するところでちょっと感動したかなと漠然と感じていたような記憶がある。だがそれだけではなく、砂浜に打ち寄せる波が気付かないうちに自分の足に届いていたときのように、ふと気がつくと「この映画はいったいなんだったのか?」と考えている自分がいたりしたのであった。そんなことからたまたま安く見つけたのでDVDを買ってまた見た訳だが、ようやくこの映画を理解できるほど成長できたのかとうれしく思いもしたが、逆に悲しくもなった。中盤に入ったところからラストまでの2時間、ヤバイ。
映画の中でたびたび出てくる台詞に次のようなものがある。"We may be though with the past, but the past is not through with us"「過去を捨てても、過去は追ってくる」(戸田奈津子訳)中心となる9人の登場人物のうちほとんどがそう苦しんでいる。むろん過去は誰しもが背負っているものだが、この映画が賞賛されるのは、捨ててしまいたい過去やつらい現実から逃げている登場人物たちが、その過去や現実に向かい合っていこうとする姿を、一つの思いとして、畳み掛けるように美しく描くことができているからだと思う。終盤9人の思いは一つになり、こう訴えかけてくるのだ。「自分を愛してほしい」と。
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