論説、その他
春になったら苺を摘みに
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2002 梨木香歩
筆者が学生時代に留学したイギリスのホームステイ先でのウェスト夫人と住民たちの日々を描いたエッセイ。こんなぐんとくるエッセイは初めて読みました。作者の人柄や世界を見つめる視点がじわっと伝わってくる気がします。後半のエッセイはとくに胸に突き刺さるものがあります。「理解はできないが受け入れる」という私自身最近実感している言葉ですが、人種という大きさで考えたとき、日本人はとても小さいなあと感じてしまいます。宝物のような1冊です。
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ポストコロニアリズム(一冊でわかる)
★★★★★
2005 ロバート・J・C・ヤング
ポスコロの入門書。知り合いには否定的な意見が多かったのが意外ではあったが、まあ取り上げた部分とあの時の状況では仕方なかったな。この本は作者がモンタージュというだけあって、様々な要素が切り貼りした写真のようにほとんど誘導する部分もなく進んでいく。理論的な要素はほとんどなく、読者にポストコロニアリズムで語られることに対して視点を提供することに重点が置かれているような気がする。そのためある程度単純さと興味を引き立てるために、断定的に言い切ったり挑発的な文章が入ってしまうのはやむを得ないだろう。入門中の入門書。
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「アフガン零年」虹と少女
★★★☆☆
2004 中村直文
映画アフガン零年
(原題OSAMA)の製作日記。この本は映画を見る前に見た方がよかったかもしれない。監督が何を考えてこの映画を作っていったのかがよくわかるし、映画の理解に不足していた知識も手に入った。最後の寄稿文はちょっと意味不明だが・・・ま、俺みたいな背景知識がない人間にはお勧め。
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女性の「オトコ運」は父親で決まる
★★★☆☆
1999 岩月謙司
BookOffで適当に本を物色してて面白そうだと思ったので買ってみました。話の誘導が少々強引なところがあるように感じましたが、著者の考え方に妙に納得してしまいました。この本の内容を鵜呑みにしてしまうのは考えものですが、知識として持っておくのによいと思いますし、自分を見つめるよい機会になると思います。女性向けに書かれた本ではありますが男性でも読みにくい本ではないと思います。むしろ男が読んでもいろいろ納得でき、鋭く突き刺さるものを感じるのではないかと思います。
嫌いを好きと勘違いしてしまう心理、家庭内ストックホルムシンドローム、ファザコンとマザコンの心理などが面白く書かれています。若者には(そういえば俺も若者か)ぜひ読んでもらいたい本です。
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なぜ「いい人」は心を病むのか
★★★☆☆
1999 町沢静夫
やさしさと弱さ、現代の日本人の抱える心の病を分かりやすく解説した本です。最後の方ちょっと強引にまとめてる気がします。この本の中での「いい人」の定義は人の立場を考えて気を使い、自分を犠牲にしてしまうようなタイプの人となっている。こういうタイプの人はやさしい人、謙虚な人などと周囲から認識され、自分の意志を無視する形で社会的ないい人という価値観に自分を当てはめてしまう傾向がある。ただ他人を傷つけず、自分も傷つきたくないが為に周囲にあわせようとするのだが、そのために自らのアイデンティティを失い、自分の意見を持てず、うつ病などの心の病にかかりやすい傾向があるという。
私自身も回避性人格障害や依存性人格障害の傾向があるので(障害というとおおげさである気がするが完璧な人格などある訳がなく、誰しもが軽くとも心のバランスの悪い部分はあると思う。回避性人格障害とは自己主張ができず自分が受け入れられない環境を極力さけようとして引っ込み思案になる傾向のあること、依存性人格障害は自己主張できずに人の後ばかりついていこうとする傾向のあること。まあ自分の中では最近はだいぶ影を潜めてきた気がするが)読んでいて自分にも当てはまるなと思える部分も多く、鬱病や不安障害などを抱える人にこういう傾向があるのかと読んでいてためにはなったと思う。いくら自我が環境によって影響を受けるからといって、結局向かい合わなければならないのは自分自信なのだから、そういう気のある人は自分の弱い部分を克服できるよう常に意識していこう。
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考える力をつける本
★★☆☆☆
1998 轡田 隆史
「我思う故に我あり」とは人間の本質をうまくとらえたものだ。人は常に何かを考えている。今日の晩ご飯のこと、すれ違った女性のこと、終わらなかった事務処理のこと、戦争について、家族について、爪が伸びたから切らなければなどなど・・・人は感じ、考えることによってのみ自分の存在を確認できる生き物だと思う。
考えるという行為は目に見えるものではなく、評価したり、磨いていくことが難しい。多くの場合は他人が書いたり話したりとアウトプットしたものから自分の考えと違う、または足りない部分を見出し、学んでいくのだろう。
この本自体は自分にとってあまり有益なことは書かれてなかったように思う。
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メルヘンの知恵 -ただの人として生きる-
★★☆☆☆
2004年、宮田光雄著
はだかの王様、死神等の童話を大人としての視点から読み、人生についての教訓などを見出した本。
星の王子様など、児童書の中にでも大人も面白く読めて、はっとさせられるものがあると自分は感じていたのですんなりと読めた。童話の中から登場人物の深層心理を読み取り、物語を人生の教訓として考えられるまで掘り下げていく過程が面白い。自分はグリム童話をほとんど読んでいなかったこともあるが、アンデルセンの「はだかの王様」に関する洞察が最も興味深く読めた。
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思いは国境を越えて
★★☆☆☆
思いは国境を越えて アンジェリーナ・ジョリー著
この本はアンジェリーナ・ジョリーがUNHCRの親善大使としてアフリカ、カンボジア、パキスタン、エクアドルにいったときの日記を本にしたもの。ひょんなことから借りたのだが、半年ほど放っておいてしまっていた。UNHCRはUnited Nation High Commission in Refugees(国連難民高等弁護官事務所)の略で国籍国の保護を失った難民に「国際的な保護」を与え、同時に食料・医療・住居などの援助を行うこと、そして難民問題の解決をはかることが任務とされる機関。私はこれを読むまで実際のところほとんど知らなかった。
この本はアンジェリーナが親善大使と数回UNHCRの拠点のある地域を訪れ、その時得た情報や個人の感傷を日記としてまとめていったものである。全体的に中高生の日記の様で読みやすい。一読したところ、いろいろなものを見聞きしてきたようである。アメリカでの裕福な暮らしを離れ、現地の職員とともに行動することでどれほど価値観が変わったか、難民に対し哀れに感じたかが書かれていた。自分が得たかったものはアンジェリーナの感情や統計的情報ではなく、現地で活動した上で得た意見や彼女なりの考えを読みたかった訳で、その点でいえばちょっとがっかりだったかなと思う。とはいっても、パキスタンには911以前に訪れていたり、カンボジアやエクアドルなど知らない情報を得ることができ、中央アジア、アフリカ、南米の国々について調べようというきっかけにはなった。自分も人のことはいえず、何も知らないままだ。今まで関心がなかったという人が現地ではどのような様子なのか知るのにはいい本だと思う。
UNHCR: http://www.unhcr.or.jp/
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