Nov 2005
母なるもの
遠藤周作
日本に初めてキリスト教が伝道され、土着してアニミズム等と混ざりあって形を変えてゆき、特有のマリア崇拝を作り出した当時の日本を舞台とした物語の短編集。ついさっきみた海猫にもそんな一面が現れていた。恥ずかしながら遠藤周作の著作を一冊すべて完読したのは初めてである。当時の日本におけるキリスト教について学ぶにはちょうど良い作品である。作者の物語の誘導が少々強引である気がしないでもないが、教徒の立場から考えるとこの作品にあるような見方ができるという事はうなずける。とりあえず海と毒薬くらいは読まねば・・・
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だれかのいとしいひと
★★★★☆
2004 角田光代
これまた短編集。軽い本を読むのが大分飽き、文学の研究書や実用書の方に走っていたのだが、最近また戻りだした。これも少し前に読んだ本なのだが、もうすこし知的な要素が欲しいと物足りなさを感じもしたが、角田光代はなかなか面白いところに目がいく人であるなと感じた。題にもある短編「だれかのいとしいひと」が私の好みに一番近かった。(これを題材にシナリオとコンテの練習をしようかな)一言で言ってしまえば何ともない風景で終わってしまいそうな日常だが、そこをうまく汲み取り、詩的にまとめたところがいいな。内容には関係ないが、表紙の酒井駒子の絵がいい。
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象の消滅
★★★☆☆
2005 村上春樹
結構前に読んだので大分おぼろげになっているのですが、村上春樹は短編の方が書いている量が多いのですが、私はこの本で初めて触れました。とはいっても長編でも短編でも独特な文体と雰囲気は変わらずで同じように楽しめました。特に自分は「象の消滅」と「沈黙」が気に入ったのでこの二作は読み返してみました。どちらも海辺のカフカに近い面白さがあるように感じられ、考えると、この二作にあるような春樹文学の魅力が海辺のカフカで大分洗練されたのではないかと感じました。と、そんなことが断言できるほど彼の本は読んでないのですが・・・象の消滅は不可思議なストーリーの中に不思議な喪失感を感じましたし、沈黙は自分には心に突き刺さる台詞がありました。その台詞も今は忘れてしまいましたが・・・
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