Jun 2005
となり町戦争
★★★☆☆
2005 三崎亜記
なるほど、面白くまとまってる話だなとは思いますがそこまで絶賛されるほど面白いものだろうかという疑問も。確かに自分のような若い世代が潜在的に感じ取っている戦争の意識というものをうまく描写できているかもしれないとは思う。(少なくとも作者が描こうとした感覚を共感できる。)でもそこまで「すばらしい!」と叫べるほどの衝撃は受けなかったなあ。
この小説はまずとなり町と行政主体になって戦争を行うというアイデアがいい。戦争の全貌と実態が見えず、身近で戦争が起きているはずなのにとても遠いところの出来事のように感じる主人公の当惑が滑稽に、あざ笑うかのように描かれている。堅い行政側の職員たちとそれとは対称的な取りつく島もない主人公の噛み合なさがまたいい。
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「アフガン零年」虹と少女
★★★☆☆
2004 中村直文
映画アフガン零年
(原題OSAMA)の製作日記。この本は映画を見る前に見た方がよかったかもしれない。監督が何を考えてこの映画を作っていったのかがよくわかるし、映画の理解に不足していた知識も手に入った。最後の寄稿文はちょっと意味不明だが・・・ま、俺みたいな背景知識がない人間にはお勧め。
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斜陽
★★★☆☆
s25 太宰治
今更ですが、このコーナーは読んだ本順にコラムを書いてるのでいろいろな年代のものが不規則に並びます。「没落貴族の家庭にを舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲壮な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。」(背表紙より)この本を読んで第一に感じたのは太宰治は流行作家だったのだなということ。戦後という時代の変わり目に生きた人々にとって多くの共感を呼んだのだろうとは巻末の解説を読んでわかるのだが、登場人物が生きていた時代をうまく想像できないのでほとんど共感できなかったというのが率直な感想だろうか。まず疑問なのがここでいう「革命」とは何かということ。作中では「道徳革命」という言葉が出ていたが、かず子の社会通念に大しての反抗なのか、それとも政治的にいう革命に対するメッセージなのか?広辞苑によると「従来の被支配階級が支配階級から国家権力を奪い、社会組織を急激に変革すること」とあるので、上の二つは根底では類似したものなのかもしれない。太宰治の略歴を読むと、驚くほど登場人物に自己が内在されているのがわかり面白い。
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