ダ・ヴィンチ・コード
★★★★★
2004 ダン・ブラウン著
養老孟司じゃないけどほんと世界中で売れている理由も分かるなと思います。ここまで作り込まれた小説は久しぶりに見た気がします。ま、読んでる冊数自体少ないのですが^^;
なんでも聖杯伝説という近年のキリスト教に関する研究のなかではほっとな話題を元にした小説らしいのですが、そんなことは全く知らなくても楽しめます(というかこういう話題を知らない人の方が楽しめるのかも)。ずいぶんと大胆な内容だなと読んでいて思ったのですが、実際に研究されていることや実在する団体が元になっている部分がほとんどでそれをまとめ上げた作者の努力と執念が感じられます。
この本の作者の意図として、歴史上とられてきた男性の(社会的な)女性に対する意識の問題を取り上げることがあったのではないかと思うのですが、私はこの本で取り上げられていた宗教上の女性観は好ましいと思いません。(これはまた別の機会で)
トムクルーズが主演で映画化されるらしいのですが、この小説自体そのまま映画にしても大丈夫なくらい映画的な要素が多いなと感じました。実際ここまで成功したこと自体、作者のもくろみの一つだったのかもしれません。モナリザのほほえみに作者のしてやったり顔が重なる気がします。
2004 ダン・ブラウン著
養老孟司じゃないけどほんと世界中で売れている理由も分かるなと思います。ここまで作り込まれた小説は久しぶりに見た気がします。ま、読んでる冊数自体少ないのですが^^;
なんでも聖杯伝説という近年のキリスト教に関する研究のなかではほっとな話題を元にした小説らしいのですが、そんなことは全く知らなくても楽しめます(というかこういう話題を知らない人の方が楽しめるのかも)。ずいぶんと大胆な内容だなと読んでいて思ったのですが、実際に研究されていることや実在する団体が元になっている部分がほとんどでそれをまとめ上げた作者の努力と執念が感じられます。
この本の作者の意図として、歴史上とられてきた男性の(社会的な)女性に対する意識の問題を取り上げることがあったのではないかと思うのですが、私はこの本で取り上げられていた宗教上の女性観は好ましいと思いません。(これはまた別の機会で)
トムクルーズが主演で映画化されるらしいのですが、この小説自体そのまま映画にしても大丈夫なくらい映画的な要素が多いなと感じました。実際ここまで成功したこと自体、作者のもくろみの一つだったのかもしれません。モナリザのほほえみに作者のしてやったり顔が重なる気がします。
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精霊のいた街
★★☆☆☆
2004年 早坂真紀
自然を子供の純粋な感性で描いた作品。三人の別々の境遇の少女の自然の捉え方、精霊との出会いを描いている。この三人の少女は都心から離れた片田舎に住み、家が隣同士。千春は病気がちで窓から雑木林を見て過ごし、涼子は日々ピアノの稽古に追われ、香菜は東京が好きで今住んでいるところにうんざりしている。
大人になるにつれていつも橋を渡る川、近所の小さな草原、家の裏の雑木林などに目を向けることもなくなり、神秘的なものを感じることもなくなってしまうものだが、子供の時に自然と接して感じたことをいろいろ思い出させてくれる話だった。角度を変えて物事を見ようとすると、どんなことでもそうだがいろんなものに気づき、また、見えてくる。あの感受性が豊かだった時に戻りたい。笑
2004年 早坂真紀
自然を子供の純粋な感性で描いた作品。三人の別々の境遇の少女の自然の捉え方、精霊との出会いを描いている。この三人の少女は都心から離れた片田舎に住み、家が隣同士。千春は病気がちで窓から雑木林を見て過ごし、涼子は日々ピアノの稽古に追われ、香菜は東京が好きで今住んでいるところにうんざりしている。
大人になるにつれていつも橋を渡る川、近所の小さな草原、家の裏の雑木林などに目を向けることもなくなり、神秘的なものを感じることもなくなってしまうものだが、子供の時に自然と接して感じたことをいろいろ思い出させてくれる話だった。角度を変えて物事を見ようとすると、どんなことでもそうだがいろんなものに気づき、また、見えてくる。あの感受性が豊かだった時に戻りたい。笑
メルヘンの知恵 -ただの人として生きる-
FINE DAYS
★★★☆☆
2004年 本多孝好著
FINE DAYS、イエスタデイズ、眠りのための暖かな場所、シェードと四つの短編集。自分はシェードが一番好きだ。恋愛小説であることに代わりはないが、どの短編も出会ってからかなり時間が過ぎ去った後に感じた、つらさ、悩み、空しさ等の感情を中心に話が進んでいる。シェードは以前に愛する婚約者を亡くした女性と、その女性に思いを寄せる男の話だが、男は、その女性が亡き婚約者を思い出すような遠い視線をすることにつらさを感じている。その女性は自分が居なくとも幸せになれたこと、自分に対して寄せる思いは自分だけのものではないこと、それに対する男の苦悩がよくわかる。沈んでいた心にぽっと小さなろうそくの火がともるそんな小説だった。
2004年 本多孝好著
FINE DAYS、イエスタデイズ、眠りのための暖かな場所、シェードと四つの短編集。自分はシェードが一番好きだ。恋愛小説であることに代わりはないが、どの短編も出会ってからかなり時間が過ぎ去った後に感じた、つらさ、悩み、空しさ等の感情を中心に話が進んでいる。シェードは以前に愛する婚約者を亡くした女性と、その女性に思いを寄せる男の話だが、男は、その女性が亡き婚約者を思い出すような遠い視線をすることにつらさを感じている。その女性は自分が居なくとも幸せになれたこと、自分に対して寄せる思いは自分だけのものではないこと、それに対する男の苦悩がよくわかる。沈んでいた心にぽっと小さなろうそくの火がともるそんな小説だった。
MOON PALACE
★★★★☆
Moon Palace Paul Auster著 1997 新潮文庫
この話の主人公M.S.フォッグは両親を失い伯父に育てられた。その伯父も大学在学中になくなり、絶望から自分の人生を放棄していた。生計を立てられなくなった所を友人に助けられ、キティー・ウーという女性と出会い、エフィングという車いすの老人の元で奇妙な仕事をすることになった。そこから偶然に自分の出生の謎に出会っていく、とても不思議な話であった。
ムーンパレスとは在学中にアパートの向かいにあった中華料理やの名前である。この話の舞台となった時代はちょうど人類初の月面旅行がなされたときで、フォッグにとってこの「ムーンパレス」という名の料理店に神秘的な何かを感じていた。以来、彼の生活の生活のそばには常にこのムーンパレスがあった。この本を読み終えて、彼にとって月という存在はなんだったのだろうか?ちょうど月面旅行という歴史的な快挙を人類が成し遂げた時期であったため、彼にとっては未知の夢の世界でも、現実として近くに存在する普遍的世界のどちらでもなかったのではないか。それは実体がそこにあるとわかっていても決して自分が行くことはできない世界であり、絶望の中にもつい夢を見てしまう憧れの様な存在であったのではないか。つまり、彼自身にとって月は明確に定義できるものではなく、実体がつかめず、無意識で追い求めてしまうものであって、漠然とした自分を引きつける存在であったのだと思う。小説の最後に「それ(月)が闇のなかにみずからの場を見出すまで目を離さなかった。」とあるが、この部分に、すべてを失ってしまったが、これから新しい人生を生きようとするフォッグの強い意識が読み取れると思う。
自分はこの小説の中でフォッグのエフィングとのやり取りの部分が一番好きなのだが、自分にはエフィングのような人生をしっかりと見据えた権威ある強い老人に憧れがある。いつか自分が表現したいと思っている人間像にとても近かった。
深く余韻の残るいい青春小説だった。
Moon Palace Paul Auster著 1997 新潮文庫
この話の主人公M.S.フォッグは両親を失い伯父に育てられた。その伯父も大学在学中になくなり、絶望から自分の人生を放棄していた。生計を立てられなくなった所を友人に助けられ、キティー・ウーという女性と出会い、エフィングという車いすの老人の元で奇妙な仕事をすることになった。そこから偶然に自分の出生の謎に出会っていく、とても不思議な話であった。
ムーンパレスとは在学中にアパートの向かいにあった中華料理やの名前である。この話の舞台となった時代はちょうど人類初の月面旅行がなされたときで、フォッグにとってこの「ムーンパレス」という名の料理店に神秘的な何かを感じていた。以来、彼の生活の生活のそばには常にこのムーンパレスがあった。この本を読み終えて、彼にとって月という存在はなんだったのだろうか?ちょうど月面旅行という歴史的な快挙を人類が成し遂げた時期であったため、彼にとっては未知の夢の世界でも、現実として近くに存在する普遍的世界のどちらでもなかったのではないか。それは実体がそこにあるとわかっていても決して自分が行くことはできない世界であり、絶望の中にもつい夢を見てしまう憧れの様な存在であったのではないか。つまり、彼自身にとって月は明確に定義できるものではなく、実体がつかめず、無意識で追い求めてしまうものであって、漠然とした自分を引きつける存在であったのだと思う。小説の最後に「それ(月)が闇のなかにみずからの場を見出すまで目を離さなかった。」とあるが、この部分に、すべてを失ってしまったが、これから新しい人生を生きようとするフォッグの強い意識が読み取れると思う。
自分はこの小説の中でフォッグのエフィングとのやり取りの部分が一番好きなのだが、自分にはエフィングのような人生をしっかりと見据えた権威ある強い老人に憧れがある。いつか自分が表現したいと思っている人間像にとても近かった。
深く余韻の残るいい青春小説だった。
思いは国境を越えて
★★☆☆☆
思いは国境を越えて アンジェリーナ・ジョリー著
この本はアンジェリーナ・ジョリーがUNHCRの親善大使としてアフリカ、カンボジア、パキスタン、エクアドルにいったときの日記を本にしたもの。ひょんなことから借りたのだが、半年ほど放っておいてしまっていた。UNHCRはUnited Nation High Commission in Refugees(国連難民高等弁護官事務所)の略で国籍国の保護を失った難民に「国際的な保護」を与え、同時に食料・医療・住居などの援助を行うこと、そして難民問題の解決をはかることが任務とされる機関。私はこれを読むまで実際のところほとんど知らなかった。
この本はアンジェリーナが親善大使と数回UNHCRの拠点のある地域を訪れ、その時得た情報や個人の感傷を日記としてまとめていったものである。全体的に中高生の日記の様で読みやすい。一読したところ、いろいろなものを見聞きしてきたようである。アメリカでの裕福な暮らしを離れ、現地の職員とともに行動することでどれほど価値観が変わったか、難民に対し哀れに感じたかが書かれていた。自分が得たかったものはアンジェリーナの感情や統計的情報ではなく、現地で活動した上で得た意見や彼女なりの考えを読みたかった訳で、その点でいえばちょっとがっかりだったかなと思う。とはいっても、パキスタンには911以前に訪れていたり、カンボジアやエクアドルなど知らない情報を得ることができ、中央アジア、アフリカ、南米の国々について調べようというきっかけにはなった。自分も人のことはいえず、何も知らないままだ。今まで関心がなかったという人が現地ではどのような様子なのか知るのにはいい本だと思う。
UNHCR: http://www.unhcr.or.jp/
思いは国境を越えて アンジェリーナ・ジョリー著
この本はアンジェリーナ・ジョリーがUNHCRの親善大使としてアフリカ、カンボジア、パキスタン、エクアドルにいったときの日記を本にしたもの。ひょんなことから借りたのだが、半年ほど放っておいてしまっていた。UNHCRはUnited Nation High Commission in Refugees(国連難民高等弁護官事務所)の略で国籍国の保護を失った難民に「国際的な保護」を与え、同時に食料・医療・住居などの援助を行うこと、そして難民問題の解決をはかることが任務とされる機関。私はこれを読むまで実際のところほとんど知らなかった。
この本はアンジェリーナが親善大使と数回UNHCRの拠点のある地域を訪れ、その時得た情報や個人の感傷を日記としてまとめていったものである。全体的に中高生の日記の様で読みやすい。一読したところ、いろいろなものを見聞きしてきたようである。アメリカでの裕福な暮らしを離れ、現地の職員とともに行動することでどれほど価値観が変わったか、難民に対し哀れに感じたかが書かれていた。自分が得たかったものはアンジェリーナの感情や統計的情報ではなく、現地で活動した上で得た意見や彼女なりの考えを読みたかった訳で、その点でいえばちょっとがっかりだったかなと思う。とはいっても、パキスタンには911以前に訪れていたり、カンボジアやエクアドルなど知らない情報を得ることができ、中央アジア、アフリカ、南米の国々について調べようというきっかけにはなった。自分も人のことはいえず、何も知らないままだ。今まで関心がなかったという人が現地ではどのような様子なのか知るのにはいい本だと思う。
UNHCR: http://www.unhcr.or.jp/
電車男