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 工程短縮で未硬化状態で積層し、一度の焼き付けで膜形成をする場合、フリーフィルムでも侵入法でも測定することはできない。そこで、測定試料をけずり採り測定する方法としてDSC法を検討した。DSC法は塗膜では膜形成時の生ずる残留応力が影響してTgをとらえるのが難しいので、これらの残留応力の影響を無くしてTgを測定するためには温度を正弦振動させながら温度を変化させて測定を行うTMDSCを用いて検討した。

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 残留応力に関わる不可逆なKinetic成分とTgを測定する可逆な比熱成分とに分離して測定することができ、Kinetic成分と比熱成分が混合した場合には変曲点を測定できない事がわかる。
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 不可逆成分と取り除くためにTMAの引っ張り法と同様に一度昇温させて不可逆成分を取り除き、冷却し、再び昇温測定を実施した。

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 TMDSCによって2回目の昇温による測定では不可逆成分が取り除かれ、可逆成分の結果に影響を与えないことがわかった。

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 残留応力を取り去って測定を行うための温度スケジュールを検討を行った結果、焼き付け温度で3分間の予備加熱を行い、冷却し測定を開始するというスケジュールで測定することで、TMDSCを用いなくてもDSCを用いても比熱に関わる可逆な成分だけを取り出すことができることがわかった。
 さらに、フリーフィルムとけずり採った試料との間にも差異は無く、けずり採って試料とすることで複層膜で膜形成したものも各層をけずり採ることで各層のTgを測定することができることがわかった。


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 複合劣化促進試験前後での複層塗膜を各層をけずり採り、先に示した温度スケジュールでDSC法で測定した結果である。低温側の変曲点をTigとし、高温側の変曲点をTegとして評価している。クリヤー層は促進後Tgが上昇しており劣化しているが、ベース、中塗り、EDは変化が無く、促進劣化試験はクリヤーのみ劣化させていることがわかった。

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 測定したTegと動的粘弾性測定のTgとの相関を検討すると試料を変えても大変良く相関しておりDSCを用いて削り採る方法でガラス転移温度を測定できることがわかった。
 Tigとの相関係数は0.3と低く、相関しない。動的ガラス転移温度TgとTegとの相関係数は高いが1:1対応ではなく33.45のオフセットと0.8という係数にどのような意味があるかを検討する必要があるが、硬化形式の異なる系でも同じ線上に乗る事から実用的には充分に利用できる方法である。