エンジニアプラスチックなどは試料を切削し整形するだけでよいが、塗膜や接着剤など被塗物に塗布するような試料ではフリーフィルムを作成する必要がある。
比較的低温(180℃程度まで)で硬化するのであればテフロン板やポリプロピレン板などの接着しにくい試験片に塗布をし、硬化後に剥がすのが最も簡単な方法である。
焼き付け温度が180℃を越えるような場合にはこれらの試験板は利用できないので、ブリキ板を用いて試料を作成し、水銀アマルガム剥離によりフリーフィルムを作成する。
薄いフィルム試料の作成で最も気をつけなければならないのは、切断面の傷ですので鋭利な刃物を用いて、切りにくい場合は少々加熱した状態で切断する方が切断面に傷の無い試料を作成することができる。
TgはE"のピーク温度が正しいが塗料業界ではtanδのピーク温度をTgと呼ぶ、これはガラス転移温度が40〜60℃と実用範囲で遭遇する温度に近いとTgの定義から膜が極端に弱くなるようなイメージを抱いてしまうという誤解を生むことが一つの理由で、もう一つは測定時間の問題である。
架橋密度は高温での平行弾性率 E' の値から次式により求めることができます。架橋密度nの逆数は架橋間分子量です。
n = E' / 3 RT
n:架橋密度(mol/cc)
R:気体定数
T:平行弾性率 E'の時の絶対温度
E':平行弾性率(dyne/cm2)
ガラス転移温度が同じ(96℃)いくつかの熱硬化塗膜の結果です。同じガラス転移温度でも形状が随分異なっていることがわかります。架橋構造が網の目のように一定間隔で、絡み合っている高分子の分子量が同じならばピークは鋭い形状になる。
ガラス転移温度が同じ試料のE'を示したものです。高温域で弾性率が平衡になっていないで高温域で上昇しているものは未反応の部分が残っているということを示しています。主剤と硬化剤があるような硬化系で主剤と硬化剤の量比が適切であれば高温域で弾性率は平衡になり、平衡状態から高温で減少するのは熱分解によるものです。
塗料状態での顔料濃度(PWC)と主剤硬化剤比(R/MF)変えて測定したE'の結果である。PWCが大きくなると顔料充填効果で架橋密度が高くなると同じ結果になるので注意が必要です。R/MFによりMFの架橋剤が多い場合は未反応があるため上昇している様子がよくわかります。