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スイス国旗スイス編2

地図スイス全図

 

aboutCH(2002/9/16)

サリュ!いしかわです。いしかわは現在、スイスはZermattツェルマットに居住しています。

突然ですが、イギリスの正式国名をご存知でしょうか?イギリス?英国?(←こりゃないな)UK?いいえ、正式には『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland』という長ったらしい名前なのです。UKってこの一部なんですね。

では、スイスは?そういえばスイスの車にはCHって国の識別シールが貼ってあるっけ…。

クリックで拡大写真中学校時代に友人のタブチくんと『国名』を調べるのに熱中した事があります。当時、彼はBCL(BroadCasting Listeners:海外放送聴取者。要は海外の短波ラジオを聞いて受信証を貰うという趣味)に凝っていたみたいなんですね。

ある日、彼がすごく興奮した(普段はあまり感情的にならないだが)様子で「すごいのを見つけた!!」と地図帳を指差しました。そこはアフリカ ギニア湾の沖合いの島国で『サントメ・プリンシペ民主共和国Democratic Republic of Sao Tome and Principe』とあります。「こんな長い国名は初めてだ!!」と興奮気味なのです。

う〜ん、それなら!!と私も探し始めました。そこで見つけたのが『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland』(あ〜メンドクサイ)だったのです。そういえば当時のソ連(USSR)も『ソビエト社会主義共和国連邦Union of Soviet Socialist Republics』で結構長かったな〜。

それ以来でしょうか、何となしに地図を見るのが好きになったのは…。「あっ!こんなところに温泉マークが!!んっ!!このマークは一体何だろう?」今回の旅でインドやネパール、イランなどの地図をいっぱい買い込みました。そうそうスイスの国土地理院が発行している地図はキレイでいいですね〜。

そういえばタブチくんはその後『海外青年協力隊』として、『サントメ・プリンシペ民主共和国Democratic Republic of Sao Tome and Principe』のギニア湾の対岸にある『ガーナ共和国Republic of Ghana』に2年間赴任することになるんですね。不思議なもんです。

さて、最後になりましたがスイスの名称です…。英語では『スイス連邦 Swiss Confederation』が正しいのでしょうね〜。でもこれだと車のステッカーCHは?実はスイスサンチーム硬貨に回答が書いてあるのです。ラテン語で『ヘルベティア連邦Confoederatio Helvetica』と記されています。このCHなんですね。ヘルベティアとはかつてローマ人に滅ぼされてしまったケルト人の一派と言われています。多言語多民族の連邦国家を纏める象徴として『ヘルベティアの末裔』が使われているそうな。

しかし少数言語が800以上あり、公用語のヒンディーと補助公用語の英語の他、15の地方語をプリントしたインドのお札と、公用語は独・仏・伊・ロマンシュ語なのにコインにそれ以外のラテン語を入れるスイス…。世界って本当に広いですな〜。

 

バーデンBadenとヴィンディッシュWindish(2003/1/20)

いしかわが住んでいたスイスという国は、九州位の国土しかなく、しかもその60%以上がアルプスに代表される山岳地帯で占められています。

クリックで拡大写真こうも山が多いので、秘湯のひとつも湧いているだろうと思っていたら、やっぱりありました。ロシアを除くヨーロッパには、実に1,500もの温泉が湧いているそうです。

さて沢山あるスイスの温泉をどう廻ろうか?とガイドブックを眺めていると、『この温泉は古代ローマ人によって整備された…』なる記述が多いことに気付きました。
調べてみると古代ローマ人こそ、現代日本人に匹敵する『温泉大好き民族』だったのです。いしかわの温泉知識の片隅にも、ドイツの温泉バーデンバーデンBaden-Badenがローマ人によって整備された事は入っていたのですが、それ程有名ではない小さな温泉でも、故事来歴を調べると何がしら『ローマ人』の記述が出てくるのです。

『ならば、古代ローマ人の足跡を辿りながら、温泉旅行というのはどうだろう。温泉に浸かっていたらローマ人の気持ちがわかるかも!?。』こうしていしかわのスイス週末旅行(エクスカーション)が始まりました。

『ヘルベチアの水』Baden(バーデン)
クリックで拡大写真スイス北部に位置するバーデンは、古くから『ヘルベチア(スイスのラテン語名)の水』として古代ローマ人に知られ、雄大な温泉センターが造られたといわれます。
しかし、この温泉は古代ローマ人が発見したのではなく、すでに見つけられていた温泉の効能に注目し、整備したらしいのです。温泉の効能は温泉が発見された言い伝えに密接に関係しています。

紀元前58年、Siegawynという村の青年は、はぐれた山羊を捜している時に熱い湯が噴き出している岩を見つけました。そして慢性的な病に苦しんでいた彼の許嫁がその温泉水を飲み、不自由な足が治ったといわれています。なんだか『アルプスの少女ハイジ』に出てくるクララの話のようですね。
現在においてもバーデンの温泉の効能は有名で、リウマチや骨関節症などに効くそうです。

この年のヨーロッパは非常に寒く、その日もどんよりと曇っていて温泉に入るにはもってこい(?)の日でした。いしかわは右足の小指がシモヤケ気味だったので、バーデンのお湯で直ればいいが…と期待してやってきたのでした。

クリックで拡大写真バーデンの公共温泉『Thermal Baden』は温泉街の端の川沿いにありました。
入り口で入浴料20フラン(5フランはデポジットで後で返金される)を支払い、スイミングプールの更衣室のような場所で水着に着替え、プールに『入浴』します。ヨーロッパの温泉は、ほとんどがこうした水着をつけて入浴するスタイル。スイミングキャップの着用を義務付ける所もあります。

温泉は2つあり、室内プールと屋外プールがひとつずつという構成。『温泉』と思って入ると、日本人にはいささか拍子抜けするヌルイ水温。ただ、温水プールと思えば問題はないでしょう(笑)。屋外の方が多少温かかったみたいです。水面は外気にさらされ、湯気がもうもうとたっていました。
感動的だったのは『湯上がりの暖められたバスタオル』。ちゃんと白衣のお姉さんが立っていて、風呂上がりのお客さんの肩にバスタオルをかけてくれるのです。
白衣という点が、これらのヨーロッパの温泉がただの保養地だけではない事を伺わせます。当然この温泉センターの中にも『温泉療法』のフロアーがあり、別料金にてばっちりと『治療』してくれるのです。

クリックで拡大写真泊まったホテルに飲用の温泉水が置かれていました。味はちょっとピリッとしています。硫黄分が多いのでしょう。
この地に温泉が湧くのは、アルプス山脈の形成と深い関係があるそうです。そもそもアルプス山脈はアフリカ大陸がヨーロッパ大陸を押し込んだ為、褶曲し、盛り上がって出来ました。(つまり火山の噴火で高くなった訳ではないんですね)その際、一部に断層ができて、その断層面に沿ってマグマ近くで暖められた暖かい水(温泉)が湧いてきた。という事らしいのです。
だたし、バーデンの源泉は今なお特定されていません。どうやら複数の源泉が地中3000mで複雑につながっているようです。 そしてその結果として、この温泉の水には豊富なミネラル(鉱物)が溶け込ん でいるのだろうといわれています。

温泉水量は100万リットル/日。湯温は地表で47度にも達する…。と、なるとあの温泉プールは冷ましていたのか!。熱ーいままの温泉にも一度入ってみたかったなー(笑)。

『ローマ軍団司令部の町』ヴィンディッシュWindish
クリックで拡大写真バーデン駅から北へ列車で10分。車窓がアーレ川に移り変わる頃、ブルックBruggという小さな町に着きます。駅から住宅街を抜けたちょっと小高い丘の上に、目的地ヴィンディッシュの円形競技場跡はあります。

古来、川は交通・輸送手段として、また軍事上の防衛線として機能しました。この地はアーレ川とロイス川の合流点という事で交通・軍事上の要所とされ、古代ローマ人は軍団司令部を置きました。その事を象徴するかのように、古代ローマの円形競技場の収容人員は1万人以上。巨大な競技場の外壁の高さは、背後にあるポプラ並木位の高さがあったそうです。

軍団基地と温泉地。一見不釣り合いの取り合わせのようでいて、密接な関係があります。つまり傷付いた兵士が休養するにはもってこいの場所だったのです。こんな点は、日本の武将武田信玄の隠し湯の感覚に近いのではないでしょうか。

さて、その後のいしかわのしもやけですが、すっかり完治してしまいました。やはり『ヘルベチアの水』の効果は絶大!だったのです。

クリックで拡大写真データ:
『バーデン Baden』 アールガウ州 Aargau
古より知られる温泉地。『バーデン』はドイツ語で入浴の意味。
・チューリヒから列車で片道約20分

『ヴィンディッシュWindish』 アールガウ州 Aargau
かつてウィンドニッサVindonissaと呼ばれ、全ヘルヴェチア(スイスのラテン語名)に対するローマの軍団司令部が置かれた所。
・バーデンから列車で片道約10分でブルックBruggへ。ここから徒歩10分。

 

マルティニ Martignyと2つの温泉(2003/2/3)

ここのところ、週末を利用してスイスの温泉を巡っています。なぜだか『古代ローマ』というキーワード付きで…。

クリックで拡大写真『すべてではないが、ローマの道は温泉に通ず?』
『すべての道はローマに通ず』という言葉がありますよね。
この言葉からいしかわは、『つまり、ローマ人がヨーロッパに街道を作ったってだけでショ』と、ローマ街道=踏み固められたチンケな道と勝手な想像をしていました。しかし、これは大きな誤解だったのです。
実際のローマ街道は、『排水設備の完備した石畳の道』であり、『街道を旅する人の為に一里塚のようなマイルストーンを設置』してあり、要所には『宿泊設備はもとより、レストラン、公衆浴場までを備えた宿場町を配置した』といいます。しかもその範囲は、西はイギリスやスペインから、東はトルコ、エジプト、インド(!)まで及び、ローマ街道の総延長は15万Km(!!)にも達したそうです。それが今から『2000年もの昔』(!!!)に作られたのだから驚きです。
そして、宿場町に作られた公衆浴場のうち、天然の温泉が湧いている所はこれが整備され、利用されました。

当然、ローマ帝国の版図に加えられていたスイスにも、ローマ街道の名残りが点在しています。そのひとつが、イタリアのトリノTorinoを起点に、グラン=サン=ベルナールGd St-Bernard峠を経て、レマン湖Lac Lemanからライン川Rheinへ至る『スイス西部を通るローマ街道』です。
今回の週末旅行(エクスカーション)は、このローマ街道にスポットをあててみました。 クリックで拡大写真

ケルトとローマの遺跡の町マルティニ Martigny
グラン=サン=ベルナール峠は、イタリアからスイス=ドイツ国境を流れるライン川を結ぶ最短ルート上に当たります。
ちなみに『サン=ベルナール』という名前は、峠越えの旅人の為に救護所を建てた9世紀の司祭聖ベルナールを由来としています。が、この峠をもっと有名にしているのは、救助犬のセントバーナード(サン=ベルナールの英語読み)の方でしょう。(セントバーナード犬はローマ人と関係ないようなので、この際写真だけにしておきます(笑)。)

さて、そんな厳しいアルプスの峠越えの後、最初に辿り着く穏やかな平地にマルティニという街があります。 この街は現在においても交通の要所で、サン=ベルナール峠を挟んでイタリア トリノへ向かえる他、山岳鉄道で西へ向かえばシャモニーChamonix(フランス)に容易に出れるし、北上するとレマン湖からジュネーブGeneveへ、東進すればシンプロンSimplon峠を経てミラノMilano方面へ抜ける事ができる便利な場所です。

そんなマルティニの街で、1976年いくつかの重要な遺跡が発掘されました。多くはローマ征服後の遺跡でしたが、さらにその下から先住民ケルトの神殿跡が発掘されたのです。つまりこの地は、ローマ征服以前から重要な場所として栄えていた訳です。
いしかわは、ここのケルトのブロンズ像『三本角のある雄牛の頭』が好きで、幾度も足を運んでいます。2000年以上前に作られたという豊かな造形美を見ていると、何だか元気が湧いてくるのです。 クリックで拡大写真

街の周辺にはローマ街道の名残りも見受けられます。くしくも遺跡の表示には『ローマ=イギリス』の文字が!。この道を北に辿ればイギリスへ、南に向かえばローマへ行く訳です。
思わず、『この道はローマに続いているんだな−』と呟いてしまいました。

ローマと関係なかったオブロナ Ovronnazの温泉
今回はマルティニに隣接する2つの温泉、オブロナとサイヨンをハシゴしてみました。

クリックで拡大写真オブロナは近年温泉の掘り当てに成功し、1990年にオープンした比較的新しい温泉。ということは、古代ローマとは関係がなかった(笑)。 まあ、それでもせっかく来たのだから、温泉には浸かっていきます。オブロナ温泉Thermalpは施設が新しい上に非常に機能的。しかも特筆すべきは、オブロナ自体が標高1,350mの山腹にあるので展望が最高にいいのです。屋内に1つ、屋外に2つある温泉プールに入りながら、背後のプチ=ミュヴランの岩峰やアルプスの山々が眺められ、極楽気分…。

風呂上がりに陽光降り注ぐテラス付きのレストランで、この州の特産品ヴァリサーテラーを頂きました。様々な乾燥肉を薄くスライスしたモノで、塩味が効いていてワインに合う、合う!。
周辺にはハイキングコースが充実しているせいか、山帰りにひと風呂浴びていくハイカーも多く、是非次回は歩いてみたいと思うのでした。(いしかわが訪れたのは冬でしたが、ウィンターハイカーが大勢いた。) クリックで拡大写真

ぶどう畑に囲まれた温泉サイヨン Saillon
一方、サイヨンはローヌRhone川沿いの温泉です。
この街のシンボルとも言えるバイヤール塔周辺は、ぶどう畑に囲まれた平穏な集落。温泉の周囲も一面のぶどう畑。ここでもワイン酒場のカーヴでおいしいワインを堪能できました。ヴァリス州のこの辺りはスイスでも有数のワインの産地。次回は新緑の季節に訪問したいものです。

クリックで拡大写真さて、サイヨン温泉の源泉近くには、ローマ時代の共同浴場跡が発見されているそうだから、多分ローマ人も利用していたらしい。残念ながら観光局が閉まっていた為、詳細は確認できませんでした。
この温泉は高速道路からのアクセスが良いせいか、家族連れの客が多くて実に盛況。まあ、施設が広いから『混んでいる』という印象はありません。バーデンのような『大人の』温泉もいいけれど、老いも若きも楽しめるファミリーなサイヨン温泉もなかなか良いものです。スイスの温泉文化も奥が深いな〜と思ういしかわでありました。

 

クリックで拡大写真データ:
『マルティニ Martigny』 ヴァリス州 Valais/Wallis
交通の要所であり、ケルトとローマの遺跡の町。
・ジュネーブチから急行列車で片道約1時間30分

『オブロナ Ovronnaz』 ヴァリス州 Valais/Wallis
標高1,350mにある新興の温泉リゾート。
・マルティニからポストバスで30分Leytronへ。ここで別のポストバスに乗り換えて約20分。

『サイヨン Saillon』 ヴァリス州 Valais/Wallis
一面のぶどう畑と古い要塞都市。もちろん温泉もある。
・マルティニからポストバスで約20分。

 

ヘルベチアの首都を歩く(2003/2/3)

クリックで拡大写真

今、いしかわの手元に1冊のガイドブックがあります。 『LES VOIES ROMAINES-GUIDE ROMAN DE VOYAGE-』(ローマ街道-ローマ人の旅のガイドブック-)というフランス語(!)のガイドブック。内容はというと、”ブリタニア(イギリス)からインドまでを網羅したローマ街道の古地図を基に、街道のスイスパートを旅する為のガイドブック”なんですね〜。豊富な地図と写真が入っているので、眺めているだけで充分楽しい。読めないけど…。
このガイドブックを元に、今回はスイスのフランス語圏の温泉とローマ街道沿いの町をご紹介しましょう。(詳しい位置関係は文末の地図をクリックして頂けますと、分かるようになっています。)

フランス語圏の温泉地イヴェルドン=レ=バンYverdon-les-bains
クリックで拡大写真ヌーシャテル湖は、全域がスイス領にある湖としては最大(かのレマン湖はフランスとシェアしている)です。スイスのフランス語圏に属し、周辺のジュラ地方はかの有名なスイス時計産業の中心地。この風光明媚なヌーシャテル湖の南西端に、温泉街イヴェルドン=レ=バン(『バン』は温泉です)があります。

イヴェルドン=レ=バンの水質は硫黄とマグネシウムが溶け込んだ温泉だそうで、そういわれれば少し硫黄の匂いがするかな?というくらい。室内プール1つと屋外プール3つがあり、ジャグジーや流れる(?)プールまである近代的な温泉施設なんですが、いかんせん湯温が低かった。いしかわが訪れたこの日は非常に寒い日で、屋外のプールに入っていたら粉雪が舞ってきた。それなのに屋外プール温泉の湯温は34度。つまり体温より低い訳で、これは相当ぬるい。で、そうそうに切り上げてしまいました。
日本人にはちょっと物足りない(湯温がですよ!)温泉でしたが、スイス人や近隣のフランス人にはなかなか評判のようで、多くの家族連れで賑わっていた事をご報告しておきましょう。

クリックで拡大写真仕方ないのでイヴェルドンの街をぶらぶら。
実はもうひとつ楽しみにしてきた事があるのです。それがヌーシャテル湖で穫れるPerche(スズキの一種)の料理『Filet de Perche』。普段山の上の方に住んでいると、なかなか魚料理を口にする機会がないもんでね〜。日曜日ということでほとんどのお店は閉まっていましたが、数少ないレストランに飛び込みました。しばらくすると山盛りのフレンチフライ(これもうまかった!ドイツ語圏とフランス語圏だと料理法が違うのかな??)とPercheがでてきた!!。魚自体は淡白な白身なれど、レモンをぎゅっ!と搾って口に入れると、ジューシーな味わいが広がります。一気に平らげてしまいました。それこそ『堪能』なんて余裕はとてもなかったですね(笑)。

ヘルベチアの首都アヴァンシュ Avenches
イヴェルドンの街から電車で40分程の所にあるアヴァンシュは、かつてヘルベチア(スイスのラテン語名)の首都が置かれていた町だそうです。ガイドブックからそんな予備知識を仕入れていた いしかわは、どことなくアヴァンシュを京都や奈良のような古都と想像していました。が、列車から降り立ってみて唖然(あぜん)としました。
駅前にはカフェが一軒(しかも閉まっていた)しかないような、無人駅だったのです。 クリックで拡大写真

気を取り直して、町(?村?)を歩いてみました。中世に成立したような町はとても小さく、教会を中心に30分もあれば2〜3周できる程。ほんとうに慎ましい小さな町だな〜と思っていたら、博物館で昔の地図を見てまたびっくり。ローマ時代の城壁は現在の町のはるか遠方にあって、その外周は6km…。つまり昔の方がずっと大きな『街』だったのです。

そこでいにしえの街『アヴェンチクム(ローマ時代の都市名)』も歩いてみました。まずはローマ時代の共同浴場跡。でも現在は一面の牧草地…。
続いて城壁の一部にある塔に登ってみました。丘の上の塔からの見晴らしは素晴らしく、そこから現在のアヴァンシュの街を振り返ります。かつての『アヴェンチクム』は、隣接する湖から数キロも運河を引っ張ってくるぐらい繁栄していたといいます。夕日に照らされた『アヴァンシュ』は美しかったのですが、昔日の繁栄を思うと少し感傷的になる一場面でした。

18世紀の建物に泊まる
さて、そんなひなびた現代のアヴァンシュなので、宿探しに苦労するのではと事前に予約しておきました。選んだのがB&B(ベッドと朝食を提供する簡易宿)。
クリックで拡大写真インターネットで検索して、メールのやりとりをし、地図もダウンロードしてPDAに表示しておきました。が、宿が見つからない…。うろうろしていたら、犬の散歩をしていた地元の女の子が手招きしている。英語は通じないのですが、いしかわが宿を探しているのが分かったらしい。ついて行くと、『B&B』と手書き(!)の貼り紙がしてある扉の前まで連れてってくれました。どうやらこのB&B、客がある時だけこうして貼り紙をするらしく、いつも客が迷っているんですね…。全く…(笑)。

女の子には丁重にお礼を言い、ようやく宿にありつきました。
HPのうたい文句によると、このB&Bの建物は18世紀に建てられたらしい。つまり軽く200年は経っている訳で、確かに外観は古いけど、内部はリノベーションがきちんとされていて快適でした。2階(日本風なら3階)の客室1つ以外はオーナーさんが生活していて、オーナーさんのもてなしも温かく、『民宿』といった趣でした。まあ、こうした宿もいいもんだ。よく歩いたせいか、フカフカなベッドに横になるとすぐに深い眠りに落ちたのでした。

 

クリックで拡大写真データ:
『イヴェルドン=レ=バンYverdon-les-bains』 ヴォー州 Vaud
フランス語圏、ヌーシャテル湖畔の温泉地。
・ローザンヌから急行列車で片道約30分

『アヴァンシュ Avenches』ヴォー州 Vaud
かつてのヘルベチアの首都。
・ベルンからフリブールまで急行列車で約20分。ポストバスに乗り換えて約30分。
・またはローザンヌから列車でPayerneまで約1時間。別系統の列車に乗り換えて約15分。

 

『スイスの海水』で泳ぐ(2003/2/23)

さて、スイスのローマ街道を巡る旅ですが、今回はバーゼルBaselと温泉街ラインフェルデンRheinfeldenを巡るエクスカーション(小旅行)。

クリックで拡大写真バーゼルの起源アウグスタ・ラウリカ Augusta Raurica
スイス第2の人口を誇る大都市バーゼルは、ちょっと日本人の感覚では計り知れない街であります。なぜなら、この街には『スイス・バーゼル駅』と『ドイツ・バーゼル駅』と『フランス・バーゼル駅』という3つの違った国の駅があるからです(一部飛び地になっている)。不思議ですねー。もし、タクシーに乗って『駅まで』って頼んでも、『お客さん、どの国のバーゼル駅にしますか?』なんて聞かれるんでしょうか???

現代のバーゼルは、国際性を生かした見本市が有名ですが、ここを訪れる日本人のどれだけが、この街の起源を知っているでしょう?
バーゼルの街の起源は遥か昔、紀元前44年に建設されたローマの植民都市『アウグスタ・ラウリカ』だといいます。当時、ローマ帝国の最大の懸案事は、北方から侵入してくるゲルマン人でした。ライン川はゲルマン人の南下を防ぐ防御線とされたので、ライン川に面するアウグスタ・ラウリカは軍事上の拠点となったそうです。それにしても現在のバーゼルの繁栄を見るにつけ、この場所に都市を築いたローマ人の着眼点の鋭さに驚いてしまうのは私だけでしょうか。

アウグスタ・ラウリカの遺跡は現在のバーゼルからちょっと東に離れていて、列車で約10分程、大都市近郊の住宅街といった面持ちになっています。最寄りのカイザーアウグスト駅前にもさしたる建物はなく、通過してしまう列車の方が多いくらいです。例によって、看板に導かれるままにローマ博物館に行ってみました。

スイスの博物館は非常に理解しやすい展示になっています。特に今回のアウグスタ・ラウリカの博物館には、ローマ・コインの鋳造の仕方(いかにして等量の銀でコインを作ったか)や、ローマ人が何をどう食べていたのか(遺跡から発掘されたものから推察したようだ)などが、図解やビデオで紹介されていました。
面白かったのは、ローマ遺跡から出てきた『食べかす』と現代の食事の際にでる『ゴミ』の比較。昔の食べかすが骨や木の実の殻なのに対して、現代のゴミはビニール袋やペットボトルといった具合。こんな比較なら大人から子供さらには外国人!まで、直感的に分かるというものです。
道を隔てた向かいのローマ円形劇場では、夏になると野外オペラやコンサートなどが催されているそうです。遺跡が『生きて』使われているんですね。

クリックで拡大写真ビールと温泉の街ラインフェルデン Rheinfelden
アウグスタ・ラウリカのすぐ隣駅が、温泉街ラインフェルデン。
ライン川に面したこれまたコジンマリとした街ですが、ここもちょっと変わった街の構造になっています。実は橋を渡ったドイツ側にも同名のラインフェルデンという街があるのです。ちょっと『隣のラインフェルデン』にも行って来ましたが、日曜日という事もあって閑散としていたので、すぐスイス側に帰って来てしまいました(笑)。ちなみに国境ゲートではパスポートの提示も求められなかったです。

さて、温泉。スイスの温泉もいろいろ入ってきましたが、このライフェルデンの温泉Kurzentrum Rheinfeldem Sole unoが最も施設が充実していたように感じました。
まず大きな温泉プールは室内1つに屋外1つでありまして、他のエリアにサウナやハマム(トルコ式蒸し風呂)、ジャグジーなどが追加料金なしに楽しめます。また暖められたタオルも自由に使えるのがいいですね。その代わり利用時間が細かく設定されていて、1時間半で18フラン、2時間半で24フラン、4時間で31フランとなっていました。(‘03年3月時点)
ちなみに、ここには素っ裸で温泉に入れるエリアがありました。しかも当然(?)のように男女混浴。どうも日本人のお風呂感覚と違いますね。

クリックで拡大写真もうひとつ。この温泉には大きな特徴があります。成分にナトリウム、カリウム、マグネシウムが豊富に含まれていて、ナトリウムということは…、そう!ここの温泉は塩っぱいのです。『Sole』は『海水』の意味だそうで、泳いでいて気持ち良く浮く感じ。まさに海で泳いでいる感覚に近い!!。スイスで『海水』とは!。後で観光局でもらった資料によると、この街では製塩業も行っているそうですよ。

残念ながらこの温泉はローマ時代より後年に発見されたようで、直接ローマ人と温泉は関係ないようでした。後でライン川沿いを散策した際に見つけた小川は、源泉から流れ出たお湯が流れているようで、もうもうと湯気をたてていました。

クリックで拡大写真温泉旅行の締めは当然?ビール。この街の主要産業は、温泉ではなくてこのビール。全国的に飲まれているFELDSCHLOSSCHENのビール工場が駅向こうにドーンと建っています。スイスはワインも美味しいけど、ビールもとても旨い。そうそう、一緒に写っているミネラルウォーターは、前回紹介した温泉地イヴェルドン=レ=バンの水でARKINAというブランドです。

 

クリックで拡大写真データ:
『アウグスタ・ラウリカ Augusta Raurica』 アールガウ州 Aargau
バーゼル起源の古代ローマの街。
・バーゼルから列車で片道約10分、カイザーアウグスト下車。徒歩8分。

『ラインフェルデン Rheinfelden』 アールガウ州 Aargau
ビール製造と温泉で有名。塩水の温泉は一度お試しあれ。
・バーゼルから列車で片道約15分。

 

スイスでウィンターハイキング(2003/3/10)

スイスの中央部に位置するベルン州から、イタリアと国境を接するヴァレー州にかけて、厳しい山越えの古道があります。 標高2,322mのゲンミ峠Gemmipassを越えていくこの道は、中世からイタリアに抜ける最短ルートとして利用されてきました。あのシャーロックホームズの小説にも登場します。 今回の温泉は、ゲンミ峠の麓のロイカーバードLeukebad温泉。いしかわ、たびたびこの地には来ていましたが、今回は冬のゲンミ峠越えにチャレンジします。 クリックで拡大写真

景勝地にある温泉ロイカーバードLeukebad
標高1,411mにある温泉地ロイカーバードは、8っの源泉から51℃の温泉を一日に約400万リットル湧出しています。
村営温泉Burgerbadには10以上の温泉プールがあって、村内に宿泊すれば、21フランが19フラン('03年3月現在)に割引になります。ロイカーバードの温泉もまた、ローマ時代から利用されてきました。どうしてこんな山奥の温泉をローマ人が知ったのかは定かではありませんが、現代でも多くの湯治客を迎えています。

クリックで拡大写真村内にはもう一つ大きな温泉施設があります。ドイツ系企業リンドネルグループの経営するアルペンテルメLindner Alpentherme。料金は曜日と時間帯によって違いますが、3時間で13〜20フラン(ゲストカードは利用できなかった)。人々は優雅にジャグジーを使ったり、デッキチェアーで本を読んだりして、ちょっとハイソなイメージです。
かのマッターホルン初登頂者ウィンパーは、この地を訪れた時のことを『人々は湯に浸かりながら食事をしたり、本を読んだり、さらにはいい大人の男が若い娘を湯の中で追いかけ回している』と驚きを持って記しています。まあ、それが温泉の効能だったかどうかは別として、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを含み、リューマチや血行障害に効くんだそうです。

クリックで拡大写真ゲンミ峠越えのウィンターハイキング
ロイカーバードの露天プールに入りながら、標高差約1,000mのゲンミ峠の岩壁を見上げると、どうやってここを越えてきたんだろうかと素朴な疑問がわきます。それ位、南側から見上げる岩壁は大きく、垂直に切り立っています。冬は一面雪に覆われ、雪崩の危険も多い為、峠に至る岩壁に沿った細いイナズマ型のジグザグ道は閉ざされています。しかし、夏になり雪が溶ければ、この山道もハイキングして楽しむことが可能です。

今回はロープウェイを利用して(所用時間5分)、ゲンミ峠(2,322m)に立ちました。峠のてっぺんにはホテルBerghotel Wildstrubelとレストランがあって、食事をとりながら、遠くマッターホルンをちょっと見慣れない角度から眺められます。
一方、北側の展望はなだらかな雪面が広がっています。夏ならそこに大きな湖Daubenseeが広がっているはずですが、冬は凍結して雪面が広がるのみです。この雪面に、クロスカントリースキーのコースと圧雪されたウィンター・ハイキングコースが設置されています。 クリックで拡大写真

いしかわが歩いた日は、日曜日、晴天、無風ということもあって、ハイキングコースは、子供連れから老夫婦まで多くの人で賑わっていました。

事前にコースの勝手が分からなかったので、いしかわはどんな雪面にも対応できるように、スノーシュー(西洋カンジキ)を用意しました。しかし、整備されたウィンター・ハイキングコースは歩き易く、こんな大仰な装備をしているハイカーは他にいませんでした(笑)。東洋人が変な靴を履いて歩いてくるもんだから、みんな振り返って見ていたっけ。

クリックで拡大写真起伏のない雪面を一時間程歩くと、湖のちょうど対岸に到達。ここから少し登り返し、谷道を30分も行くと、このコースの中間地点に位置する山小屋Berghotel Schwarenbachに到着します。この山小屋、看板に趣がありますね〜。昼時ということもあって、満席。残念ながらコーヒーにも有りつけませんでした。なんせスイスの人たちはランチの予約を入れて、ジャケット着用でカンデルシュテークから歩いてくるのです。スイスの山小屋にはこういったグルメな山小屋は多く、冬のリゾートの楽しみとなっているのです。それにしても本当にスイスの人はよく歩くんですね。

さて、山小屋を過ぎて、ぐるっと回った辺りから次の展望が開け、眼下にはSpittelmatteと言われる所(多分、夏は沼地。何しろ冬は一面雪に覆われている)が見えます。さらに進むと通常のスキーゲレンデを横切り、シューンビュールSunnbuelのロープウェイ駅に到着となります。

ゲンミ峠の頂上からシューンビュールのロープウェイ駅まで約2時間。天候が良ければ雲上の散歩道です。冬にスイスに行く機会があったら、ぜひお試し下さい。

 

クリックで拡大写真データ:
『ロイカーバードLeukebad』 ヴァリス州 Valais/Wallis
標高1,411mの景勝地にある温泉街。
・ジュネーブから列車で片道約2時間30分。さらにロイク駅からバスで30分。

『ゲンミ峠Gemmi Pass』 ヴァリス州 Valais/Wallis
シャーロックホームズも越えた?山道。ウィンターハイキングにも最適。
・ロイカーバードからロープウェイで片道約5分。峠越えのウィンターハイキングは約2時間。

 

スイスの片田舎の温泉とポストパス(2003/3/11)

いしかわ、大いに迷う
クリックで拡大写真スイス国土の中央部に、サンゴッタルド山塊という大きな山脈が横たわっています。ここにはラインRhein川やローヌRhone川といったヨーロッパ一級の大河の源流があって、スイス人にとって特別な思いのある山だそうです。 そんなサンゴッタルド山塊の東側の、セドルンSedrunという町を訪れました。氷河急行も通過してしまう小さな町…。でも温泉が湧いているらしいのです。
あまり予備知識なしにフラリとやってきました。(従って今回の温泉は『ローマがらみ』はなし。)そうしたら、いきなり道に2回も迷ってしまいました(汗)。

町はすごく小さいはずなのに、まず温泉までの道に迷ってしまいました。いい訳させてもらうと、温泉への道に表示はあったのですが、途中線路の保守用通路みたいなところを通らなくてはいけない、すごい道だったのです。日本人の感覚として、『こんなところ通るのか??』って感じで、何回も戻ってはここでいいのかウロウロしてしまいました。
結局、ご近所のスイス人の方に、その道で正しいと教えてもらいました。でもその案内方法は『その近くまで行けば臭い(硫黄の臭いかな?)がするから分かるわよ』って…。まあ、何とかたどり着きましたけどね(笑)。

クリックで拡大写真セルドン温泉は屋内の25mプールを区切って、ジャグジーと流れるプールのコーナーを作ったような、今までで見てきた温泉の中でも最も簡素な施設です。他にお客さんが全くいなかったので広々使えたのと、スイス人の憧れなんでしょうか?作り物のパームツリーがプールに生えているのに好感を得ました(?)。
また、これらの施設を監視する『バート・マイスター(和訳すると温泉親方かな?)』(本当にそう看板に書いてある)のおじちゃんがなかなかいい味を出してます。でも、この施設の一番の売りは景色。川沿いの高台に温泉がある為、向かいにアルプスの雄大な風景が広がって見えます。
もっとも、いしかわが温泉から出たのと入れ違いに、子供スキー教室の生徒60人が一気に入ってきました。もし、この子たちと一緒だったら…、印象も随分違ったでしょうね。

HPに書いてある『アドレス』を訪ねてみたら…
さて、いしかわ。この町でもう一度道に迷います。
予約したホテルがわからないのです。焦って探しまくった結果、なんとホテルは隣駅にあることが判明。これじゃみつからない訳だ。 ここでもいい訳させてもらうと、いしかわはホテルのHPを見て電話して予約し、『アドレス』を控えてきたのでした。しかし、この『アドレス』がくせ者だった。この『アドレス』は郵便の為のアドレスであって、場所を特定する『住所』じゃなかったのです。

よく分からないですか?スイスの山村では、皆さん私書箱みたいなものを郵便局内に持っておられるんですね。つまり、このホテルはセルドン町の郵便局に私書箱があって、実際の住所は隣町だったのです。いしかわは郵便用の住所(というか私書箱の所在地)を見て、勝手に『ああ、ホテルはセドルンにあるんだな』と勘違いをしてしまった訳です。

クリックで拡大写真郵便受けが郵便局内にあるというのは、不便なような気もしますが、実際スイスの『ポスト(郵便局)』というのは多様な業務をこなしていて、スイス人は一日に一回お世話になるような所なんです。
まず銀行業務(まあ、これは日本も同様)。それからスイス全土を網羅するポストバスの運行があります。そもそもは郵便を運ぶ馬車に、人間の方があいのりしたのがバスの初めなんですね。だから、今でも乗客が乗るバスで郵便物を運んでいるし、かならず郵便局の前に停留所があって、郵便局内で切符も販売しています。また、局内では文具や携帯電話の販売なんかも手がけています。携帯電話の価格は他の店より1〜2割は安かったですね。

さて、話しを戻して、時間もあったので、のんびりローカル線を待ち、隣駅まで自力で行きました。オーナーのおじちゃんは『電話くれたら車で迎えに行ったのに…』と言ってくれて、実際、翌朝は隣駅まで車を出しくれました。

いろいろな失敗も旅の良い思い出になる。というのは『いい訳』というか、やっぱり『強がり』に聞こえますか?(笑)。

 

クリックで拡大写真データ:
『セドルンSedrun』 グラウビュンデン州 Graubunden
小さな町の小さな温泉。それ以上でもそれ以下でもない。
・チューリッヒからクール経由列車で片道約3時間。停まる列車が少ないので注意。

 

有名建築家の作った温泉…(2003/3/12)

スイスの南東部に位置するグラウビュンデン州には、多くの温泉や鉱泉が沸いています。
そのひとつヴァルスValsの温泉を訪ねました。

クリックで拡大写真Valsの村はIlanzの駅からバスに乗って40分程かかります。途中の谷筋は細く、こんな山奥に村があるのかとちょっと心配に思う頃、ようやく谷が開けてValsの村に到着します。こんな山奥にある村ですが、実は2つのことで、スイスのみならずヨーロッパでは有名な村なのです。

ひとつは『VALSER』という商品名で知られるミネラルウェーター。大抵のスイスの町には、このグリーンの『VALSER』の広告を見かけるのですが、村の入り口にこの『VALSER』の工場があります。
もう一つが温泉です。スイスの著名な現代建築家ツントー Pertrt Zumthorが設計した温泉施設Felsen-Thermeは、その筋(どの筋だ!?)では非常に有名で、この建物だけをわざわざ見に来る人も多いんだそうです。スイスというのは、狭い国土の割には多くの建築家を輩出する国で、かのル・コルヴィジェもスイス出身です。

『温泉』と『予約』
さて、温泉施設Felsen-Thermeの受付に立った時、こう尋ねられました。「予約はしていますか?」 クリックで拡大写真

「は?」

思わず、受付嬢がドイツ語で何か別の事を尋ねたのかと思った位です。でも、やはり『予約』を確認している…。そこで予約はないと言うと、『インターネットで予約できますので、次回からは予約してください。今日はまだ空きがありますから大丈夫です。』ですって…。
28フランといういささか高めの料金設定の入浴料を支払いながら、いしかわは思いました。『温泉にリザーブ(予約)とは…。』いしかわも、いろんな国の温泉を入ってきましたが、『温泉』の『予約』とは初めての経験です。

確かに建物は実に凝っています。脱衣所は『黒と赤』を基調としたダークな雰囲気。施設全体は地元産の石を利用し、小箱を積み重ねたような建築構造。さらに温泉の方は、14℃から42℃までの7つの温泉が、小箱のような部屋で楽しめます。
例えば『Flower Pool』は花びらをあしらったハーブ温泉になっていて、リラックス効果がありそう。でも、いしかわのお気に入りは『Fire Pool』と名づけられた42℃の温泉。日本人にとってはようやく『温泉』の温度だが、こちらの人にはいささか熱いらしい。何人ものスイス人が、足先だけつけてビックリした顔で出ていきました(笑)。もちろんサウナやジャグジーも完備しています。屋外プールからは周辺の雪を抱いた山々が眺められます。
クリックで拡大写真そうそう、飲用コーナーもあります。いささか鉄分が多い?鉱泉が、好きなだけ飲めます。多分、市販の『VALSER』と同じ成分の水が…(笑)。

屋外の温泉プールも良かったですね。いしかわが訪れた時は春先だったので、周辺の山から雪解けの雪崩の音が『ズーン、ズーン』と響いていました。普段(?)こんな音を聞くのは、明日の登山にビビりながらテントの中で聞くのが常なんですが、安全地帯で温泉に浸かりながら聞いていると、素直に『春が近いな〜』という感想しか浮かびません。

一方、湯上がりにそぞろ歩く村の雰囲気も、素朴でいい感じです。いしかわは村に数軒しかないホテルが取れたので、そこに泊まりましたが、民宿もあるそうなのでそんな所に泊まるのも楽しいんじゃないでしょうか。ちなみにホテルの部屋には、『VALSER』がウェルカムドリンクとして置いてありましたよ。

まあ、現代的でスノッブな雰囲気の温泉と、スイスの田舎の雰囲気の両方が楽しめる貴重な村でした。

 

クリックで拡大写真データ:
『ヴァルス Vals』 グラウビュンデン州 Graubunden
のんびりとした温泉町と現代的な建物の温泉施設の対比。
・チューリッヒからクール乗換えでIlanzまで列車で2時間30分。Ilanzからヴァルスまではポストバスで約40分。

 

一つのチョコレートショップと二つのローマ道と三つの温泉(2003/3/15)

ローマ時代に数多く開かれたスイスへ至るローマ街道。その内、ミラノからアルプスを越えていく街道が二つあったそうです。それが『Obere Strasseオーベレ=シュトラーセ』と『Untere Strasseウンテレ=シュトラーセ』。
まず『Obere Strasseオーベレ=シュトラーセ』側からみていきましょう。

2回オリンピックを迎えたサンモリッツ
クリックで拡大写真ミラノを出た街道はコモ湖を経てSt.Moritzサンモリッツへと入って行きます。サンモリッツといえば、過去2回オリンピックが開催された冬の高級リゾート地。
街には毛皮をまとったお金持ち(最近、日本じゃこんな方々を『セレブ』っていうんですかね?)を見かけます。そんなサンモリッツのHPを見ていたら『SPA』の情報を発見。『SPA』っていったら『温泉』だよな〜。ということで、早速訊ねてみました。

クリックで拡大写真サンモリッツはサンモリッツ湖畔に広がる街。BAD(温泉)地区というのがあるので、そちらの方へ出掛けてみました。おお、あった。『HEIL BAD』の看板が。一階のフロアーには飲用の鉱泉が湧いていて、こりゃ楽しみ。どこが受付で更衣室だろ〜。ウロウロ。しかし、さっぱり見当たらない…。
最後は職員みたいな方に直接聞きました。すると、ここは温泉プールのようなものはない。とのこと。がーん。温泉療法の施設だとのことでした。むむむ〜。どうりで先程からご老人の方が多い訳だ。

しかし、気を取り直して温泉療法は体験できるか聞きました。今まで入って来たスイスの温泉施設には大抵マッサージや温泉療法の施設は併設されていましたが、いしかわはもっぱら温泉プールを楽しむばかりで、温泉療法は利用していなかったのです。ここいらで経験しておくのも良いかな。飛び込みOKだったので、一番シンプルなコースをお願いしました。

クリックで拡大写真まず問診しながらハーブの種類を選びます。まあ、特に身体に悪い所はなかったので、ラベンダー(リラックス効果がある)になりました。素っ裸になり、ステンレス製のラベンダー風呂に入ります。泡がでてきてジャグジ−状態になりました。15分くらいでしょうか。ちょっと夢心地の頃、ジャグジーは終了。その後、超巨大なバスタオル(いしかわは身長180cm以上あるんですが)にすっぽり包まれて、別室のベッドに横になります。じんわり汗が滲みます。しかし、そんな不快ではない。なんとも身体の中心から温まるような感じでした。ここでも15分くらい横になったのでしょうか。うとうとしかけた頃、声がかかっておしまいです。 外に出たら心無しかスッキリしたような…。

勢いで、チョコレートで有名なハンゼルマンス=コンディトライ=カフェ(HANSELMANNS・KONDITOREI・CAFE)に行って、チョコとコーヒーで『ハイソ(どうも『セレブ』って言葉が馴染まないんですね。ここは90年代風に)』な雰囲気を楽しみました(笑)。

なーんにもない温泉
さて、『Obere Strasseオーベレ=シュトラーセ』は、サンモリッツを出ると西に向きを変え、ユリア峠を越えクールChurに向かいます。ちなみにユリア峠Julier Passの『ユリア』は、あのユリアス=シーザからつけられた名前だそうです。
クリックで拡大写真ここらへんにも温泉はないかな〜と捜していたいしかわは、ガイドブックに温泉の記述を見つけたのでした。その場所はAlvaneuアルヴァノイ。スイスの鉄道の写真でよく出てくるランドヴァッサー橋近くにある硫黄温泉です。事前の情報がほとんどなかったのですが、行ってみれば最近リニューアルしたばかりの、きれいな温泉でした。

屋外の温泉に入っていると、時より赤い氷河急行が通り過ぎていきます。(残念ながら、ランドバッサー橋はここから見えない)あたりには町らしい町も無く、のんびりと温泉に浸かるにはもってこいでしょう。 おかげで危うくバスを乗り過ごすところだった(汗)。

静かな峠道沿いの温泉 クリックで拡大写真
さて、もうひとつのローマか街道が、コモ湖からSplugenシュプリューゲン峠を越えてクールへ抜けた『Untere Strasseウンテレ=シュトラーセ』という街道です。
こちらの街道にも、Andeerアンディールという温泉地がありました。

村の入り口にローマ風のこんなモノを見つけたんですが、これは本物かな〜(笑)。とりあえずパチリ。村は小さいけれど明るくて落ち着いた感じです。農家が直販なんかもやっていて雰囲気よかったですね。

クリックで拡大写真アンディールの温泉『BOGN DA CURA HEILBAD』は屋内25mプールが備えており、いしかわが行った時は子供のプール教室をやっていたりして、地元の人に恒常的に利用されている温泉。
ただ、裏の大木が屋外プールを覆っていて、日陰になるとちょっと寒かったですね。それ位水温はぬるくなっています。
人が少ないので、デッキチェアなんかもゆったり使えて満足の温泉でした。

 

 

クリックで拡大写真データ:
『サンモリッツ St.Moritz』  グラウビュンデン州 Graubunden
スイスの高級リゾート地のひとつ。
・チューリッヒからクール経由列車で片道約4時間。Bad(温泉)地区へはバスで5分ほど。

『アルヴァノイ Alvaneu』   グラウビュンデン州 Graubunden
下車駅Filisur フィリズールの手前では有名なランドヴァッサーの橋が見られる。
・チューリッヒからクール経由フィリズールまで列車で片道約3時間。ここから温泉まではバスで10分。

『アンディール Andeer』  グラウビュンデン州 Graubunden
田舎の温泉。ミニチュアみたいな町。
・チューリッヒからクール経由Thusisまで列車で片道約2時間。さらにバスで30分。

 

スイス最東部の温泉、そしてオーストリアへ(2003/3/17)

クリックで拡大写真

いよいよスイスの最も東にやってきました。
エンガディンと言われるこの地域は、スイス唯一の国立公園のある場所。不思議な話しですが、スイスの国立公園はここにしかないのです。そう考えるとスイスの他の地域は人の手が入ったり、目につかないけど何らかの開発がされた自然なんですね。
イン川沿いのシュクオルScuolは、白い壁の家並みの続く美しい街です。さらにこの白い壁を美しく飾っているのが、『スグラフィッティ』と呼ばれるこの地方独特の模様。街中のどこを歩いていても絵になるので、つい写真を撮りすぎてしまいます。

近代的な温泉施設Bogn Engiadina Scuol
クリックで拡大写真街中には小さな水飲み場がそこかしこに見られます。他のスイスの街でもしばしば見られる水飲み場ですが、ここシュクオルの水場の蛇口は必ず2つ。そして出ている水質は明らかに違っています。そうです。この街にも温泉が湧いていて、これは飲用の鉱泉なのです。

温泉施設はイン川沿いの傾斜地をうまく利用して作られていました。屋外プールからの眺めもよく、エンガディンの山並を見ながらのジャグジーは至福の一言。内湯(?)も非常に近代的で、サンタンコーナーが自由に使えるなど至れり尽せりでしたね。

街中のレストランも数は少ないのですが、どこもこじんまりしていて温かいサービスが受けられました。この街はイギリス人の観光客によって発展したと言われているので、他の小さな街にしては英語も問題なく通じます。

クリックで拡大写真今はまだまだスキーシーズンなのですが、季節の良い時にこの周辺でハイキングなどして温泉に入れたら最高でしょう。そんな気持ちになって、観光局で季節はずれのハイキングマップを買い求めてしまいました。(観光局のおじさんは嫌な顔ひとつせず、裏のストックから『夏のハイキングマップ』を出して来てくれましたよ。)再訪を誓った街シュクオルでした。

さて、明日はバスで国境を越えてオーストリアへ向かいます。さらにインスブルックあたりでチケットを入手して、ネパールに飛ぶ予定。 温泉に浸かって命の洗濯もしたし、がんばっていきますか!!。

 

クリックで拡大写真データ:
『シュクオルScuol』 グラウビュンデン州 Graubunden
手つかずの自然と近代的な温泉、そして素朴な人々。
・チューリッヒから Landquart乗換えでScuol-Tarasp駅まで列車で3時間強。

 

ネパール国旗次の国の記録へ

 


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