ガーナといえばカカオですが

 

 ガーナと聞いて、日本人が必ず連想するのがロッテの「ガーナチョコレート」である。それ以上でもそれ以下でもない。私も、ガーナ派遣が決まったときにはこの程度だった。

 任地ドンコクロムはカカオ栽培に適した気候で、カカオ畑を持っている同僚もいた。
「うちのカカオ畑に遊びに来ないか」
との誘いに行ってみると、何のことはない、単に収穫の手伝いをさせられるだけなのだ。

 Y字形の刃のついた竹竿で、黄色く熟したラグビーボールのようなカカオの実を突き落とす。これを割るとカカオ豆が20個位並んで入っている。豆は白い粘膜に包まれていて、そのまま口に入れてしゃぶると甘くておいしい。

 私はこれが大好きで、飽きもせずいくつもほおばっていた。すると、
「カカオの実は一日に一個しか食べてはいけない」
と注意された。確かに、食べ過ぎると舌がしびれてあごが疲れてくるようだ。だからそんなことをいうのだろうか。あるいは、貴重な換金作物を浪費してしまうのを戒めているといえば深読みしすぎか。

 この豆を干して粉にすると、チョコの原料となる。実はガーナでも国産「ガーナチョコレート」がある。素朴でいい味なのだが、一枚200セディ(日本人の感覚でいうと1000円以上)もするので、庶民は気軽に食べられない。

 ガーナは今やカカオ生産量世界一の座を明け渡して、国際価格の下落もともない、苦戦している。植民地的作物という問題はあるにせよ、ガーナのカカオを救うなら、伊藤園の缶ココアを飲むことをお薦めする。「ガーナ産カカオ」を謳っているのはこれだけであろう。

 

青年海外協力隊東京OB会報掲載


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