本日読んだ本



『違和感のイタリア』八木宏美(新曜社)¥2,700
続きを読む

トリノ大学で教鞭をとるイタリア在住30年の著者が人文学的観察記としてイタリア生活で感じたイタリアを論じる。
タイトルからすると「ここが違うぞ!?」的な内容を想像しがちだけど、ここで言う違和感は特異性とでも言い換えた方が良いかもしれない。
イタリア近代史を中心に歴史を俯瞰しながらイタリアの国家や国民性がどのように形成されていったのかを人文学的視点から判り易く説明してくれる。

序 章 イタリアとの出会い
第1章 教育を受けない自由
第2章 人文学とは何か
第3章 カトリック教と地域コミュニティ
第4章 封建領主をめざしたブルジョワたち
第5章 愛国心とフィアットで育ったイタリア市民
第6章 イタリア最後の王 ジャンニ・アニェッリ
第7章 ムッソリーニとファシズム
第8章 戦争とレジスタンスの後遺症
第9章 マフィアと談合

イタリアに興味ある人は上記項目を見れば一読したくなると思う。
一般的に我々日本人にとってイタリアのイメージは「太陽の国イタリア、愛と歌と美食の国イタリア、歴史と伝統と芸術の国イタリア」という感覚がある。
しかし、中世封建社会に端を発する完全なる階級社会、リソルジメント(イタリア統一戦争)、2度の世界大戦とファシズムの台頭、ナチスの占領とレジスタンス、などの残虐で過酷な過去がつい半世紀前まで暗い影を落としていたと言う史実をあまり意識したことはないと思う。
それらの歴史がイタリア、あるいはイタリア的考え方にどのように影響を与えて今のイタリア社会が出来上がったのか、非常に興味深く読む事ができた。



P.S.
誕生日おめでとう。

Posted: 土 - 3 月 7, 2009 at 06:52 午後           |


©