本日読んだ本



『丁子と肉桂のガブリエラ』ジョルジェ・アマード(尾河直也訳)彩流社(¥3,500)
今日は朝から一歩も外に出る事なく読書三昧で一気に大作を読み上げた。
なんとなくそうかな?という予備知識なしに読み始めたけど、すぐに分かった。
続きを読む

Tom Jobimが作曲し、Gal Costaが歌ったサウンド・トラック「Gabriela」の映画の原作。
映画の方もVHSなら日本でも手に入る。
「丁子」とはクローブ、「肉桂」とはシナモンの事。

主演はマルチェロ・マストロヤンニとソニア・ブラーガ。
マストロヤンニ演じるバールの経営者ナシブは原作ではシリア人。
カカオの栽培、輸出で急激に近代化するバイーアよりさらに奥地の都市の物語。
港の整備が不十分でカカオの輸出はバイーアに頼らざるを得ない。
そんな港の近代化を巡る政治闘争を縦軸に街の人々の生き方を横軸に織り込んで物語は進む。
ある朝、起きた殺人事件。
妻を寝取られた地元の名士が妻とベッドの中に居た男を射殺する。
名士は「男としての本懐を成し遂げた」そう認められる風潮が色濃く残る発展途上の街。
その朝、ナシブは料理女の老女に出て行かれてしまう。
ナシブが奴隷市場(と呼ばれる場所)で見つけたガブリエラは美しい花の蕾だった。
ガブリエラが作る料理は最高でバールの常連客、街の男達は全てガブリエラの丁子の香りと肉桂の肢体の魅力の虜になる。
ナシブが欲望を抑えきれなくなるのは時間の問題だった。
ガブリエラもナシブの愛に応えて夢のような日々が始まる。
しかし、ナシブはガブリエラの奔放さに苦しみ始める。
ガブリエラに自分だけを見つめてもらうためにはどうすべきなのか・・・
その時、バールの常連であり、友人である長老の息子、公証人トニコがナシブにガブリエラとの結婚という考えてもみなかったアイデアを提供する。
ガブリエラは料理人であり、使用人。地元の常識では考えられない。
ナシブは悩み決断する。
彼らは街中に祝福されて結婚する。
しかし、それからナシブにとってもっと深い苦悩の日々が始まる。
街の発展に従い、ナシブの店が街の名士の間の潤滑となってナシブの政治的役割も必然的に高まる。
ガブリエラはもはやただのガブリエラではなく、ナシブ夫人として生きなければならない運命だった。
ガブリエラに求められたモノは上品な佇まいと教養。ガブリエラは変わる事を強要される。
しかし、ガブリエラの奔放さは留まる事を知らなかった。
ある日、ナシブはレジの金を盗もうとした使用人の若者を見つけ殴る。
彼は信じられない噂をナシブに伝えて逃げさる。
ナシブが急いで家に戻って目撃したのはベッドに二人で居るトニコとガブリエラだった。
ガブリエラに出会った朝の事件がナシブの脳裏に過る。
しかし、街は既に十分に近代化し、ナシブは文化人だった。
ガブリエラとナシブの結婚には盲点があった。
干ばつの奥地から逃れて来たガブリエラには名前も生年月日も証明する書類が何もなかった。
それを捏造したのはトニコ本人だった。
かくしてナシブとガブリエラは一度も正式に結婚したと言う事実がないまま離婚が成立する。
この辺で止めときます。
続きは本か映画で。
ただし、映画のエンディングはかなり原作を端折っている。
原作の最後の2行。
「ナシブとガブリエラの物語はここで終わる。胸の裡で灰と眠っていた焚き火から、愛の炎が再び燃え上がった所で。」

Posted: 土 - 11 月 8, 2008 at 02:39 午後           |


©