keep the water free!



沖縄から、東京まで戻って、議会の視察一行と別れ、カナダBC州から来ている環境NGO  Friends of clayquot sound のジョー、娘のジゼル、そして同行しているカヌーイスト、ダンルイスに会う。ジョーは、伝統的な海のカヌーの彫刻家。そして、彼がつくったカヌーを娘のジゼルが操り、カヌーガイドをしている。その日、彼らが拠点にしている代々木のJATANの事務所の近くのマンションの一室。訪れると、ジョーが一人で、食事のメインディッシュを準備していた。なんでも、クジラ料理だそうだ。セバンらとともにその日の朝にいってきた築地市場でのショッピングで彼らはクジラを買ったのだそうだ。
 しばらくすると頭の回転が早いウイッティーで早口の白人と女子大生のような女の子が現れた。ダンとジゼルだ。ジゼルは若く美しい大きな瞳をもつ女の子で、バークレーのあたりやグローバルグリーンなどに集まっていた、いまどき風なんだけどとても物事を良く考えている、ポジティブなエネルギーを感じる娘だった。
 ジョーは、伝統的な先住民の家系。浅黒い肌で目が大きく、アイヌ系といった感じ。このカヌーは、3艇でうみに漕ぎ出して、クジラをとるんだ。と語り、紙にそれに使う槍の作り方や構造を書いて詳しく説明してくれた。日本の自然環境や東北の文化や月山についてなどなどいろいろ伝えてみた。彼らの文化。そして、彼らが、森を守り続け、古い伝統的な技術を復興させる行動。クレイコットサウンドの森から質の良いマホガニーを使って、伝統的なカヌーを彫りそれを使って海をガイドする。
 僕がカヌーのパドルを握るとき、何か、川と共存してきた人のいにしえの時を感じると同じように彼らは同じように伝説の事を今復元させて文化を復興させているのだと難じた。僕らがこの5年間やり続けてきた月山炎のまつりもそれと同様の事なのだということを踏みしめながら僕は彼らに説明をした。
 クジラ肉料理を食べながら、とても貴重な2時間を僕はすごした。次の日は、東京大学の農学部にある弥生講堂で、インドネシア、パプアニューギニア、ロシア、そしてカナダの森林伐採問題を語り合うシンポジウムがおこなわれた。次々と画面や言葉で映し出される、カネまんなかで推し進められる巨大開発と人権侵害、社会的理不尽の現場。講演の後でダンやジョーと分かち合ったのは、先進国といわれるカネもうけのために、各地で先住民の土地が政府に搾取され、その木が伐採され、また道がつくられ、土砂が流出し、保水力が弱まり、そして、巨木が次々と失われて、今、伝統としておこなわれてきた、それぞれの地域の木材を使ってのカヌーづくりができなくなっている。
 僕がうちで使っているオールドタウンのキャンパーを見せると、みんなに「タッパーウエア」だと一笑されてしまった。’
ガイアシンフォニー3版で、ナイノアトンプソンが復元しようとしたホクレア号のストーリーでも、ホクレアを復元する木がハワイになくててアラスカのボブサムのところかプレゼントしてもらうのだった。
 今回、プレゼンてーションをしたどの先住民にもカヌーの文化をもちあわせていた。その文化が、カヌーを掘る巨木を失うことによってなくなろうとしている。日本をはじめとする先進国といわれるところでの搾取をとめないといけない。
 東京大学の講堂でのシンポジウムの後、神楽坂の定食屋さんでご飯をたべながら、話をした。地下鉄の駅での別れ際、手をふりながら、keep the water free! とジョーが一言。そのとおり。と僕は手をふった。

Posted: (日) - 11 23, 2003 at 02:32      


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