沈黙の90分間。完敗の向こうに光はあるか?

 

2002年ワールドカップにむけた代表強化試合シリーズ第一戦。欧州そして世界王者のフランスにとってホームで迎えるアジアチャンピオンはまったく敵として役者不足であった。90分、沈黙を続けての0-5という屈辱の完敗。次につながるものははたしてあったのか...?


 西澤のワントップ、伊東・稲本・名波のトリプルボランチの布陣で王者に臨んだ日本だったが、結果は惨憺たるものだった。

 開始からフランスは日本ペナルティ・エリアに殺到した。圧倒される日本は9分、ピレスのドリブルを松田が倒して早くもPKを与えてしまう。ジダンが左ポストに当てながらもこれを確実に決め、浮き足立つ日本を後目にフランスは余裕の先制点をあげた。

 続く12分ピレスのフィードに反応したアンリがフラットスリーの裏を突く。放ったゴロのシュートは弱かったがキャッチしようとした楢崎が体に当てながらわきの間から後ろへそらす痛恨のミス。コースを変えたボールはゴールの中に転がり込んだ。水含みのグランドは迷うことなくホームチームに味方した。

 2点目が入りフランスは明らかにペースを落とした。しかしボールを支配するのは常にフランス。ピッチに足を取られるのは日本の選手ばかり....

 20分、プティのクロスからデュガリーがヘッドで狙うが楢崎がセーブ。26分、ピレスのカウンターを服部が何とか止める。28分、ジダンCKをデュガリーがヘッドで折り返しフリーのアンリへ。シュートミスに救われる日本。

 29分、今日の日本のハイライトが早くも訪れた。デサイーの横パスを西澤がインターセプト、絶好のタイミングでヒデにラストパスを送ったが、ヒデのシュートはポストに嫌われた。

45分、名波が左サイドを突破したがクロスボールが中田に合わない....

 後半、俊輔に代えて三浦淳、明神に代えて高原を投入2トップに移行したが、これもまったく機能しない。

 9分、ジダンの右CKをファーのシルベストルが折り返し、フリーのビルトールが至近距離からのヘッドで3点目。これはオフサイドトラップだったのか..手を挙げる松田とゴールマウスに残る三浦...

 17分、またしても一本のパスで裏を取られる。ビルトールのパスにトレセゲが抜け出し、飛び出すタイミングを誤った楢崎を軽くかわしゴール。なんと4-0。

 最後は23分、日本のCKのこぼれ玉からのカウンター。あっという間に4-2の状況を作ったフランスがビルトールからミクーとつなぎ、最後はトレゼゲが稲本の必死のチャージをかわしゴール。5-0

 後半唯一の見せ場は30分、名波のパスを受けた中田英がミドルを狙うがGKがセーブし、コーナーに逃れた。

 城、望月、中田浩、中沢とピッチに飛び出したが、三浦淳のドリブルからの切り込みが多少目立った程度でまったく日本の攻撃は形を成さないまま試合終了。5-0とスコアもワンサイドだが、内容を見ても文字通り何もできないままの完敗だった。



 フジテレビによる時間差録画放送を観戦したのだが、もう後半途中で緊張感も興味もすべてなくなってしまった。日本はボールを追うものの、単発でフランスに軽くあしらわれるばかり。スリーバックも簡単に裏を取られて失点を繰り返し、攻撃の形はほぼ0。いくら欧州スカウトにアピールしたくても材料なしといった状態。トルシエ曰く「完全にフィジカルで負けた。体力の限界が見えた。このグラウンド状況で、唯一しっかりとプレーできたのが中田英だ。あとは厳しい。」.........そりゃ個人個人としての力量の差はある。そんな状態でも監督にはゲームとして興味を失わないような采配を.......やはり期待できない。無理だ。5点差をつけられた事が現実だというなら、それはチーム力としての差として認識せざるを得ない。この監督でこの年数をかけてこのメンツでこの戦い方をするとこの結果がもたらされるという........やはりトルシエではこの辺りが限界なのでは....そんな気がしてならない。
   

先発フォーメーション

46分 三浦淳(中村 out)
46分 高原(明神 out)
69分 城(西澤 out)
69分 望月(稲本 out)
72分 中沢(森岡 out)
77分 中田浩(服部 out)
 

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