

脳の表面に沿って、電極を海馬のすぐ近くまで挿入します。
電極を留置後は、いったん手術創を閉じます。
数日間、24時間連続して、留置した電極よりビデオ脳波モニタリングを行います。
これにより、てんかん焦点の分布が正確に診断され、この結果に基づいて治療的手術を施行します。
側頭葉てんかんの外科的治療法は側頭葉切除術と呼ばれます。
基本は、海馬を中心とするてんかん焦点を一塊として切除する点にあります。
なるべく焦点のみを選択的に切除する方法がいろいろと工夫されています。
手術は、手術用顕微鏡を用いて行われるので、安全性は極めて高いものです。
半身麻痺や言語障害などの後遺症はきわめてまれで、ほとんど起きる可能性はないと考えてよいでしょう。
→ (「てんかんの手術法」を参照)
しかし、左側の手術では、術前のMRIで海馬の萎縮が存在しないと、手術後に記憶力の障害が出現する可能性があります。
この後遺症は、側頭葉切除術に伴う最大の問題です。
われわれは、この問題を解決するためにいろいろと工夫を重ねてきました。
最近になって、左側の側頭葉切除術でも記憶力を温存できる方法を開発することができました
どのようにてんかん焦点を選択的に切除しても、海馬を切除する限り術後の記憶力障害の問題は解決できません。
われわれは、海馬を切除しないで、MST手術と同様な方法を用い海馬を切除しないで、てんかん焦点を抑制する方法に成功しました。
この手段では、記憶の神経線維は温存されるので、手術後に記憶力の障害が出現しません。
記憶力障害が出現しても、半年以内に回復するデータが得られています。
また、手術成績も、海馬を切除した場合と比較して、全く差がないことも証明されています。