ある日の昼下がりの星輪店。アラカンとアラフィフの暇なおっさん二人がお茶を啜りつつくっちゃべっていた。内容は,「グランフォンド飯豊もいいけど,もっと峠を入れてきつくて長いコースに出来ないかねぇ?」というもの。チームホシ内のM企画担当としては,獲得標高 2500m 程度のぬるさでは満足できなくなっているのである(笑)。アラカンオヤジ曰く「グランフォンド飯豊のコースを白川ダムまで戻ってきて,そこから飯豊町の方に行って葉山の山麓を走り,白鷹から県民の森を越えて,さらに金山峠を越えて,七ケ宿に出て,稲子峠と鳩峰峠を通って高畠に戻って,ぶどうまつたけラインを走って水窪ダムに出て,そこから船坂,綱木峠,中山峠と繋げば 300km くらいになるんじゃねぇの?」と。ほほお,なるほど。適当に距離をチェックするとほぼ 320km ほどだった。名付けて『グルッと置賜ロングライド』。よ〜し,酔狂な企画だけど,まずは走ってみるか,ってのがおバカ企画の始まりだった。
どうせ,誰も付き合ってくれないだろうから一人で行く
起床は2時40分。外の雨音を認識し,即二度寝に落ちた。で,3時30分頃に再び覚醒。やばい,寝過ごしたと思ったけど,雨はまだ止んでいない。天気予報と違うじゃないか。行こうかどうしようか迷ったが,天気予報の「次第に回復」を信じて,予定から1時間遅れの5時スタートとした。結局,この1時間の差が,完璧フルコースを走り切ることが出来なかった原因となった(悔)。
予定したコースは,グランフォンド飯豊+置賜周辺のアップダウン(一部隣県も含む)である。実際に走ったコースは,自宅〜船坂峠(あえて峠と言ってみる)〜綱木峠〜中山峠(これも実際は丘だが)〜螻尾峠〜新蔵峠(仮称)〜菅沼峠〜九才峠〜子持トンネル〜百子沢峠〜樽口峠〜小玉川〜百子沢峠〜子持トンネル〜叶水トンネル〜R113〜飯豊小白川〜置賜西部広域農道〜白鷹〜パレス松風〜県民の森〜村山西部広域農道〜上山〜楢下〜金山峠〜二井宿峠旧道〜ぶどうまつたけライン〜 R13 〜 水窪ダム〜 関根〜自宅周辺をグルグルでクーリングダウン〜自宅,の総距離 287km,所要時間 13時間30分,Ave. 21.3km/h,獲得標高 5000m ほど。残念だったのは,時間の関係で稲子峠,鳩峰峠がコースから外れてしまったこと。痛恨の極み(笑)。それと,小玉川から飯豊山荘までの往復ルートは少々趣旨が異なるために加えなかった。そんな訳で,当初調べた時よりも距離が短くなった。
雨の中,サドル上で「止まない雨はないぜぇ〜〜〜!」と叫んでみる
5時ジャストにスタート。路面はハードウェット。フロントホイールから巻き上げられた水しぶきがシューズを濡らす。てっきり上がったと思った雨は,いまだ霧雨状態で残っていて,指ワイパーで時折眼鏡を拭ってやらないと前方が見えなくなってくる。レインキャップを持ってくればよかったと少しだけ後悔。晴れていれば気持の良い朝のサイクリングだが,この天気ではまさに「修業」だ。
農道を走り,最初の船坂峠(実際は,丘だけど)を越える。交差点を直進して,関の集落へ。この時間では屋外で活動している人もまばら。その昔,参勤交代に使われた街道であり,関の集落には,宿場町独特の昔日の面影が僅かに感じられる。集落を過ぎると峠への登りが始まる。そぼ降る雨の中を一人寂しく登る(寂しいってのはウソだけど)。途中の勾配が急になる辺りで腰を上げると後輪が空回り。一箇所だけ工事中の場所があり,法面にブルーシートが掛けられていた。そんなこんなで峠着。降りはそこそこ慎重になる。制動距離が長い。水が跳ねる。降りに入ってしばらくすると,ほんの僅かの距離だが,舗装が剥がされてダートになった工事区間があった。後輪に泥除け付けてきてよかった。こんな状態で後輪からの「ウォシュレット攻撃」を受けたら,あっという間にレーパンびしょ濡れ&股擦れしまくりだぜ。綱木ダムまで降ると,ランドナーだかマウンテンバイクだかのサイクリスト発見。まだ6時頃だけど,どこに行くんだろうか?
小野川温泉への分岐を逆方向に左折して,中山峠を越えて R121 に出る。すぐに右折して螻尾峠への登りに掛かる。十年以上前,朝練で毎朝のように登った峠道。今でも景色はほとんど変わらない。降って,ようやくグランフォンド飯豊の正規ルートの東沢小学校のところの十字路に到着。ここからはグランフォンド飯豊のコースをトレース。雨は霧雨から小雨状態になってきた。雲は相変わらず厚く,切れる気配がない。ったく,この雨,本当に上がるのかよ。
農作業車が道路に落としていった田んぼの泥が,雨で流れ,タイヤで跳ね上げられて,膝から下は既にドロドロ(苦笑)。新蔵峠,菅沼峠と越えて白川ダムへ。白川荘の近くに来ると,妙な幟が目に付く。下の画像だけど,「ミネラルわらび園」ってのは,一体どんなものなんだろう? 「活性水素」とか「マイナスイオン」とかと同様の,妙なネーミングなのか? 九才峠への登りに掛かると,最初のコーナーのところのワラビ園が満車御礼状態。驚きつつ,よくよくみれば,どうも白川荘の宿泊プランで「ワラビ採り」のパックがあるらしい。そのお客さんだったようだ。それにしても,新潟,宮城,福島ナンバーなどよくこれだけワラビ採りに集まったもんだ(呆)。
峠からは延々と降る。次第に雨足が強くなってきたので胡桃平辺りで雨具の上下を着ける。上はカンパニューロの雨具,下は,セブンイレブンで買った 400 円ほどのカッパのズボンを膝から下をカットしたもの。が,やはり,この程度のものの流用では具合が悪い。どこかが引っ張られていて,ペダリングがスムーズにできない。妙なところが擦れる。小さな負荷を掛けつつ走っているような感じ。今度の 600km ブルベに向けて雨具の下の部分もなんか考えないと。
叶水酒店で走行距離は 70km ほどで,正規ルート+20km ほど。子持トンネルを越えた辺りで,雨は次第に本降りに近くなる。やれやれ。そのまま,雨具の上下を着けて走っていたが,あまりにもペダリングし辛いので,百子沢峠の途中で下を脱ぐ。暑いので,上も脱ぐ。幸いさっきよりも少しだけ小降りになったようだ。そういや,極楽峠の「全面通行止め」の看板と閉鎖ゲートが無くなっていた。工事は終わったのか? それにしても,雨の日のサイクリングは少々退屈だ。「『落石注意』かぁ。『隕石注意』なら面白いのになぁ」などとしょうもないことを考えるほどに退屈である。いくら雨に濡れた新緑が奇麗だといっても,2時間も3時間も眺めていればたいがい飽きる。なにか,雨の日の意識の持ち方を工夫してみるか(笑)。
頻繁に現れる途中のワラビ園は,雨にもかかわらず大盛況の様子。そんなこんなで樽口峠の登りに掛かる。なんか調子が今ひとつで,勾配が急になると,途端に後ろから引っ張られているような重さを感じる。この先大丈夫かな? ようやく樽口峠着。まあ,雨の日も乙なものかな。スタートから 95km ほど? まだ 1/3 だよ。雨は降り続く。
展望駐車場に着くと,そこは満員御礼状態。すべてがワラビ採りの客。駐車場ではボトルに CCD と水を詰めて,おじさんと世間話をちょっとだけして,直ぐに出発。「どこまで行くの?」なんて訊かれたけど,なんて応えていいのかわからないので,「置賜の周辺をグルッと廻ってます」と。降って行くと,小玉川側からの登り口に料金所があった。なるほど,この山全体がワラビ園なのね。六斗沢の集落辺りで,一瞬陽が差したので,雨具を脱いだら,その5分後にはまた雨が落ちてきたのでまた着た。いい加減にしてくれ。微妙に空腹なので,降り切った辺りの店で食事でもと考えたが,9時台ではまだ開いていない,..。
それにしても,この雨はいつ止むのか。新田橋までの下り区間で再び本降りになった時には,心底嫌気が差して来た。が,しかし,降る雨と当らない天気予報に苛ついても仕方がない。お役所(特に霞が関)と自然現象には巻かれてしまい,無抵抗主義を貫くのが賢い処世術だ。ってことで,「止まない雨はないんだぜぃ〜〜・・・♪」などと口ずさみながらの走行。
子持トンネルまでの登りはかなりの雨足。脱いでいた雨具の下を再び(三度?)着ける。戻りの子持トンネルを越えて,九才峠に向おうとして,ふと考えた。九才峠でもいいけど,『グルッと置賜ロングライド(仮称)』なので,同じ道を二度走るのはできるだけ避けたい。ここ(叶水)からなら,R113 に出ることができる。心底,嫌いな道(南陽〜村上の区間)だけど,新宇津トンネルくらいなら我慢できるだろう,と考えて,叶水トンネルを抜けた。しばらく行って,標識に従って横川ダムのなんたら館の方向に左折。これが間違いで,そのまま県道 15 を進むべきだった。お陰で R113 での走行距離が増えた,..。○| ̄|_
しばらくアップダウンを走るとやがて R113 に出る。20年以上前に仙台〜村上〜鶴岡〜新庄〜鳴子〜古川〜仙台のツーリングをした時以来だ。昨年のブルベ 1000km では,雨降りの夜に,ここを走るのが嫌だというのが,リタイヤのひとつの理由だったほどに嫌いな道だ。今日は昼なので百歩譲って我慢して走ることにする。で,案の定,車は多いし,アホな運転手もそこそこいるし,トンネルだらけだし,不愉快なことこの上ない。新宇津トンネルを抜けた頃にはストレスで胃が痛くなってきた。
ようやく飯豊小白川の信号で左折。ホッとした。そして,この辺りに来ると道が乾いている。でも,細かい雨が風で運ばれてきている様子。飯豊中学校近くのセブンイレブンで補給タイム。かなりの空腹で 700kcal ほどのカルビ焼肉丼やら調理パンやらをガツガツとお腹に納める。クエン酸の入ったジュースをガボガボッと呑んでスタート。ここまでで7時間で 150km ほど。ようやく,雨が上がった。この辺りから,油の切れたチェーンから音がし出した。小さなオイル入れを持ってくればよかったが,まあ,なんとかなるだろう。
いくつ目かわからない峠の途中で「終わりのない登りもないんだぜぇ〜〜〜〜〜!」と叫んでみる
しばらく走るとやがて置賜西部広域農道(別名:葉山山麓線,と勝手に命名)へと入る。ここがアップダウンを繰り返しつつ十数キロ(だっけ?)続く,まさに「鍛練のための道」。元気な時には,アウターでゴリゴリ登れる箇所も,150km 以上のアップダウンの走行後では大した脚も残っておらず,仕方なくインナーに入れてヨイショヨイショと登る。白鷹に入った辺りで,さっき,あれだけ食ったはずなのにハンガーノック時に感じるような眠気を感じ,慌てて,さっき買っておいたチーズケーキタルトなんぞを車上で補給。お,ちょっと,美味い。^^;
R287 に入り,直ぐにパレス松風への登りに入る。ここも2キロほどの登りで何気に辛い。降って,今度は「県民の森」越えのルート。イーブンペースで垂れることなく大沼付近のピークをクリア。ここで9時間ちょっと。降り切った辺りで,登ってきたローディーとすれ違う。なにやらえらくさわやかな笑顔で手を振ってご挨拶していただいたが,お知り合いだろうか? 誰だかわかりませんでした。降り切った辺りが約 200km 地点。
信号を右折して,村山西部広域農道が始まる。「広域農道」と名が付くためには,きついアップダウンがあることが条件らしい。これから先のことを考えると,もう一度補給しておいた方がよかろうと上山のセブンイレブンで2度目の補給タイム。どこが楽しいのか理解不能なバカ話に盛り上がりつつタバコを吹かしているオネーチャンたちの脇にどっかと座り込み,これがオッサンの遊び方だ,よく見ておけと,おにぎりやら調理パンをガツガツと喰らう。グハハハ。* ̄∇ ̄*
楢下の辺りは緩い登りと向かい風で少々辛い。スピードが出ない。気を抜くと 23km/h とかになっている。バーの下を持って気合いを入れ直す。ようやく金山峠入口に到着。ここまでで 220km ほど(かな?)。ここも不思議なことに 11 ~12km/h 程度で垂れずに登り切れた。頭の中では,「終わりのない登りなんてないさぁ〜〜〜〜♪」なんてフレーズが繰り返し流れる。一人で長い距離を走るということは,こういうことである。
やがて,七ケ宿のところで R113 と合流する。実は,走りながらスケジュールをいろいろと検討していて,この場所に午後3時半頃までに着かなければ,稲子峠と鳩峰峠はカットして,二井宿峠を下ってぶどうまつたけラインに入ることを決めていた。で,時刻は4時10分。ここから稲子峠を越えて鳩峰峠まで2時間は掛からなくても,1時間半くらいは軽く掛かるだろう。ということは,鳩峰頂上でほぼ午後6時。ざっと計算すれば帰宅は8時頃。まあ,ライトもあるし,不可能ではないが,水窪ダム湖畔道路を暗くなってから走りたくない(怖いから)。そんなことで,ここはヒヨル。帰宅後の後始末の時間も確保したかったしね。
二井宿峠旧道の降りは,なぜだか拳大から赤ん坊の頭くらいの大きさの落石がゴロゴロしていた。で,あるコーナーを回り込んだら,「おお,でっかい石がゴロゴロしてるぞ!」と一瞬思った。が,その落石のように見えた大きな灰色の物体はワラワラと動き出した。なんのことはない。20頭ほどのサルの群れだった。ちょっと魂消た。
高畠まで降りて自販機でコーラを補給。自宅とセンチュリーを走り終えたはずの加藤さんに電話。その後,最後の峠とも言える「ぶどうまつたけライン」に入る。ここもまずまずのペースでクリアして,そのまま R13 へ。後ろからの大型車にビビりつつ,登坂車線の脇の左端をセッセと登る。ようやく水窪ダムの湖岸道路へ。高速道路の工事も進んでおり,景色が一変していて驚く。昔散々走った,懐かしいアップダウンを勢いでこなしつつ関根へ。
ここからは平地のクーリングゾーン。負荷のかからないギヤでケイデンス 120rpm くらいでクルクル廻して脚のマッサージ&クーリングダウン。いっそのこと船坂をもう一度登って,小野川を回って,距離を 300km にしておこうかと思ったけど,自転車掃除の時間も確保したいし,面倒臭くなったので止めた。
午後6時半に自宅着。なかなか充実した一日だったけど,...後始末が面倒だった。でも,これでコツがわかったので,外してしまった稲子峠&鳩峰峠を入れたフルコースでそのうちリベンジするぜ。
で,食ったものは,カルビ焼肉丼,チーズケーキタルト,調理パン×2,野菜ジュース,レモンジュース,おにぎり×1,小さな羊羹×5,CCD ×3,だったかな。合計で,..3000 kcal くらいかなぁ。
下が,プロフィールマップ。意外だったのは,このコースの最高標高が綱木峠(出だしの高いピーク)だったこと。
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で,コースのログは,以下の如し。やっぱり,同じコースを二度通る箇所があると美しくないなぁ(笑)。往路に極楽峠を通っても,百子沢峠のところはダブるんだよね。どうしようもないのか。飯豊町に入ってからの登りが今ひとつ甘いようにも思うんだけど,..。やはり,稲子峠と鳩峰峠は外せないか。あるいは金山峠をスルーして,柏木峠を通り,さらに鳩峰峠を越えて,稲子峠を越えて二井宿峠を下ってくると言うのもありか,..。あ,これもコースがダブるのか。二井宿峠旧道,鳩峰峠,金山峠,稲子峠を巧く組み込めないんだよなぁ。
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